*文字の転倒・欠落*

ここではミス券の中でも割と見掛けることの多い「文字の転倒」「文字の欠落」の券を展示しています。
一見でミス券とわかるものから、注視しないと解らないものまで様々です。


*文字の転倒
「組間違い」と同様、手組み活字ならではのミスです。
一文字だけ転倒しているミスが圧倒的に多いですが、中には文節ごと転倒している券もあります。
・駅名一部が…
→拡大図
発駅「近鉄奈良」の「近鉄」が天地逆になっている(拡大図参照)。


小児片「豊永」の「豊」が天地逆になっている。

・運賃が…

よく見ないと解りにくいが「100円区間」の「1」が天地逆に印刷されている。
「1」が天地逆に印刷されても実害は殆ど無いだろう。

→拡大図
こちらは等級表示の転倒。往路片の「2等」の「等」が横向きになっている(拡大図参照)。

・矢印が…


文字の転倒の中でもっとも多い矢印が左右逆に印刷された券。
下段の往復券は一見正しくも見えるが、復路の矢印が逆となっている。


こちらは珍しく矢印の向きが上向きになっている。

・注意書きが…

「発売当日」の「発」が横向きになっている。

→拡大図
→拡大図
前述が一文字であったのに対し、注意書きの一文節が天地逆になっている。
注意書きを文節ごとに活字化してあるため、このような珍現象が発生する。


更に豪快に赤字の注意書きが一文丸ごと天地逆に印刷されている。

・影文字が…

影文字の「小」が天地逆に印刷されている。もっとも豪快な「転倒」といえる。


*文字の欠落
本来あるべき文字が欠落しているミスです。一般に「○○漏れ」「○○抜け」と呼ばれます。
あからさまに欠落している場合と、最初から組み忘れて活字のスペースすらない場合の二種類があります。


・あからさまに欠落

「急行」の「券」が印刷されていない。アンダーラインも歪んでいるので印刷中に活字が脱落したのかもしれない。


宇佐参宮鉄道「宇佐八幡り」の「よ」が印刷されていない。


東京電環のローマ表記「TOKYO LOOP ZONE」の「ZONE」表記がもれている。「TOKYO LOOP」でも意味は通じるが…


「料金90」の「円」が印刷されていない。ちなみに小児表示は「円」表示が無いのが正しい。

・最初から組み忘れ

本来「松原湖」「鵠沼」となる筈が、「駅」の表記がない。通称「駅漏れ」と呼ばれるもので「欠落」タイプのミスでは代表的なもの。
但し、一部鉄道会社では入場券に「駅」表示を入れない場合があるので、一概にミスといえないこともある。


松本電鉄「信濃荒井」の「信濃」が抜けている。地元の通称だから問題ないのかも知れないが…

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