伊豆新聞寄稿より 

 

 

伊豆半島には、住民の購読率のとても高い伊豆新聞という地元紙があります。地元の情報が網羅されていてとても愛されています。伊東おやこ劇場では、例会ごと紹介記事を載せていただいたり、自主活動を紹介していただいて、とてもありがたく思っています。

その新聞に時々、恐れ多くも寄稿文として例会の紹介を書き、掲載いただいています。書くたびに、もっとすらすら書けたら毎回載せてもらえるかもしれないのになぁと自分の遅筆が悔やまれます。でも、やっぱり、気の向いた時しか書けません。読みやすい長さの800字〜1000字に納めるために、せっかく書いた文を大幅に削除したり、さんざん書き直して自分でボツにすることも何度あったことか・・・。以下、実務的な内容を省いて掲載してみました。

 

第4回 お月見会 名所へどうぞ  〜お月見のお誘い〜

第154回例会 音楽 「 冬眠ピアノお目覚めコンサート 

第152回例会 舞台劇 「だってだってのおばあさん

第150回例会 音作りパフォーマンス「だるま森のがっきやさん」に寄せて
第147回例会 
人形劇「火よう日のごちそうはひきがえる」によせて

第141回例会 舞台劇「君がいるから」によせて

第135回例会 芸能 「こまのおっちゃんのこまのサーカス」

地域公演    人形劇&腹話術 「ねずみのすもう・ハローカンクロー」

                「さんまいのおふだ・ハローカンクロー」 

第122回例会 音楽 「ジャズってなあに? 〜河野康弘と愉快な仲間たち」

 

第4回 お月見会
   名所へどうぞ  〜お月見のお誘い〜    21年10月3日 小室山山頂にて


 伊東おやこ劇場の小室山山頂でのお月見会は四回目となります。今年は十月三日の十五夜に開催いたします。
海から昇る満月を眺めようと企画した第一回は台風一過の青空で、はるか伊豆七島まで眺めることができ、宝くじを引き当てたような気分でした。
 夕焼けが放射線状に雲を染め、富士山や房総半島の空も染め、やがて島々や街の明かりが灯る。虫たちが大合唱をはじめ、月は房総から昇り、海に光の道ができる。あまりにすばらしかったので、私たちはやみつきになってしまいました。
 夕方の忙しい時刻に集まってわざわざ山に登り、刻々と変化する自然を仲間とともに楽しむ。すばらしいねと言い合うと心が繋がる。この楽しさは観劇と同じだと思いました。
 天気に恵まれなかった昨年は、あきらめかけた頃やっと月が顔を出し、皆で歓声をあげました。初日の出が雲の隙間から現われた時のように!
 今年十月三日の月の出は16時37分頃、日没は17時27分頃。海から昇る時の月は白く、やがて夕焼けに赤く染まり、幻想的に輝き出すことでしょう。
 同じ日に小室山山頂では、東海自動車によるお月見会も開催されます。つまり十八時半から二十時の間にリフトが動きます。
でも私たちは夕焼けと月の出を楽しみますので十六時に集合します。リフト営業は通常十六時までですので、乗りたい方はその前にお越しください。
 雨天の場合は、翌日の十六夜(いざよい)の月を楽しみます。まん丸の月が三十分遅く昇ります。
 俳句大会に参加するなら、小学生以下はリフト代無料です。俳句を考えながら眺めると、景色はいつもと違って見えてくることでしょう。
 展望台では自然歴史案内人の方が天体望遠鏡を用意して、見せてくださいます。
 十九時からはサックスの演奏があります。演奏なさりたい方は、楽器持参でいかがでしょうか?
 山頂でおだんごやおさかなコロッケが販売されるので、お腹も幸せに満たされそうです。
 参加する場合は上着と懐中電灯を絶対にお忘れなく!歩いて下山すると真っ暗闇が体験できます。安全確保は自己責任でお願いいたします。参加費無料(リフトは有料)申込不要です。感動を分かち合いたい方と連れ立ってお越し下さい。

