**函館本線**

*上砂川支線
「砂川支線」とも呼ばれるこの支線は、大正7年に三井鉱山の陳情により函館本線砂川〜上砂川間の運炭専用線として開業、大正15年から函館本線の支線として一般営業を開始した。
当初は途中駅が無かったが、昭和20〜30年代にかけて3つの駅が開業し活況を呈していたが、石炭産業の衰退と共に輸送実績が低下していく。
近隣の歌志内線(昭和63年4月24日廃止)より輸送実績が少なかったが、函館本線の支線と言うことで国鉄再建法による廃止を免れ存続したモノの、昭和62年の三井砂川炭鉱の閉山に伴い石炭輸送が廃止、さらに上砂川経由の歌志内線代行バスに乗客を奪われ輸送実績の回復は望めず、平成6年6月15日に廃止された。
上砂川支線の終点上砂川は、倉本聡脚本のテレビドラマ「昨日悲別で」のロケで使用されたことでも有名である。

<路線図>
 砂 下   東 上
     鶉   砂
 川 鶉   鶉 川
 ○−○−○−○−○
 す し う ひ か
 な も ず が み
 が う ら し す
 わ ず   う な
   ら   ず が
       ら わ


下鶉・鶉・上砂川の乗車券併用入場券。僅か7km足らずの支線に有人駅が3駅もあったことがこの線の繁栄を物語っている。


上砂川の観光記念入場券。「昨日悲別で」の舞台だった旨が書かれている。


最終日に記念で発行された東鶉の入場券。


左は三等級制時代のA型赤地紋券。発行された昭和32年当時、鶉は上砂川支線唯一の途中駅だった。
右は札幌発行の二等級制時代のA型青地紋券。


モノクラス化後の乗車券。左は東鶉発行の簡易委託軟券乗車券。右は砂川発行の両矢印券(券面右下の「文殊」「西歌」は昭和63年に廃止された歌志内線の駅)。




JR化後の乗車券。最終日日付の券は廃止記念で発行されたもので、札幌駅等でも購入できたらしい。
晩年の上砂川支線にはJR直営の駅は無く、上砂川のみが簡易委託駅として乗車券類の発売を行っていた。


廃止記念の影文字入り往復乗車券。


*旧線(神居古潭)
明治31年北海道官設鉄道により北海道炭砿鉄道空知太(そらちぶと、砂川〜滝川間。後に空知川と改称し明治38年廃止)〜旭川間が開業、3年後の明治34年に神居古潭簡易停車場が開業した。
明治38年の鉄道作業局移管後、神居古潭は停車場に昇格する。明治42年の鉄道院告知により函館〜旭川間が函館本線となる。
その後、長きに渡り主要幹線として盛業していた函館本線は、輸送力増強の為小樽〜旭川間の複線電化工事を開始。狭隘で曲線の多かった納内〜神居古潭〜伊納間は新線を設置することとなり、昭和44年9月30日限りで旧線は廃止された。

<路線図>※(信)は信号所
   神(信)
 納 居 春 伊
   古 志
 内 潭 内 納
 ○−○−○−○
 お か は い
 さ む る の
 む い し う
 な こ な
 い た い
   ん


神居古潭の入場券。


旭川発行の神居古潭行き乗車券。山間の小駅行きの小児券は殆ど使用されなかったであろう。


神居古潭発行のD型往復乗車券。往復四日間有効の長距離券であるため、D型となっている。


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