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今日の短歌NO.2
わたしの歌歴(後藤人徳)
以下に紹介します作品は、作ったばかりのものをそのまま書いています。推敲の手があまり入っていません。未完成の部分が多々あると思いますが、参考にしてもらえれば幸いです。...作者より
短歌は、三十一音からなる小さな世界です。その中に自分の思いを込めます。ですから、時間はなかなか織り込めない。今の一瞬、一瞬を歌うしかないのではないでしょうか。そう思います。また、そのように作っています。
平成20年今日の短歌NO.3 平成21年今日の短歌NO.1 平成21年今日の短歌NO.2
平成21年今日の短歌NO.3 平成21年今日の短歌NO.4 平成22年今日の短歌NO.1
短歌と私:高野公彦 田井安曇 五島美代子 五島 茂 岡野弘彦 田谷 鋭 塚本邦雄 土岐善麿 福島泰樹 前 登志夫 前川佐美雄 安永蕗子
短歌鑑賞:石川啄木(1) 大野誠夫 塚本邦雄 岡井 隆 前田夕暮 上田三四二(1) 上田三四二(2) 宮 柊二 斎藤茂吉(1) 斎藤茂吉(2)
斎藤茂吉(3)
6月1日(火)参考:日々の気持ちを短歌に(ブログ)
肌寒き朝の空気に冴えわたる鶯の声再びの春
読み終えし「斜陽」に朝の光射し「再生」という言葉浮かび来(く)
水張田(みはりだ)は空の氷を写しおりいつになったら暖かくなる
5月31日(月)
幾年を天塩にかけし豚や牛汝れの命が殺されてゆく
5月30日(日)
いじめてるけれどもそっとしておこうにわとりは殺し合うことはない
雄鶏(おんどり)の数が増えたりどうしても小さな奴がいじめられてる
子育ての地蔵菩薩の風車口近づけて息吹きかける
5月29日(土)
豊なるわが家(いえ)なるぞ庭見れば千両万両金宝樹あり
無職なるわが今日(こんにち)の収穫は卵一個に苺が五粒
父の日に何が欲しいとメール有り安眠枕と返信をする
子を抱(いだ)き佇(た)つ子育ての地蔵尊供えられたる風車が回る
あくまでも辺野古移設に反対し福島大臣罷免勝ち取る
5月28日(金)
常識に汚れちまった感性を取り戻したく草むら歩く
わが庭に夏をもたらし赤き花ブラシのような金宝樹咲く
庭隅にひっそり育つバラの木が今年蕾をたくさんつける
大臣賞受賞の記事をコピーして送りくれたりバラ作る友
まだ少し早い苺を四粒(よつぶ)ほどヒヨドリの来る前に採りたり
六ヶ月経てばにわとり頼りなき声でなんとか時を告げたり
時告げる雄鶏(おんどり)三羽各々(おのおの)の声色(こわいろ)ありて今はちび助
孵(かえ)らざる卵取り去り空となる巣箱になおも座る雌鶏(めんどり)
5月26日(水)
虐待死幼子の事件報道にまさかと心にわかに騒ぐ
都会にて生活をする子供らが無事暮しゆくことを祈れり
漸くに選評をなし結社誌を完成させて発送をする
言葉よりそのよりてくる心こそ大切なりと選評をなす
きちっとが口癖なりし福島氏少しもきちっとしてないじゃない
5月25日(火)
青いまま冬を越したり辛(つら)くとも酒に依存をしたりはしない
青いまま冬を越すのは辛かろう死んだふりした枯木が笑う
何塾の勉強よりも今のこの現実こそを学んでほしい
何塾に何学びしや現実の中に政治の勉強あらん
にせメール事件この方偽りの体質抜けぬエリート集団
復活がなければすべて無駄となる今わたくしにイエスキリスト
5月24日(月)
あやうきは体でなくて心なり壊(こわ)れぬように抱(いだ)きてゆかん
孵(かえ)らない卵を依然と抱え持つ今日で五日を過ぎしにわとり
よい歌を作ろう賞などもらおうと卑しい心で作ってないか
雨降りは心の中までじめじめとしてはいないか乾燥させよう