第154回例会
   〜心揺さぶられる体験をこどもたちに〜  冬眠ピアノお目覚めコンサート」に寄せて
     アスキャップ 河野康弘    20年9月7日14時より、ひぐらし会館ホールにて 

  国内福祉施設などへのピアノの寄贈が百十四台。南アフリカなど海外へ百十二台。今例会でお招きするジャズピアニストの河野さんは、コンサート活動をしながら募金を募り、古くなったピアノを修理して国内外に寄贈する活動を、十六年間もこつこつと続けてきました。ピアノを弾きながら自然保護と平和を訴えて、八月だけでも高知、福井、島根、広島、福島、京都、石川、そして北朝鮮へと、まさに飛び回っています。穏やかな河野さんにの中に、はかり知れない強さが感じられます。

「山の木を切って作っているピアノを最後まで使ってあげることが地球を守ることに繋がります。」「ピアノは習い事の道具ではありません。もっと弾いてあげてください。」わかりやすいお話はこどもたちの心にも届きます。
 「ジャズって難しくないですよ。もっと気楽に音楽を楽しんでください。」と、みなさんが知っている曲をジャズにアレンジして聴かせてくれます。手拍子を打ちながらワッハッハと歌い、会場全体で大合唱すると、心が解き放たれていきます。

第二部では地元シンガーソングライターの島田須可子さんを招き、島田さんオリジナルの「伊東へこらっしぇえ」など数曲を河野さんのピアノ演奏で歌っていただきます。子どもたちは、簡単なコーラスに参加したり、鍵盤ハーモニカで「さんぽ」を合奏したりできます。

伊東おやこ劇場は、実は共同の子育ての場なのです。こどもたちがいいものを観て聴いて心を揺り動かし、自主的にいろいろな体験をしながら多くの人と関わり合うことを、いっぱい経験することが重要だと考えて、三十五年間活動を続けてきました。

子どもも大人も生き生きとしているおやこ劇場の良さを、多くの方に伝えたいと、今回は体験入会の募集しています。子どもだけ、大人だけ、今回のみでも、どうぞお気軽に参加して下さい。

当日はめいっぱい楽しんで元気になりましょう。

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九月七日開場十三時四十分、開演十四時、伊東市ひぐらし会館三階ホールにて。体験入会はひとり二千円(三歳以下無料)。継続の場合は月会費千円。賛助会員年会費五千円。問い合わせ、申込みは同劇場事務局∧電(36)3210∨まで

 

第152回例会
  創立35周年の伊東おやこ劇場  記念例会「だってだってのおばあさん」に寄せて
    劇団うりんこ    20年4月26日18時より、伊東市観光会館別館にて

伊東おやこ劇場は今年十月に創立三十五周年を迎えます。胸躍る春の第百五十二回例会に、同じく三十五年の歴史ある劇団うりんこ(名古屋)を招いて、舞台劇「だってだってのおばあさん」を鑑賞いたします。
 原作は「一〇〇万回生きたねこ」の作者である佐野洋子さんの、「だってだってのおばあさん」「あのひの音だよおばあさん」という二冊の絵本です。これにちなみ、伊東市立図書館では佐野洋子さんの本の特別展示コーナーを設けていただいています。
 二〇〇五年八月に初演を下見させていただいたのですが、歌あり踊りあり楽器の生演奏ありで、明るく元気いっぱいの舞台でした。小さな子を飽きさせず、ねことおばあさんの心の変化と成長がいとおしく感じられる暖かいお芝居でした。
 「初演としては良くまとまっているね。一年くらいして練り上げられたらたら、さらに良くなるでしょうね。」いっしょに観た富士こども劇場や静岡のおやこ劇場の方とそんなお話をしました。
 あれから二年八ヶ月、劇団の方によれば、何度も何度も手を加えてだいぶ変わったそうですので、私は今回とても楽しみにしています。児童演劇には、子どもにこびることなく高い水準の作品を創り出す劇団が数多くあります。うりんこもそんな劇団のひとつなのです。
 おばあさんの口ぐせは、「だってだって、私はおばあさんだもの」でした。九十九才の誕生日に小さな事件がおこり、おばあさんは五才になってしまいました。そして、五才の子ねこと魚つりをしたり、小川を跳びっこしたり、のどかに暮らしていました。そこに天才ねこが現れて、心がざわざわし始めます。さてさて?
  創立三十五周年を記念して、多くの方に観ていただきたいと体験入会による鑑賞希望者を募集しています。子どもたちだけでなく、心がおばあさんになりたくない大人もぜひ観に来てください。

