*誤植・組間違い*

ミス券の中でもっとも多く見られる「誤植」と「組間違い」の切符を展示しています。
「間違い探し」的な要素のある面白い券です。


*誤植
印刷ミスの中ではもっとも一般的なものですが、「切符の印刷ミス」としてはあまり見掛けません。おそらく検査時に発見しやすいからでしょう。
実際に使用されてしまった券でも、ゴム印等で訂正されたものが多いようです。
・駅名が…

もっとも目立つ入場券の駅名を間違えた例。
左は「四条畷」が「四条」、右は「網走」が「走」となっている。
このミス、実際に書き間違えることも多いのでは?



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一番目立つはずの発駅名を間違えた例。
一段目左から「宇都宮」が「宇宮」、中央「厨川」が「川」、右東急往路片の「戸越銀座」が「戸越座」、
二段目左「伊賀上野」が「伊賀伊賀」、右「山西」が「山」、三段目「加悦」が「加」、最下段「中標津」が「中標」となっている。
気が付いて訂正されているのは「宇都宮」と「中標津」のみ。基本的に似た漢字に間違えることが多いようだが、「伊賀伊賀」とは…。「中標別」は北海道ならではのミスか?




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次に目立つのは着駅。
一段目左から標茶町営軌道「下御卒別」(しもおそべつ)が「下御別」、中央大夕張鉄道「千年町」が「年町」、右加越能鉄道「四日町」が「四日」、
二段目左北恵那鉄道「恵那峡口」が「恵峡口」、中央秩父鉄道「武州日野」が「武日野」、右秩父鉄道「武州荒木」が「武荒木」、
三段目左「北見富丘」が「北見富」、中央「新子安」が「新安」、右「西御料」が「西御」、
最下段右上田丸子電鉄「丸子鐘紡」が「丸子鐘」、左「大釈迦」が「大釈」となっている。
「丸子鐘坊」は発駅、発行駅(裏)も全て同じ間違いをしている。
また、「北見富岡」、「新小安」などは、間違っていても音が同じなので、気が付きにくいようだ。
「千」と「干」を間違えるのは仕方ないかも。

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次は発行駅表示を間違えた例。
一段目から船木鉄道「船木町」が「船木」、二段目「湘南海岸公園」が「南海岸公園」三段目は「清水」が「清」、
四段目「輪西」が「西」、五段目「東三条」が「東三」、六段目「東飯能」が「飯能」、
七段目「(社)下館」が「(社)下」、八段目「柘植」が「植」、最下段「(簡)行川アイランド」が「(関)行川アイランド」となっている。
清氷・輸西・東三桑は小児片にも同様のミスがある。
「(関)」は簡易委託駅の「(簡)」を国鉄バス関東を示す「(関)」と取り違えている。

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小児片の駅名表示ミス。
上段は「日代」が「代」、中段「西那須野」が「蒲須坂」、下段左「和佐」が「和」、右「打田」が「打」となっている。
「白代」はともかく「和和」「打打」はあんまりなミス。
「蒲須坂」は、完全に駅を取り違えいる珍しい例。

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軌道線乗換券のミス。乗り換え先停留所の「熊西」が「西」になっている。

・経由が…
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経由の駅名ミス。「千種」が「千」となっている。

・ヘッダーが…

左は「入場券」が「入場」、中央「自由席特急券」が「由席特急券」、右「常磐高速バス」が「常高速バス」になっている。

・注意書きが…

「下車前途無効」が「車前途無効」となっている

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「発行当日限り有効」が「発行当限り有効」となっている。


都営地下鉄のミス3連発。
左「円区間」が「円間」、中央「当日限り有効」が「当日限り有」、右「都営地下鉄線」が「営地下鉄線」になっている。


「振替輸送区間」が「振替送区間」となっている

・矢印が…

使用する矢印を誤った珍しい例。「自由席→指定席」が「自由席指定席」と相互矢印になっている。


*組間違い
切符を印刷する場合、原板(印版)は活字を手組みして作成されます(近年のオフセット印刷や、地図式券等一部のものは除きます)。
その為ミスも発生しやすく、「切符の印刷ミス」としてはもっとも多く見られるものとなっています。
前述の「誤植」に比べ、一見ではミスが判別出来ないため、検査の目を逃れ、さらに訂正されること無く使用される多い券です。


・駅名が…

もっとも目立つ入場券の駅名を間違えた例。
「諏訪ノ平駅」が「訪諏ノ平駅」になっている。目立つとはいえ紛らわしい漢字ではある。



次に目立つのは発駅。上段左から「六甲道」が「甲六道」、上段中央「堀江さん橋」が「堀江んさ橋」、上段右「肥前山口」が「肥山前口」、下段左「千歳空港」が「千空歳港」、下段中央「湯河原」が「湯原河」、下段右「阿波加茂」が「阿波茂加」となっている。
「六甲道」の券は時代が時代だけに多少のミスをチェックするどころではなかったのだろう。



次はもっともミスすることが多い着駅。
上段左から「西鹿児島」が「西島鹿児」、上段中央「廿日市」が「廿市日」、上段右「湯尾」が「尾湯」、下段左日立電鉄「久慈浜」が「久浜慈」、下段右復路片「宮島」が「島宮」になっている。
通常は隣同士の順番を間違えることが多いが「西島鹿児」は「島」の位置を完全に間違えた珍しい例。


こちらは意外とミスが少ない連絡駅表示。「日暮里」が「日里暮」となっている。


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こちらもミスが多い発行駅。
一段目左から「浅虫」が「虫浅」、一段目中央夕張鉄道「鹿ノ谷」が「鹿」、一段目右「須恵中央駅発行」が「恵須中央駅発行」、二段目島原鉄道「島原外港」が「島原港外」(拡大図参照)、三段目小田急「本厚木」が「」(拡大図参照)、最下段鹿島臨海鉄道「新鉾田」が「鉾新田」(拡大図参照)となっている。
「木厚本」は気が付かなくても仕方ないミスか?。


小児片の駅名を間違えた例。左から「河内堅上」が「内河堅上」、中央「越後中里」が「後越中里」、右「京都」が「都京」となっている。
比較的頻用する「旧国名」を間違えるのは解せない。


回数券の乗車区間「京浜富岡」が「京浜岡富」となっている。

・列車名が…

列車名の「出羽」が「羽出」になっている。流石に気が付いて訂正がされているが、とんだ完全常備券である。

・会社名が…

信じられないが自社名を誤った例。
左から「京福電鉄」が「京電福鉄」、中央「下津井電鉄」が「下井津電鉄」、右「北海道鉄道バス」が「北道海鉄道バス」になっている。

・ヘッダーが…


券種を示すヘッダーを間違った例。
上段左から「普通入場券」が「普通入券場」、上段右「急行券」が「急券行」、下段「自由席特急券」が「由自席特急券」になっている。
下手に知識がある人間が見ると一向に気が付かない事のあるミス。

・指定席が…

「号車」が「車号」となっている。

・注意書きが…

→拡大図
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有ってはならない注意書きのミス。
上段から、近鉄「立ち入ることはできません」が「立ち入ることはできせまん」、中段小田急「客車内に立入る」が「客内車に立ち入る」(拡大図参照)、下段「1回限り有効」が「1回限り効有」(拡大図参照)になっている。
「できせまん」は爆笑モノの傑作。

・アンダーラインが…

入場券でもっとも発生例が多い。アンダーラインが料金の下になっている。


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