雨降らす雲の上には晴れわたる空があるなり日も照りており
歌作るときに心がなごむことこのごろようやく分かってきたり
傘のなか親子寄り添い歩いてる濡れまいとする必死の親子
5月23日(日)
自らの姿を水に写しつつ田植えしている二人の媼(おうな)
田植えする媼二人の手さばきが踊りとなりて田を進みゆく
家畜なら簡単に殺しすますのか人と同じき生きものなるに
宮崎の数十万の牛豚の犠牲のもとに危険回避す
金繰りにわれ火の車啄木は矢の車なり函館に居て
殻かたく身をよろいおる自閉児よわれなきぬれて蟹とたわむる
偉大なる大という字を砂の上に九百九十九(くひゃくくじゅうく)書きて死なまし
命ある土のかなしさたらたらとにぎれば黒き血がしたたりぬ
青空の深さ広さよ曇り日はほんの一時の迷いにすぎぬ
5月22日(土)
政治家の主導というは官僚にもはや責任転嫁は出来ぬ
民主党国の舵取り誤ればまず自(みずか)らが責めを受くべし
にわとりは孵(かえ)らぬけれど水槽に目高の小さな命生れる
俯(うつむ)ける小さき手なりし八つ手の葉天狗の団扇(うちわ)となりて日に向く
きな臭い世界情勢北鮮もタイもギリシャも早く治(おさ)まれ
施設より子が帰り来てこの土日また賑(にぎ)やかな二日(ふつか)とならん
5月21日(金)
大空を写す鏡よ水鏡今日は曇れる空をうつせり
水田は大きな自然の水鏡つね天上を写し倦(う)まざり
朝方の濁れる川も午後となり澄みたる色になり流れいる
民主党政権となり世の中に何か良いこと起ったろうか
自民党政権のもと口蹄疫(こうていえき)のごときパニックあっただろうか
鶏は今日も孵っていないらし動かず必死に抱えているが
5月20日(木)
今日はまだ一首も出来ぬ午後七時これから五首を作らにゃならぬ
魂がなければ短歌は作れないまずは心を静めんとする
鶏の卵孵化する予定日の今日は静かに終らんとする
二個の孵化今日とそれから明後日今日のはすでに死んでいるのか
雄鶏が増えゆくけれどそのままにペットと思い飼わんと思う
5月19日(水)
「世に勝ちし」キリストの言(こと)今日の世に明日(あす)の世にまたあの世にも勝つ
闇にいるサタンのことは闇照らす神の光におまかせをする
小国が乱立したる倭(わ)の国を治めし卑弥呼今こそ出(い)でよ
引き籠る弊害言うが日本も鎖国時代を経て今があり
パチンコにアルコールにまた麻薬にと依存するのが発達障害
5月18日(火)
自己保存種族保存の間(あわい)にて揺れ動きおるイエスと思う
人の歌選ぶ苦痛を感じつつつくづくとわが歌顧(かえりみ)る
騙すより騙されるのはまだましか払う金あることを感謝す
切れやすい依存しやすい社交下手発達障害特徴に似る
すぐ切れる話を聞かぬ片づけぬ大人の発達障害のこと
発達の障害がいま大人にも問題となるわれも同様
5月16日(日)
再生をせんと産みたるこの卵無駄にはせぬと掻き回しおり
神に身をゆだねて何も疑わず柿が若葉に覆われている
再生を当然として柿の木が風にゆだねてゆれ動きおり
再生はいずこにもあり死顔が啄木だった子を思い出す
里山よわれも再生出来るかと問えばデケルとうぐいすの声
5月15日(土)
朝早く里を圧する雲垂れて山を田畑を覆い尽くせり
神の声聞えぬ見えぬものなれど鳥に声あり花に顔あり
水槽のその大自然の中にいて二匹の金魚が大きくなれり
引きこもりネット依存をしているとふっと自分に当てはめてみる
社会への窓口としてネットへの依存強めているわれならん
意志弱く生きてるわれの支えとし短歌パソコン聖書などある
5月14日(金)
時告げる鶏の声聞えくるまだ暗闇の1時半ごろ
飼主に似てわが家の鶏の体内時計4時間早い
わが庭の苺の苗に出来た実をヒヨドリがきて突っついている
今日の日が大音響をたてながら晴れたる空に沈まんとする
