
| 第3回よさこい沼津まつりを見て |
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興味が湧かない よさこい沼津は、3年前に始まった。 最初は、「よさこい」ではなく「ダンスフェスティバル」と言う名称だったと思う。 この辺りの踊りは、たいがい何とか音頭という盆踊りで興味のないボクは、それほどの期待はしていなかった。 1回目の「ダンスフェスティバル」当日、あまり興味も湧かなかったが友人が実行委員会にいたので、仕事の合間に付き合いのつもりで少しだけ見に行った。 盆踊りもあったが、韓国の太鼓があったり、フラメンコ、ラテン系、ヒップホップ系ダンスがあったり様々でそれなりに面白かった。 その時に高知県から招待されて来た団体があったが、その頃は「よさこい」がどんな物かまったく知らず、日本の踊りだから盆踊りだと勝手に決めつけていて、興味のないボクは見ることもなく仕事に戻った。 2回目だった去年は、仕事が忙しくてほとんど終わる頃に会場に行っただけで踊りを見ることはできなかった。 「よさこい」という盆踊り 3回目の今年は、友人がずいぶん前から「よさこい!よさこい!」と騒いでいたので、いつの間にかボクまで「よさこい!」と呼ぶようになり「ダンスフェスティバル」という名称は頭の中から消えていた。 でも、その時のボクにとっての「よさこい」は、まだ「盆踊り」の代名詞でしかなかった。 相変わらず盆踊りに興味はなかったが、「みんなが楽しめる祭りができたのは良いことだ。」 そのぐらいには思っていた。 今年は、いつになく仕事に余裕があって前日のパレードから会場に居た。 会場は思っていたより若い連中が多く「ハッピのような物を着ているから、やっぱり盆踊りをやるのだろうか。最近の若い連中にも酔狂なヤツがいるもんだ。」そんな事を思いながら見ていた。 友人のいる地元の「粋・イキ・なかみせ鳴子隊」を見つけた。 しばらく見ないうちにけっこう上手くなっていた。 かなり現代的にアレンジしたらしく変わった盆踊りをしていた。 変わった盆踊り? いくつかの団体の踊りを見ながらフラフラ歩いていると変わった連中を見つけた。 30人から40人ぐらい、みんな若く、まだ大学生ぐらいに見えた。 全員揃いの服装で盆踊りの様な格好だがチョット違う。 水色の派手なハッピに真っ赤なハチ巻き、ハッピの下には黒装束、ハッピの後ろには派手な朱色の富士山が描かれていた。 おまけに顔には歌舞伎のような化粧まで施している。 良く覚えていないが、確かその時のアナウンスで、その連中が「高知よさこい」であることを知ったと思う。 さんざんボク達が騒いだ「よさこい」の本場の盆踊りを見てみようと立ち止まり、踊りが始まるのを待つ事にした。 河童が出た! よさこいは2列の縦列に並ぶとひざまずき深く顔を伏せた。 しばらくして音楽が流れ出した。 盆踊りの曲にしては現代風にリズミカルにアレンジされていた。 でも、それよりも音の迫力に驚いた。一時期流行ったディスコなんか目じゃなかった。 伏せたまま静止していたよさこいは全員一斉に顔を上げた。 そして、その時、全員が黄色の河童になっていた。 踊り出したよさこいは、盆踊りとは違って今まで見たこともない不思議な「動き」を始めた。 その「動き」が盆踊りでないとすれば何なのか自分の記憶を探した。 ヒップホップ系でもジャズダンスでもなかった。 劇団四季でも宝塚でもこんな「動き」はしない。 今まで、こんなに変な踊りは見たことがなかった。 踊る全員が揺れている。辺りの空気も一緒になって揺れ始めた。 それは次第に大きくなっていき、いつしか会場全体のうねりに変わっていった。 こんなに力強く、激しく、そして楽しい踊りは見たことがなかった。 その時、初めて見た観衆は誰もが放心状態ではなかったかと思う。 ボクも我を忘れて何も考える事ができなくなった状態のまま、ただ立ちつくして見とれていた。 風が街を吹き抜けていった!! よさこいは、地面を叩き、空を突き上げた。 ハッピを脱ぐと海になり、そして風になり見る見るうちに遠ざかって行った。 すぐに後を追って行こうとしたが、よさこいの過ぎた後はアッという間に観衆にふさがれてしまった。 つま先立ちになると観衆の肩越しに遠く、さっきまでボクの目の前で踊っていた水色のハッピが、ぐるぐると空を廻りながら更にまた遠のいて行くのが見えた。 それも次第に観衆の壁に消されてしまった。 取り残されたボクの周りには台風が通り過ぎた後のような感覚が残った。 ボクはボウ然として、今、自分が何を見たのかまだ解らずにいた。 その時、全身に鳥肌が立っている事だけは判った。 |
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