校長挨拶
校 長 飯 田 秀 人
第一に、フランスの思想家アランの「歌を唄いながらパンを食べていくことの幸せ」という言葉です。これは、自分の好きな道を歩みながら、生活の糧も稼ぐことができることの幸せを述べた言葉です。若い時代には、自分というものを真摯(しんし)に見つめ、「自分を探し」、自分の可能性に挑戦して欲しいのです。
時々、努力もしないであきらめてしまう人がいます。自分の可能性を自分から放棄(ほうき)してしまう人が多いのです。中国の孔子(こうし)は、弟子の後ろ向きな言葉に対して、「汝今画った(なんじ、いま、かぎった)」(「おまえのその言葉は自分で自分の可能性を否定している」)と叱責(しっせき)しましたが、これは、まさに努力もしないで、自分の可能性を自ら狭めていることへの叱責でした。この孔子の言葉こそ、君たちに送る言葉の第二です。
高い目標を掲げ、一生懸命努力することによってこそ、道が拓ける(ひらける)のです。こんな当たり前のことが、何千年も語り継がれてきました。それだけに、人間の弱さの本質をついた言葉です。
第三は、私自身からです。確かに「努力してもかなわないこと」もあります。私自身の半生も失敗の連続でした。しかし、一生懸命に努力した人を天は裏切りません。理想とは違う職業に就いた(ついた)としても、実は「それこそが天職だった」ということが多いことも知っておきましょう。人生はだからこそ面白いのです。ただし、それは一生懸命に努力した人に対してだけ訪れる「喜び」でもあります。
(最初から「理想はかなわない」と思っていてはだめです。念のため。)
第四は、「人のために役立つこと、社会のために貢献すること」には最高の喜びがあるということを知って欲しいのです。人は一人では生きていけません。人のためになること、それ自体、人と社会との絆(きずな)を実感するときなのです。私は、仕事をとおして、働くということをとおして、この喜びを実感できるような人になって欲しいと願っています。
最後に、働くことは社会に参加することです。高校時代に君たちは、人生と社会を大いに学んでください。自分の可能性を信じて精一杯努力し、人々と社会に貢献することの喜びに気づき、人々との絆の中で、「より良く生きること」を実践して欲しいのです。
自らの「人生の主人公」である皆さんの「よりよき人生」を願っています。
熱海高等学校校長 飯田
秀人