今日という日が沈まんとするときに大きな音がわれに聞える
再生に向けて大きく動き出す今沈みいゆく太陽はまた
5月13日(木)
三十首まとめ「いのち」の題を付け原稿用紙に写し終えたり
政変に関わりはなし題名を「いのち」と決めて三十首詠む
歌出来ぬ感動出来ぬ苦しさを妻とこのごろ共有してる
感受性乏しきときは思うなりそろそろ鬱の気分に入ると
一瞬のうちに消えたる流れ星長島蛎(れい)よ二十四歳
5月12日(水)
ああ無惨ヤワラちゃんまで汚すのか小沢政治をわれは許さん
国民の夢をかなえたヤワラちゃんただ一党のものにはあらず
ヤワラさんあなたの力は認めるが政治は所詮素人なんだ
人気にて低い支持率アップさすあなたは利用されているのだ
魂の抜けたる歌を量産すわれの営為よ寒き雨降る
5月11日(火)
曇り日の雨降る気配下田市の生活機能検査に向う
市役所の書類に書かるる介護予防検診なるも誰の介護か
ある断片(未完成作品です) :「いのち」
光りつつたちまち消えし流れ星長島蛎死す二十四歳
二十四年君のひと世は一冊の黒き表紙の歌集となれり
修行僧たりし日君は工事場の鉄骨の歌あまた作れり
二十四年君のひと世よ逝きし後あまた残れる鉄骨の歌
みちのくの荒き風土に作られし言(こと)なきこけし君の愛(いと)しむ
香りなきレモンは捨てる他なしと断崖に行き帰らざりしか
夭折の歌人長島蛎君よわれを使いて歌詠みたまえ
朝早き街を急げば商いを始めんとするシャッターの音
波の間のカジキの群れを甲板の人に離れて独り見ている
水面を突き破りたる飛魚が小鳥となりて羽ばたいている
硬き殻鎧(よろ)い歩ける蟹ひとつ横切りてゆくここ神津島
いつよりか脱出願う蟹ひとつ地下事務室の暗がりにいる
今日こその思い重ねて古るびたりわが引出しの退職届
闇照らす燈台守になりたしと少年の日に祈りしことも
手マイクに授業放棄をアジるなか会計学の講義止めざりき
将来の日本担うは君たちと何度も言いし罵声浴びつつ
会いたしと思いつのるも劣等生われは会わなく師の訃を知りぬ
陽の光避けて日陰に入るときわれの姿が突然消える
夕日浴び輝く島に別れ告ぐまた再びの来訪あるや
人生は全てドラマかテープ持ち島に向かいて別れを告げる
テポドンも核の脅威も存続の危うい会社におれば遠しも
広大な宇宙の闇に一滴のしずくとなりてかがやいている
落日が後光のごとく輝いて雲が静かに大仏となる
波の間に漂いながら一本の竹がにわかに立ち上がりたり
こんなことこのまましていていいのかと心のなかで谺する声
倒産のホテルの建物はっきりと見えきたるなり闇のなかより
死に切れず戻りてきたる思いして今朝離れたる港に近づく
なつかしく眺めるものか早朝に離れし港今近づけり
還暦のわが感傷にあらざれど夜更けに遠き犬の鳴き声
命というあやうき玉を抱えもち今日一日を終らんとする
5月10日(月)
花の色紫にして藤は垂れ桐は上向き咲いているなり
霜により全滅したる柿の葉が枯れたる枝に復活をする
ミズスマシオタマジャクシも見えなくてただ整然と早苗が並ぶ
添い生きる性(さが)を知りたる藤の蔓花房を垂れ誇ることなし
石垣の隙間に花を咲かせたる源平小菊武士の一分
カエデ葉のやわらかき手を風なでる五月晴れなる今日の暑さに
孵(かえ)りたるウコッケイの雛二羽ともに雄の姿を表し始める
永劫の未来に向きて放ちたるイエスの言葉「われ世に勝てり」
5月8日(土)
人知れず咲きて散りたる山藤がおのれを淵に写し眺める
不二という名前をもちて山藤のつるの太さは三十センチ
雨の中雫をたらし山藤が今一番の華やぎ見せる
短命の子規が好みし藤の花不死に通ずは涙ぐましも
「世界樹」という短歌誌イギリスに住む渡辺幸一氏が発行
イギリスに住む渡辺氏自閉児と短歌がわれと共通をする