創立期には一千九百人を超えた伊東おやこ劇場の会員数は、現在は約百人となってしまいました。でも、こどもたちを心豊かに育てたいとの願いは変わらず、年四回の生の舞台を鑑賞し、さまざまな自主活動を活発に開催したことが認められ、「平成十九年度しずおか子育て未来大賞・わくわく子育て実践部門」で奨励賞をいただくことができました。ご支援、ご協力くださった皆様に、この場を借りて心からお礼申し上げます。

生の舞台を上演するためには、観る仲間がたくさん必要ですので、これからも優れた作品を伊東で鑑賞できるようにと、会員として継続していただければ幸いです。
 
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四月二十六日開場十七時四十分、開演十八時、伊東市観光会館別館にて。体験入会はひとり二千円(三歳以下無料)。継続の場合は月会費千円。賛助会員年会費五千円。問い合わせ、申込みは同劇場事務局∧電(36)3210∨まで。体験入会券取扱のみ伊東ショッピングプラザデュオカウンターでも行っています。

 

 

第150回例会

  音作りパフォーマンス「だるま森のがっきやさん」に寄せて

はるおん楽舎    19年9月9日13時30分より、伊東市観光会館第一会議室にて

 

 今回は、三鷹市から総合工作芸術家だるま森さんをお招きいたします。だるま森さんのインパクトの強さは、私が今までいくつもの劇団や団体の説明を聞いたり下見した中でも、格別です。新聞紙をガサガサとまとったダルマ姿で現れ、オリジナルの紙でつくったおもしろ楽器を紹介しながら演奏してくれたのですが、その風貌と舌足らずの「えもいわれぬ語り口調」がおかしくて、思わず惹き込まれてしまいました。

 当日会場いっぱいに広げられる芝居小屋はすべて手作り。色彩豊かでアジア風のあやしげな見世物小屋のようです。「創りたいままに創ったらずいぶん大きくなってしまいました。」と聞いて、私たち会場準備の者は冷や汗たらり…。(どれほどの荷物をあの3階にあげなければならないのだろうかと)

 そんな「ヘンテコお伽小屋」の前に、新聞紙の衣装でだるま森さんがそろりそろりと登場すると、会場のこどもたちから「変〜」「あやしい〜」そんな声が湧き上がることでしょう。こどももおとなも驚いて、思わず笑い出す姿が眼に浮かびます。

 そして「はるおんハープ」「にょろにょろ君」「ブタバグくん」「ミニカリンバ」など、素敵な楽器を目の前で作って演奏する音作りパフォーマンスが始まります。お囃子のえりこさんがガムラン風の音楽で盛り上げて、興に入ります。

 今回の舞台のなによりの魅力は、こどもたちと平和を心から愛するだるま森とえりこさんの強い想いにしっかりと裏打ちされていること。だだのふしぎでおもしろい舞台ではないのですよ。

 

 終演後、スイカの形をした楽器作りのワークショップ(材料費五百円)を行ないます。「だるま森はみなさんをいっぱい褒めます。作品で褒めることがなくなると髪形や洋服や笑顔も褒めます。」そうやって参加者のやる気と自由な発想を引き出す一生懸命な姿勢がとてもうれしいひとときです。

 めったなことでは味わえない、異色のだるま森ワールドを体験しに、おとなもこどももお出かけくださいませ!

