**篠山鉄道**

福知山線篠山駅(現、篠山口)が市街地から離れていたため、篠山駅から市街地を結ぶ鉄道が計画され、大正4年に篠山軽便鉄道により弁天(篠山駅前)〜篠山町間が開業した。
その後、弁天駅を廃止して省線篠山駅に直接乗り入れを開始。大正10年には福住への延長を見越し、路線の付け替えと延長を実施、篠山町駅も1qほど福住寄りに移転している。
大正14年には社名を篠山鉄道に改め営業を続けていたが、昭和17年に福知山線篠山〜福住〜山陰本線園部間を結ぶ鉄道省「篠山線」が軍部の意向により起工。
この工事の際、篠山線の築堤が篠山鉄道の路線を遮る形で造られ、寸断された篠山鉄道は篠山線の路盤を借りて運行していたが、昭和19年3月20日限りで廃止された。
篠山線は翌日の21日に篠山口(開業直前に篠山から改称)〜福住間が開業している。残りの福住〜園部間は終戦と共に工事が中止され、全通することなく昭和47年に全線が廃止されている。


<路線図> (旧線は路線変更の為廃止)
 篠 東 岡 西 魚 篠     岡 篠
         ノ 山       山
 山 吹 野 町 棚 町   旧 野 町
 ○−○−○−○−○−○     ○−○
 さ ひ お に う さ   線   さ
 さ が か し お さ     左 さ
 や し の ま の や     と や
 ま ふ   ち た ま     同 ま
   き     な ま     駅 ま
           ち       ち


A型乗車券。篠山発行の券は赤ベタの券紙が使用されている。


篠山町発行のA型往復乗車券。復路券の「かへり」の文字が時代を感じさせる。


車内乗車券。運賃が一銭単位で入鋏出来るようになっている。


省線からの連絡乗車券。大正末期の券で、地紋は強い日焼けで判別不能。


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