郷さんや朝日歌壇で見かけたる名前目につく短歌誌「世界樹」
5月7日(金)
川岸の雑木(ざつぼく)に身をゆだねつつ五月になると山藤が咲く
身をゆだね生きゆくことを選びたる蔓を軽蔑するのは止めよ
半島のその全貌が見えしとき逃亡者の目に涙流るる
黒船よ再び来ぬか新生のシンボルとなれ伊豆の半島
苦吟する今日この頃よ日に五首を作ることわがノルマとなして
5月6日(木)
水田に姿映せる白鷺がおもいおもいの方角を向く
深淵に花を垂らしてのぞきこむ山藤の花孤高に咲けり
人住みしことを証(あか)して草むらに藍色の花咲かすアイリス
ハナミズキ薄紅色に咲きたるは黒船祭りお吉思わす
枯れ果てし体を立たせ青草の今復活のススキ見ている
5月5日(水)
かなしみの一瞬がありやわらかき若葉が青に移りゆく今
朝早くまた今キジの叫び声もううす暗き夕方となる
整然と小さな苗が並びゆく雨降るなかを進む田植機
二時間に一本通る時刻表雨に打たれてバス停が立つ
山焼きのけぶりとなりて頂上へ駈け登りゆく一列の霧
真白な心となりて仰ぐならこの青空を映せるだろう
5月4日(火)
毎年のことではあるが連休の渋滞承知で子を連れ出せり
天然に大樹となれるシャクナゲの赤き花びらなだれ打ち咲く
天城嶺(あまぎね)は冷たいところシャクナゲが今生きいきと咲き盛りおり
アピタへと行きてゲームをすることがわが子の願い願い叶えん
施設へと子を送り来ていっときを畳の上に大の字となる
クラス会必ず出ると笑ったに君はこの世に存在しない
5月3日(月)
整然と小さな苗が並びいる機械化さるる田植え風景
手を洗うことを拒める子の心神通力を持ちているのか
純粋にどれだけなれるか競争だ詩集を読みて歌集を読みて
三十で逝きし重吉二人子も十五十六歳で死にしか
短歌には型に甘えし堕落あり重吉の詩に清水を感ず
果てしなき空に向かいて文字を打つ詩は短歌より苦痛伴う
5月2日(日)
一本の銀杏大樹が佇(たたず)みて今再生の狼煙をあげる
再生が今確実に始まれり山々にまたわが庭先に
再生はキリストのみにあらざらんわれにわが子に孫に曾孫に
わが内に亡き子は常に再生すその死顔は啄木に似て
再生がなければ全てむだとなる今わたくしにイエスキリスト
5月1日(土)
一本の雑草の花踏みしだきああ罪人のわれの長靴
キリストを神と信じて死にたしと一人静かに記(しる)しておこう
清らなる心となればわが歌も透明感が生れてこよう
幼き日神に祈りしことありしわが身に代えて助け給えと
清らなる少年の日のわが心打算保身に汚れてしまう
高熱になるもやりとげたりしこと少年の日は身を捨てており
4月30日(金)
奥様の強い希望で会葬を辞退されたり君の葬儀は
雲となりわれを見守る君の顔全摘の後少し痩せたり
お通夜にも告別式にも行けなかった君なら必ず出ていただろう
癌に痩せ細りし君は最後までクラス会へと出席をした
返信のはがき使わず出席のメール必ずわれにくれたり
付き合いはほとんどなかった活動家だった君との学生時代
クラス会必ず出ていた君なるも6月1日もういないのだ
4月29日(木)
生まれたるばかりの八ツ手手をにぎり産毛のごときものにおおわる
目をこらし探してみるが梅の実をとうとう一個も見つけられない
鶏はまたも卵を抱えこみ鶏舎の隅に固まりている
霜の害梅柿スモモ百日紅ツツジも花の咲くのが遅い
昨晩は文化協会総会で詩人のTと啄木語る
啄木が発達障害などと言うカラオケうるさく聞き間違いか
啄木を話題とするにいまさらという顔をしてTは頷く
4月28日(水)
腹さすり癌を飼ってるなどと言い六ヶ月前笑ってたに
胃も何も全部摘出小腸で生きているとも言っていた君
あんなにも学生運動した君が社長となりて今日は死にたり