 

 

 

 

第147回例会

  人形劇「火よう日のごちそうはひきがえる」によせて

人形劇団京芸    平成19年1月21日14時より、伊東市観光会館第一会議室にて

 

四年ぶりに人形劇を上演いたします。富士こども劇場とコースを組むことによって、全国でも指折りの人形劇団京芸を京都からお招きできることになりました。

伊東おやこ劇場の会員数は現在百三十人と少なくなりましたが、来年四月までの例会で人形劇・舞台劇・芸能など六作品の上演をすることを決定し、元気で頑張っています。

二年前に大好評だった、NHK教育テレビ出演のくぼたまさとさんの工作教室の実施も日程調整中です。

体験を通じて子どもたちに豊かな心を育むための自主活動で、昨年はウォークラリー・デイキャンプ・海遊び・お月見・科学おもちゃ作りなど多くのイベントを行ってきましたが、今年も二月十一日の新年会(おにぎりバイキングとこまあそびなど)をはじめ次々と企画してまいります。

 一月二十一日の例会で上演するのラッセルE・エリクソンの絵本を原作とした「火よう日のごちそうはひきがえる」という人形劇で、バックにチェロの音楽が流れ、どこかなつかしく暖かい感じがします。

みみずくにつかまえられたかえるのウォートンは、『誕生日のごちそうにする』と言われて絶体絶命!その誕生日まであと五日……。かえるやねずみの愛らしい動き。羽根を広げたみみずくの大迫力。人形劇ならではのおもしろさがいっぱいの作品です。

良質な作品を遠方から招くために、観続ける約束をしてくれる人がたくさん必要なのですが、伊東おやこ劇場は会員が増えずに大変苦労しています。

おやこ劇場の良さをご存知の方は、お近くのこどものいるご家庭に一度はおやこ劇場の例会を観てみるようにとお勧め願えませんか?継続しなければだめとは申しません。ひとりでも多くのこどもたちに観ていただきたいと思います。

伊東おやこ劇場を続けていくために、賛助会員の募集も始めました。こどもたちが遠くに出かけなくても、地元で優れた舞台芸術にたくさん触れられるようにと、多くの方のご支援をお願いいたします。

 

 

 

第141回例会

 舞台劇「君がいるから」によせて

劇団CAN青芸  平成19年6月19日 14時より 伊東市観光会館第1会議室にて

 

パワフルな初演でした。テンポの良いやりとりは、まるでかけあい漫才のようでした。

劇団CAN青芸の「君がいるから」はラッキー・教授・どんぶりという三匹の犬?が主人公です。自分を置いて引越ししてしまったオッチョコチョイのご主人様の新しい家を探しているというラッキーの「いっしょにさがしてくれよ〜」という頼みを断り切れず、「こいつ捨てられちゃったんだよな〜」と思いながらも探しにでかけるという友情物語です。

 毎年七月、代々木オリンピックセンターで子ども舞台芸術フェスティバル「出会いのフォーラム」が開催されます。舞台劇・人形劇・音楽・芸能という様々な表現方法でこどものために作られた舞台芸術の見本市です。

 人形作りや音楽・ダンス・表現のワークショップも数々開催されます。

首都圏を中心に全国からおやこ劇場や公文協(学校)の関係者が訪れ、作品情報の収集をしたり、講演を聴くなどして学習をしていきます。

 私もここで、静岡県の仲間と共に二日間で九ステージもの鑑賞をしたり、東京や岐阜や九州に所属する親しい事務局に会い、楽しみながら情報収集しています。

 身についてしまった事務局の習性がときどき嫌になるのですが、常に「この作品を伊東にもってきたらどうか」という視点で作品の品定めをしてしまいます。幼児から小学生までいっしょにみられるだろうか、セリフが多ければ幼児には理解できない。でも、動きがよければ、大人にはない視点で幼児も楽しめる。役者の力量はどうか、メッセージ性はあるか。

