今日の短歌NO.4
 わたしの歌歴(後藤人徳)
 昭和59年「賀茂短歌会」入会。現在編集発行人。
  歌集:「母胎」、「祈り」「わが家の天使」(3月出版予定)

以下に紹介します作品は、作ったばかりのものをそのまま書いています。推敲の手があまり入っていません。未完成の部分が多々あると思いますが、参考にしてもらえれば幸いです。...作者より
この先は楽観論に基いて生きゆくことを始めんとする

短歌は、三十一音からなる小さな世界です。その中に自分の思いを込めます。ですから、時間はなかなか織り込めない。今の一瞬、一瞬を歌うしかないのではないでしょうか。そう思います。また、そのように作っています。

平成20年今日の短歌NO.3 平成21年今日の短歌NO.1 平成21年今日の短歌NO.2 平成21年今日の短歌NO.3

 平成21年今日の短歌NO.4 平成22年今日の短歌NO.1 平成22年今日の短歌NO.2 平成22年今日の短歌NO.3

短歌と私:高野公彦 田井安曇 五島美代子 五島 茂 岡野弘彦 田谷 鋭 塚本邦雄 土岐善麿 福島泰樹 前 登志夫 前川佐美雄 安永蕗子

短歌鑑賞:石川啄木(1) 大野誠夫 塚本邦雄 岡井 隆 前田夕暮 上田三四二(1) 上田三四二(2) 宮 柊二 斎藤茂吉(1) 斎藤茂吉(2) 

斎藤茂吉(3)

短歌鑑賞(発見ということ)(1)


9月30日(木)

ずたずたに刈られ横たう彼岸花よく見れば小さき露がつきおり

草刈の刃が石を打つ音がするはや八十歳をすぎたる翁

9月29日(水)

日に日にと野菜が大きくなっているこれが大地の大きな力

西空に十字の形を保ちつつ飛行機雲がかがやいている

9月28日(火)

ここに咲きここにも咲きてコスモスが子供のように心をいやす

(ひとたびの秋しか知らず逝きし子に今年もコスモスの花を供えん)

山頭火落葉樹にはなれぬゆえ酒に溺れて冬を越すなり

落葉樹死んだふりして冬を越し春に再び復活をする

9月27日(月)

長崎を訪れくれしルース大使無音のなかに蝉時雨声する

9月26日(日)

山頭火結局君は青いんだ枯れ得ぬ苦痛を酒でまぎらす

9月25日(土)

コンクリの上に落ちたる椎の実は踏み砕かれて粉となりたり

9月24日(金)

熱帯夜一夜明けたる今日の日は咳き込むほどの寒さとなりぬ

かろうじて高見盛は勝ちたれど磋牙司は負け九敗となる

今日もまた無事に過ごせた一日が空気のようにそっと過ぎたり

9月21日(火)

いつまでも枯れることない常緑樹われはますます感傷をする

小沢氏を幹事長にするくらい度量がなくてなんの首相か

9月19日(日)

日盛りを木蔭に入(い)れば枝ゆらしすずしき風が吹き過ぎにけり

オートバイ普通車自転車バン型車子の乗りて来るマイクロは来(こ)ぬ

遠くよりわれを見つけてバスのなかに子はすでにして立ち上がりおり

五百年生き来し椎の大木に止まりて蝉の命鳴きたり

言葉には信用できぬところあり詩人谷川俊太郎氏言う

9月18日(土)

水滴がぽとりぽとりと落ちているこらえきれずにおちているんだ

9月16日(木)

藤はその花房垂らす葛はその花房上げる同じ蔓性

エリートにピンからキリまであるんだよそのキリあたりわれがうごめく

9月14日(火)

茂りたる木蓮の樹の葉の陰に数多の蕾はぐくまれいる

9月13日(月)

血圧が下がり過ぎたと妻の声しばらく横になると言い伏す

9月11日(土)

葉を全て毛虫に食われ梨の木が呻きのごとく樹液を垂らす 

振り返り感じることはよき上司よき師と出会うよき妻もまた

9月10日(金)

すっかりと枯れてしまった里芋の葉を久々に雨粒が打つ

台風の被害こちらはまるでなくむしろ恵みの雨となりたり

9月8日(水)

台風でもいいから少し雨がほしい野菜畑が悲鳴をあげる

9月7日(火)