教育が危ないと言いそのためにボーナスを全部注(つ)ぎこみし君
六年もなるであろうか黄綬褒章受賞記念の品頂きし
病気して皆が優しくなったのは君がやさしくなったためだよ
十二月一日だった渋谷まで帰り一緒に乗って別れし
4月27日(火)
施設へと戻る日なるに起きて来ぬ昨日の朝は徹夜したる子
大切なものを残して施設へと子は出発す振り返るなく
施設へと子を送り来ていっときは畳の上に大の字になる
おとなしく家で過ごすを最高と思うゴールデンウイーク近づく
やることを早く終らせ三〇首五〇首詠のまとめをしたい
声出してテレビクイズに熱中の妻の横にて歌を作れり
4月26日(月)
歌ひとつ作らんとして家出(い)でて出来ず再び戻らんとする
チョットコイといつも啼きたるコジュケイがタスケテクレと今日は聞える
われは今どれほど歌を知り得しや六十歳をとうに過ぎるに
何故もっと深く知ろうとしないのか啄木が言う子規が頷く
題詠「耳」
聞くことの尊きことを教えんと大きな耳を持ちたる仏(ほとけ)
題詠「歩く」
生きているわたしは今日も生きているたんぽぽの咲く道歩いてる
題詠「土地の名前を入れる」
トンネルをくぐればそこは河津駅踊り子号に花吹雪舞う
4月25日(日)
朝露に輝くものをひいふうみ数をかぞえて四つ葉を探す
二時間に一本通るバス停に雨に打たれて時刻表あり
ようやくに銀杏は若葉を枝に付け点描となり日に輝けり
一枚の銀杏若葉に一枚の一生ありて今始まれり
にわとりはなぜに仲が悪いのか餌をやりつつ今日も思えり
4月24日(土)
吐く息が真白となりて山々が木々の若葉をつつみこみいる
霧深き谷の下より冴えざえと鶯の声湧きあがり来る
山々の生まれ変わった微笑みが今朝の霧にて少しけぶれり
何もかも捨てて根を張り動かざる古里の木々若葉を羽織る
新党を立ち上げてまず世に問わん友の冷笑矢車の花
4月23日(金)
朝(あした)より冷たき雨の降る今日もわが家のにわとり卵生みたり
冷たきは雨のみならず政権も政局もまた冬に戻るか
五十首の短歌を作り清書せり中城ふみ子短歌賞のため
丁寧に原稿用紙に書いてゆくわが分身というべき短歌
升の目に大きく一字一字書く文字に命を込めなんとして
二十四歳で逝きたる長島蛎(れい)冷たい雨に君浮かびくる
4月22日(木)
おだやかな日差しのなかで鯉幟空を見上げてひと休みする
帯広の中城ふみ子短歌賞五〇首作り応募せんとす
生きることテーマとしたる短歌賞生きるはわれの短歌でもある
倒産のおりの思いを中心になんとか五十首まとめあげたり
身を投げて死にしお吉のあわれさも歌い十首の歌となしたり
夜警せしころの歌を十首ほど加えてやっと五十首となる
4月21日(水)
薄日射す空に向かいていっせいに立ち上がりたり山々の霧
歌出来ぬ妻の嘆きを聞いているわれもそうだと告白はせず
月光のもとに卵を産んでいる海亀は白き涙をながし
病床にわが失職をいくたびも気遣いし師よ通夜に来て聞く
特別のことになけれど今日二個の卵を産んでくれし鶏
4月20日(火)
草刈の前に静かに頭(こうべ)垂(た)る雑草なれど桃色の花
自宅にて火山のニュースを見ていたりわが幸せをここに感じる
美しき地球の姿を見ていたり完全無欠の丸きこの星
地震あり火山がありて脅えてる人間同士は平和になろう
4月19日(月)
霜により全滅したる柿の木に再び若葉が出てきたるなり
龍馬伝上士下士ばかり強調し農工商は出て来ないのか
幕末の新撰組は近藤もまた土方も農民だった
ようやくに水の引かれし用水路つばめの巣作り始まらんとす
ハナミズキはや咲き始め黒船の祭り近づく寒いけれども
春先に赤く萌え出るカエデ葉の赤子ふるえる今日の寒さに
4月18日(日)
艱難の後に必ず救いあり救いの後は永久(とわ)の平和に