「君がいるから」はその他諸々の私の中にある諸条件を見事にクリアした作品でした。会員アンケートでもあらすじの良さからか、面白そうと支持をいただきました。

 舞台装置はほとんどなし、衣装も人間の衣装のまま、しっぽも耳も無し。顔にヒゲを描くかどうか迷ったそうですが、それすらなし。

 役者の力量だけで、場面場面を想像させてくれます。横断歩道をハラハラドキドキでわたるところ、水道の詮を口でひねって飲むところ、野犬に襲われるところ……犬が主人公だけに、わかりやすく想像しやすい。

いっぱい笑ってちょっぴりホロリ。これならば、と事務局として自信をもって提案した作品です。上手だな、すごいな、おもしろいな……心をいっぱい動かしていただきたいと思います。ぜひご鑑賞下さい。

 


 

 

 

地域公演                      

    人形劇&腹話術「ねずみのすもう」「ハローカンクロー」  

           平成15年3月23日 生涯学習センター中央会館・熱海マリンホール  

        「さんまいのおふだ」「ハローカンクロー」

                3月24日 デュオホール

          

 

 隣の人が大声で笑うと、なんだか安心して自分も声たてて笑うことが出来たりする。みんなが笑う、みんなで笑う。会場一杯に笑い声が響き合えば、役者にも熱がこもる。そんな生の舞台の楽しさを味わってほしいんです。こどもたちが夢中になって、次の言葉を待つようにして笑いころげたり、お話に入りこんで役者や人形たちに必死に声をかけたりしているのを見ていると、なんだかとても嬉しくなってしまいます。こどもたちはすごくいいなという場面で振りかえり、笑っているお母さんとうなずき合いながら舞台へ目を戻していきます。そんなひとときをもっと多くの方に過ごしてほしいんです。
 伊東おやこ劇場では、創立30周年記念として、地域のみなさんと一緒に楽しみたいと「腹話術と人形劇」を春休みに3会場でチケット売りの公演を行ないます。
 昨年11月、出演者のくすのき燕氏は伊東に来て、「肩掛け人形芝居は、肩から吊下げた箱を舞台にして歩きながら演じる日本で昔行なわれていた人形劇です。この上でやるなら何が面白いだろうかと考え、格闘か逃げるかだと思い、『ねずみのすもう』をやることにしました。『さんまいのおふだ』は逃げるおもしろさを出し、基本的にお笑いで、怖いお話ではありません。」と語り、腹話術「ハロー!カンクロー」も演じてくれました。カンクローは、恥ずかしがり屋で小生意気でとてもかわいい鳥です。くすのき氏の間のうまさ、語り口、人柄の良さに、これなら幼児からお年寄りまで楽しんでもらえるとスタッフは当日を心待ちに準備をすすめてきました。 3月23日は、腹話術と人形劇「ねずみのすもう」を10時30分から伊東市生涯学習センター中央会館、15時から熱海マリンホールで。3月24日は、腹話術と人形劇「さんまいのおふだ」を11時から伊東ショッピングプラザデュオホールで行ないます。特別鑑賞券一般900円会員700円(3歳以上)。取扱は伊東おやこ劇場事務局(中央会館内電話36−3210)またはデュオカウンターにて。新規会員も募集中。

 

第135回例会

    芸能「こまのおっちゃんのこまのサーカス」によせて

日本独楽博物館 平成 年12月14日@10時〜A14時〜 伊東市立西小体育館にて

 

