京都嵐山から愛宕山上にある愛宕神社を結ぶ参詣鉄道として、愛宕山鉄道が設立、昭和4年4月に嵐山(京都電灯嵐山、後の京福電鉄嵐山)〜清滝間が、同年7月に清滝川〜愛宕間が開業した。
嵐山〜清滝間は平坦電車線(通常の電車線)、清滝川〜愛宕間は鋼索線(ケーブルカー)となっており、清滝と清滝川で徒歩連絡をしていた。愛宕から先、愛宕神社のそばまでロープウェイの建設計画もあったが、こちらは開業に至っていない。
参詣客・観光客の足として賑わったが、折しも太平洋戦争が勃発、戦況が悪化してくると参詣・観光輸送を主目的とした愛宕山鉄道は「戦時不要不急鉄道」に指定され、昭和19年2月10日限りで廃止された。
嵐 釈 鳥 清 清 愛 平 迦 居 滝 坦 山 堂 本 滝 鋼 川 宕 電 ○−○−○−○ 索 ○−○ 車 あ し と き 線 き あ 線 ら ゃ り よ よ た し か い た た ご や ど も き き ま う と が わ
平坦電車線の軟券乗車券。上段は片道券で下段は往復券。
三区券には嵐山と清滝の表示しかないため、3区で全区間となっているのが解る。
小児影文字は鋼索線の券と異なり小さく、旧字体が使用されている。
優待乗車券。左は昭和15年12月、右は一年後の16年12月に発行された券。
券紙の質と地紋色が異なっている。
乗車券の裏に押されていた、愛宕と嵐山の日付印。日付から乗車券は開業初期のものと推定される