一瞬のことなりしかど裏山の霧のなかより虹生まれたり
あれ虹と妻に告げんと振り向けばその瞬間にもはや消えたり
一瞬のことといえども虹を見しことをこころに今日を始める
子の迎え行くと着換えしその時ぞ思い出したり財布忘れし
神のため生きんと思い神のため死なんと思うは究極のこと
4月17日(土)
地震あり火山ありまた寒波あり地球も日本もちょっとおかしい
寒い日は心も寒くならぬよう孫のことなど考えて居る
会員の歌に苦言をしているが言葉はすぐに身に返りくる
こんなにも心がやはり寒かった今日はわが子の命日なのだ
花終る庭に一輪チューリップ赤く開けり子の命日に
今まさに大地の中から生まれるか瓦礫の穴より子を救い出す
4月16日(金)
地平線行けど果てなきわが旅ぞあと何万年かかるのだろう
何という今日の寒さぞ早やすでに四月半ばになるというのに
山焼きのけぶりとなりて頂上へ駈け登りゆく一列の霧
民主党がいかに無能集団と分かっただけで成功ならん
運命と言い縁と言う出会いなり不思議な神の御手を感じる
日本を宇宙をわれを貫ぬける神と呼ぶべき一つの力
4月15日(木)
猪の食い残したる筍を掘りつつ分かる掘りにくい場所
今日はまだ一首も出来ぬが筍を堀たることが一つの誇り
生活が大切なんだ歌出来ず過ぎるも今日の無事を喜ぶ
チューリップ赤き花びら散りしあと茎一本が立ちつくしおり
花がなき庭に魅力はないと言い目白ぷっつり来なくなりたり
4月14日(水)
まだ早いまだ早いとて萌え出(い)ずる草木を今朝も霧が隠くせり
外来と国産の区別つかねども丈の高低たんぽぽにあり
庭染めて枝垂れ桜の花が散る今年最後の見納めなるか
少数を侮りたもうないつの世も筋を通すは少数の者
年寄りと馬鹿にしてはいかんぜよ四十五十は鼻たれ小僧
4月13日(火)
朝靄のなかよりわれを呼びているきじの声うぐいすの声こじゅけいの声
わが庭に今日も来て鳴くウグイスにそろそろ名前を付けてよいころ
ようやくに出(い)でしばかりの柿の葉は霜にやられて枯れてしまいぬ
大空を亡き子よ駆けよラグビーのボールが山に隠れんとする
大根の白きを見れば息の無きわが子の腕を思い出したり
4月12日(月)
散りかかる枝垂れ桜の下に立ちうす桃色のしぶきを浴びる
早朝の空に一筋伸びゆける飛行機雲は未来に向かう
早朝の雉の鳴き声切実に訴える声今日も聞える
綿帽子かぶるたんぽぽ月に向けいまその出発を果さんとする
遠山が赤子となりてはいはいを今し始める春となりたり
やわらかき山に向いてわが齢(よわい)また一才を加えんとする
4月11日(日)
枯れなんとする椿の木生命の力は数多の花と噴き出る
チューリップ赤く咲きたるあたりからウグイスの声聞こえていたり
退職をせし先輩の引き出しに数多短き鉛筆のあり
啄木の教えと思う一握の砂に込めたる無価値なる価値
一握の砂でいいのだわが一世(ひとよ)一攫千金われ望むまい
寄合が夜あるゆえにいろいろと早め早めとなすことなさん
変われるは自分だけだと繰り返し己に言いて眠らんとする
4月10日(土)
今日生きるわれの力となれるまで啄木の歌くり返しおり
今日二個の卵を産みてくれしなり餌に夢中のこのニワトリら
亡きわが子生まれかわりてカエデの葉今朝の冷たき空気にちぢむ
四月はや八日というに寒き朝ウグイス庭に来て鳴きくれる
山ざくらじょじょに消えゆく遠よはみどり色増すやわらかにして
花ふぶき舞いちるなかにまぎれゆき蝶の姿が見えなくなりぬ
4月9日(金)
今日からはハチ公となり忠実に神を慕いて生きんと思う
御用邸に陛下がお越しなされたり障害者施設を掃除して待つ
下田へと陛下がお越しなされればわれらは施設を掃除して待つ
この度の陛下御日程きつければ障害者施設に割く時間なし
