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健康の話 ー(1) |
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健康を守る3本柱 |
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健全な生体機能がその維持にとって危機に直面した時、それを乗り越えよう
とする体の力は三つあり、恒常性維持機能、自己防衛機能、自己再生機能で、こ
れらが相関し合って危機からの乗り越えを計る。このうち自己防衛機能と自己再
生機能が自然治癒機能と呼ばれる。人体はおよそ60兆個の細胞から成り立ち、
その細胞は血液のもたらすエネルギーにより生かされている。この事は血液の質
と血流の状態、そして、他の体液の流れがこれら三つの機能を成り立たせる要因
となっていると言える。
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恒常性維持機能 外部環境の変化や、体内生理機能
の乱れによって生体機能が破綻に至らない様に常に
一定範囲内に復帰、調整するための機能。暑い時発
汗し体表面温度を下げ、生体温度をコントロールし
たり、水を飲み過ぎても、水分摂取が長時間断たれ
ても、尿量を調節するホルモンの働きにより、体内
水分量と塩分量を常に一定に保つ働きをし、又、運
動によって筋肉の酸素消費量が増えれば心臓の鼓動
サイクルを上げて血液循環量を増加させ、補給酸素
を増やす等で巧妙に張り巡らされた多様なこのシス
テムにより人は様々な環境の中、生体機能を維持
し、活動出来る。
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レオナルドダヴィンチ・人体図
1452〜1519
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自己防衛機能 細菌や外部異質物の体内侵入や既存の体内細胞の変質を監視し、
いち早く検知してそれへの攻撃の指示や準備をしてこれを包囲死滅させる。血流
に乗り全身の細胞を健全に保つ重要な役割を担つており、これが有効に機能しな
いと、たちまち悪性の異質物が増殖をしたり、様々な感染症の発症につながる。
自己防衛機能は免疫機能と同義語で、これを司る免疫細胞は1kgの重量を持ち、
2兆個の数とされ、常に全身を駆け巡っている。免疫芽細胞から分化した形質細
胞により作られた抗体が病原体を取り囲んで分解するリンパ球による体液性免疫
システムとT細胞、NK細胞、マクロファージ等が直接病原体を攻撃破壊する細胞性
免疫の二通りが有り、免疫細胞が病原体を包囲、死滅させるメカニズムは複雑で、
感覚的に理解出来る領域を超えているので、ここでは省略するが、免疫力は白血
球の数とその活性による所が大きいとされ、各細胞に内在する高酸化酵素SOD、マ
クロファージ、リンパ球、顆粒球をバランスよく強化し、そしてこれらをコント
ロールする免疫隊の司令官、トランスファーファクターの活性を保持する事が大
切とされる。 |
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自己再生機能 文字どうり破壊、欠損させられた生体組織を自らに力で修復、再
生し、機能を復活させ、生命維持を図る固有の機能で、人は生まれてから細胞分
裂を繰り返し、遺伝子により受け継がれた設計図のもとに余分も、不足も、間違
いもなく60兆個の細胞を正確に配列して成体を形成する。見事なものだが、こ
の自己再生機能も同じ遺伝子の記憶にもとずいている。創傷治癒の過程で遺伝子
記憶にもとずいた再生を見てみると、まず傷口の血液の凝固因子の活性化とこれ
の連鎖により血漿中の物質が線維素に変化し、血球と絡み合って血液凝固が始ま
り、出血を止め、マクロファージにより繊維芽細胞が呼び出され、これによりコ
ラーゲンが産生され、成長してコラーゲン繊維となり、これで傷口が安定し、そ
こから組織の再生、血管の新生、毛細血管の発達から、やがて上皮が癒合に至り
治癒となる。体表面の創傷の治癒過程は概略この様な理解となるが、人体内部組
織の破壊や傷み、炎症等の自己再生機能の治癒の働きは更に複雑で様々な奥の手
が使われる。このミクロの世界ながら偉大な医療システムを全ての人がその体内
に備えているもので、人はこの自然治癒の力によりケガの耐えなかった太古の人
類から生命を繋ぐ事が出来た。これがなければ、かすり傷程度の切り傷でも間違
いなく死に至る。人は全てこの天の遣わせた名医を体内に備えている。 |
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本文は一般的に認められるとされる事項から構成しました。-青い風-
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