*鉄道省・運輸通信省・運輸省の地図式乗車券*

昭和10年6月15日に新宿駅の券売機(6台)で初めて発売されたが、試験的なものでB型硬券であった。その後何度か様式を変え、太平洋戦争の激化とともに昭和20年頃に姿を消した。
また、鉄道省は昭和18年11月1日から運輸通信省に、さらに昭和20年5月8からは運輸省に代わってゆくが、地図式乗車券の様式上に変化はない。


当初使用されたB型券の初日券。下車出来る全ての駅(区間外でも丸のみの表示がある)が記してあるのが大きな特徴である。
注意書きも表面にあり、非常に緻密な印刷となっている。



昭和11年に正式採用された際にA型券となった。B型と同様、下車出来る全ての駅が記してあるが、注意書きは裏面に移った。
5銭区間(上段)と10銭区間(下段)で発売された(小児2銭・5銭区間でも発売されていた)。



昭和15年末から用紙節約の為にB型になる。地図は太線区間内の最遠端駅と接続駅表示のみとなった。



昭和17年4月の運賃改定により初乗りが10銭になった。この頃の地図券は10銭〜30銭区間で発売されている。



昭和18年から地図式乗車券のみが印刷簡略化の為に無地紋となった。
この措置は、地図式券は他の様式に比べ印版(切符の版下)が緻密な為、偽造されにくいと判断されたからと言われている。



19年4月から運賃に戦時特別運賃が加算されるようになった。切符左上の注意書きが「裏面注意」から「特別運賃共」に変わっている。


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