来られるか否かは問わず障害者施設を磨き陛下を待てり
4月8日(木)
トンネルの多い伊豆急電車にて抜けれど抜けれど雪にはならず
「トンネルを出れば雪国」伊豆なればまたいくたびもトンネルとなる
トンネルを出ればまたもや花盛り雪にはならぬここ伊豆の国
伊豆の地に天皇陛下の御幸ありどうぞ御静養出来ますように
寒気団伊豆にも伸びし今日なれば陛下の御身に障(さわ)りなきよう
4月7日(水)
山々に囲まれているわが里はいずこを見ても今花盛り
ようやくに晴れ間あらわれわが影としばらくいっしょに歩いて行こう
小綬鶏がしきりとわれを呼んでいるわれこそ言わんこっち来(こ)こっち来
たんぽぽは身を低くして踏まれつつ明るき顔にわれを見上げる
風に乗りどこまでも飛べ花びらよ高くたかくと光求めよ
4月6日(火)
跳び箱をとべない夢をまたも見る儀式のすまぬ少年われか
億年を超えて生れしたましいがわれの体に今よみがえる
逝きし人いかにいますやわれわれは酒や料理で騒がしくおり
死はなにかむしろ苦からの脱出と喜ぶべきか宴(えん)最中(さなか)なり
腎友会の決算するとわが妻はソロバンを出し夜ふけはじけり
4月5日(月)
四月とはいえど冷たき朝方にまたも悲痛なキジの鳴き声
うぐいすがわれの視線に気がつかず思う存分尾を振りて鳴く
昨晩に流した涙草の葉に残りて光の粒が生まれる
山里を蔽(おお)いつくせる雲たちが堪えきれずに涙を流す
黒服の葬儀の列に満開の桜吹雪となりて散りたり
4月4日(日)
沖縄の思いがここに結晶す興南高校優勝の快
梅の木は米粒の実が凍りたりあともみ殻となりて全滅
すっかりと霜に当てられシャクナゲは身の醜くさを恥らいている
ほっそりとさくら美人にふっくらと桃のおとめがよりそいている
庭隅に真っ赤な顔で咲いている木瓜はなかなか息長きなり
首落とし足元赤く染めている椿涙をみせず立つ良し
結局はみな菜の花になり果てて畑の野菜宴会をする
すっかりと雲を掃き出し清めたる舞台に燕の舞が始まる
梅の木に鳴いていたのにうぐいすは恥ずかしがって茂みに入る
八重となる枝垂れ桜は風のなか舞妓となって踊り披露す
4月3日(土)
民主党議員も決ったボタン押すただの採決機械にすぎぬ
ものごころつきてこの方ああオレは小さな我(われ)の奴隷にすぎぬ
分かることそれが大事と説明すそれが過剰になりてだらける
強風に吹かれながらもチューリップ重い頭を振って耐えてる
白鳥の羽ばたきとなり強風に向かい桜木ゆれ止まぬなり
満開に少し間のある桜木が強風にその花守りいる
個人主義そんなに良いか身を固く皆鎧着て重くないのか
4月2日(金)
新年度始まるなれどわが身には通学もなく通勤もなし
遠山はけぶりて見える山桜いま満開となりているらし
幸不幸かかわりのなく菜の花は黄の色に咲き涙をながす
感情の極まる時に涙あり勝者敗者に観戦われに
今日一日(ひとひ)明(あか)く開きしチューリップ今夕光にその花閉す
4月1日(木)
三月が終らんとするに霜降りてジャガイモの葉が黒くなりいる
黒ずめる染井吉野は老体に鞭打ちながら今盛りなり
ひこばえの細き枝にもいっぱいに桜の花はいま盛りなり
満開の桜並木に廃屋(はいおく)がありて菜の花庭に咲きおり
花冷えの桜並木を歩き行くちょうちんゆれて桜散りくる
満開の桜並木に出店(でみせ)あり陶器類など多く売らるる
満開の桜の下にテント張りガラス細工の首輪売りおり
雑草を庭に茂らせここにまた廃業したる食堂がある
3月31日(水)
昨晩の霙の名残り朝露は氷の玉となりて輝く
幾何学の妖しき模様に凍りおり魚を閉せる今朝の水瓶(みずがめ)
菜の花に四方八方囲まれて一人の老いの暮らし長かり
遠山の天城連山うつすらと雪に覆われ昼に至れり
青空のもとに存分花開きさくらは胡蝶となりて飛び立つ