  「ぼくは音楽で、こまのおっちゃんのように子どもたちに感動を与えたいと思います。」北海道から来た若い演奏家のアピールを聞いて、出席者がそろって振り向くと、おでこも耳も真っ赤になったおっちゃんがしきりに首を振って照れていました。 静岡県おやこ劇場子ども劇場連絡会は、その年の例会で公演をする劇団や音楽・芸能団体の関係者を招き、創造の想いを尋ねるなどして、作品を深めるための例会交流会を行っています。

 「この例会はただ独楽まわしの芸を観て遊ぶだけじゃない。おっちゃんの熱い想いと生きる姿勢を、子どもにも大人にも感じとって欲しい。伊東に帰って出来るだけ多くの人に伝えなきゃ」こまのおっちゃんの話は、そう思わせるものでした。

 ――-独楽の技は百あるが、それができても生きてはいけない。技なんかどうでもええんや。「やりたいと思った事は、やってみる」ことが大事。やりたいと手を上げられる子は、世の中を渡っていける。泣くまでやっている子はえらい!そして「やると決めたのはぼ

くなんや」と大人が思わせることができればすばらしい。ベイブレードは赤ちゃんごまや、自分の力でやる方がかっこいい。どんな遊びでも「やらなくなてはならないもの」と感じたら重荷なんやろう。

「やりたいなー」「知りたいなー」の状態を作るのが大人の仕事や。芸を見せているつもりはない。そのあと何をするかが大事なんや。――

 こまの芸を披露した後の体験教室をものすごく大事にしているんだなと感じました。おっちゃんのもつ熱意が感動を生み出すのでしょう。生の舞台だからこそ、生身の人間から人間へストレートに伝わります。参加者全員にこまのプレゼントあり。おとなも「出来た

!」の嬉しさを思い出してください。

 おやこ劇場の例会を伊東中のこどもたちに一度は観てほしいと願っています。こんな時代に負けないように、心を揺り動かされるようないい体験を子どもたちにいっぱいさせて、心豊かに育てていきましょう。

 

 こまのまわし方や技の紹介、国内外の珍しいこまや伝統芸の曲独楽の鑑賞をした後、日本の投げごま、べーごま、中国ごまで遊びます。

 

 

122回例会

    音楽「ジャズってなあに? 〜河野康弘と愉快な仲間たち」によせて

アスキャップ 平成12年9月15日@14時〜A18時〜 伊東市ひぐらし会館ホール

 

ピアノの低音から高音まで指先でたどってタララララララ。一度やってみたいと思っていたことを私が思い切ってやってみたのは、河野氏のピアノソロコンサートの時のことでした。

「ピアノがお稽古の道具になっている。もっと気楽に自由に弾いて欲しい。猫が弾いても音が出るのだから。ピアノは山の木を切って作っている。

大切にして欲しい。大切にするというのは、眠らせないで、弾いてあげることです。」

 それが河野氏の主張です。河野氏は、誰でも気軽にピアノを弾ける曲として、「ワッハッハ」という曲を作りました。観客みんなが三三七拍子でワッハッハと唄う中、河野氏の伴奏で、ピアノを弾いてみたい人が次々前に出てピアノを自由に弾いくというものです。

 げんこつあり肘うちあり、「習ったことのある人しか弾けないピアノ」に次々とチャレンジしていく人が現れます。

 時には、ピアノを押し倒してしまいそうな勢いでこども津波が押し寄せるとか……

 「学校で習う音楽の歴史というと西洋音楽の歴史です。これは、音楽に対する偏見というものではありませんか。日本民謡だって立派な音楽でしょう?ジャズにも偏見がありますが。難しいことはありません。自由な音の世界を楽しんで見ませんか。」

 河野康弘(ピアノ)と愉快な仲間たち(サックス、ベース、ドラム)が贈る、幼児も楽しめるとってもわかりやすいジャズのコンサートを、あなたも楽しんでみませんか。

 「僕も…」「私も…」ピアノを弾いてみたい子どもたちで場内は輝きわたることでしょう。