あまりにも異常じゃないかイエスならこの天候を叱りてくれん

9月5日(日)

水を撒くガソリンスタンド店員が陽炎ゆらめくなかに立ちおり

9月4日(土)

分からぬと悲観していた山頭火そうか単なるつぶやきなんだ

9月3日(金)

人の手の入らぬ畑たちまちに原野となりて夏草茂る

灼熱の光をあびて草刈れば陽炎(かげろう)のなか救急車行く

9月2日(木)

闘病の苦しむ姿見なければ良き思い出のままの友逝く

バラエティー番組ばかり見ているが妻にとりては楽しみらしい

9月1日(水)

朝夕のわが水やりにしっかりと応えて花を咲かせてくれる

鶏頭の花の異様さ思うなり子規は好みて歌にうたえど

少年の頃の思い出語るとき子供の顔に友はなりたり

少年のころの思い出語りゆく清流に身を泳がすごとく

8月31日(火)

太陽も月も地球も人間の心の中もまあるい玉か

コスモスは炎天のなかで咲き始じむ日数をかぞえて咲くのだろうか

耳鳴りと思うばかりに暗闇の蝉の激しき鳴き声止まぬ

8月29日(日)

いつまでも青き心で生きゆかん厳しく辛い冬となるとも

青き空青き山々わが心青々としてなお痛々し

しろじろと空の白みし明け方に今日の最後の巡回終わる

8月27日(金)

常識が通じないのかお役所は百六十三歳の生存

8月26日(木)

一瞬を一生懸命生きることこの子のこれが生き方なのだ

一瞬に全てをかけて生きてゆくわが死後何年子は生きようと

神に顔向けて生きよう月のごと優しき光かえし生きたし

月光は目にもやさしく輝けり無心のもののなせるわざなり

8月23日(月)

満月の光を浴びて午前二時早やオンドリが時を告げたり

目標を持ちて生きるというでなくこの一瞬がこの子の全て

猛暑にも負けずによくもがんばった今年わが家の南瓜豊作

8月22日(日)

自由主義個人主義という教育に孤独死ますます増加している

欠点が気になる今朝よこれでよいこれでよいのだ赤塚不二夫

滝水は空の青さの中よりぞ落ちて三筋の帯となりたり

8月21日(土)

異常だよこんな暑さがあるものか地球のどこか狂ってないか

8月20日(金)

米国のベースボールに勝たなけりゃならぬは沖縄魂ならん

8月19日(木)

庭の草妻の役目にあらねども炎天のもと今日も取りおり

親のあと追っかけているひよこたち君らはどんな大人になるや

温風を外に吐き出し冷房すそれでは外は熱するばかり

8月18日(水)

炎天のコンクリの上うねりおるみみずのやむにやまれぬこころ

目的に向って夏も冬もなしそんな時代が確かにあった

8月16日(月)

推敲二首

われの住む伊豆半島の人口を超える牛豚殺処分さる

8月14日(土)

コンクリの塀に何度も挑(いど)みおり蝉の幼虫は登らんとして

8月13日(金)

絶滅の恐竜がその文字通り不死鳥類となり種を保つ

十二日わが生まれた日御巣鷹にジャンボジェット機墜落した日

山頭火青の苦しさ知るゆえに酒に依存しごまかしている

8月12日(木)

苦しみの多いはわれに一段の進化とげよの神の啓示か

人類の数億年も前のこと二足歩行は恐竜が先

サッカーは根源的な感じするたとえば恐竜時代のようだ

8月11日(水)

長崎の原爆の日を弔(とぶら)うや鋭く啼ける蜩(ひぐらし)の声

小雨降る山より昼も聞えくるしめれる音の蜩の声

重々と枝に盛(さか)れる百日紅昨夜の雨に打ち叩かれる

庭に咲く千日紅も昨晩の豪雨に打たれ土にうち伏す

8月9日(月)

大家族の嫁の苦しさなつかしむごとくに話す独居の媼

老人がインターネットを利用して生きがい見つける世になるだろう

少年の心の中に水爆の恐怖教えし久保山氏の死

8月4日(水)

入りつ日に花びら向けて今日の日を生き尽くさんとむくげはするか

8月2日(月)

草原に生きゆくために人類は進化を果すほかはなかった

艱難を避けるにあらず艱難のなかに救いの道を求めん