食べ物が毒となるまで過ぎている宴に溢れる御馳走の量
3月30日(火)
今日の日が生れたばかり山々に湯気のごとくの朝霧が立つ
小綬鶏がチョットコイチョットコイ鳴きて呼ぶわたしに何を語らんとするか
ようやくに枝垂れ桜が咲き始む真っ赤なつぼみがはじけるように
相撲なき月曜の午後寒々し霙まじりの雨も降りつつ
花冷えというはこのこと満開のさくらを散らし霙(みぞれ)降り来る
青き葉を根方に抱え枯れ薄(すすき)ゆるりゆるりとゆれ動きおり
3月29日(月)
山間に生まれ育てばあこがれの強き子供とわれはなりしか
たんぽぽの群れ咲く丘の傾(なだ)見え子供のわれの影が遊べり
枝を張り羽ばたくごとき形してソメイヨシノが咲き始めたり
葉桜という時期も過ぎ早咲きの河津桜は葉が繁るのみ
川岸の染井吉野は早々に満開となりはなびら流す
その皮を材料とせし箕作(みつくり)の里は名残の桜咲きたり
新築の家の垣根に植えし木のその成長にばらつきがあり
3月28日(日)
蕾より透きとおりたる花びらが開けり今朝のシャクナゲの花
こうもまあ変るものかと政権を交代したる後の面面
柿わかば枇杷のわかばが立ちあがりさあ一年の出発をする
身を投げし川端にいま芸者らが連なりお吉の供養始まる
鶴松と夫婦(みょうと)になれと二尾の鯉放ちてお吉祭終れり
3月27日(土)
過去未来今も忘れて一心に子供になりて短歌で遊ぶ
裏庭にひっそり蕾かかげいし石楠花(しゃくなげ)の花今朝開きおり
菜の花を子の仏壇に供えれば明るくなりていよよかなしき
大根の白きを見れば息のなきわが子の腕を思いだしたり
葉の先にとどまる滴一粒がいま落ちなんとして輝けり
なんとなく君の横顔昼の月晴れたる空に少し曇れり
3月26日(金)
己(こ)を頼み思いつめればそりゃあまあ鬱(うつ)にもなるよ自己防衛だ
何なにのためにと言うがいかんのだためではなくて遊びでいこう
うぐいすがまた身を隠し鳴いている恥じることなく姿を見せよ
枝枝がうす紅色に染まるごと染井吉野のつぼみふくらむ
草むらに巣を作りたるキジたちは獣(けもの)に脅(おび)え今日も眠るや
朝(あした)より雨に打たれし山々が霧をまといて眠らんとする
3月25日(木)
強引に数の力で通したる予算の責任取ってもらうぞ
こんなにも赤字国債発行しこれでいいのか民主党各位
黒ずめる蔕(へた)あまた置く枝枝に柿の新芽の緑輝く
朝からの雨は冷たくふりそそぐ柿の若葉に桜のつぼみに
九十歳今青春とうたいたりあなたの歌をわれは忘れぬ
3月24日(水)
下枝に動くうぐいす正々(せいせい)と高枝に行き囀りたまえ
梅の木の葉が出(い)できたりこれからは梅の実太らすひと仕事あり
チューリップひとつ今年も咲きており子の命日をわれに知らせて
黄砂なき朝の空気の清すがし胸いっぱいに吸いて始める
訪う人がなくて久しき大きなる墓苔むして山上にあり
やわらかき口嘴(くちばし)のごと枇杷若葉古葉の上に立ち始めたり
3月22日(月)
少年の日に恐れたる死の灰が黄砂の今朝甦えりたり
霧のごと黄砂が里を覆いたり息苦しくも家に籠れり
ようやくに黄砂おさまり日が差せば柿の小枝にうぐいすが鳴く
菜の花の一面に咲く感激は神の与えてくれしたまもの
清流の音に負けじとうぐいすが冴えたる声を張り上げている
友よりのルノアールの絵の絵葉書がわれの机に春をもたらす
3月21日(日)
長き尾をふるわせて鳴くうぐいすの習性ようやく最近に知る
枝枝がうす紅色におおわるる日傘となれる木蓮大樹
先週も乗りし電車に熱海まで本読み過ごす景色見るなく
雨となる予報も朝は晴れわたり傘持ちくるを忘れてしまう
生活感なしと啄木が切り捨てし「太田」すなわち木下杢太郎
隣にて切符をさがす人おりてわれもあたふたさがし始める