今週の短歌NO.23

 わたしの歌歴(後藤人徳)
 昭和59年「賀茂短歌会」入会。現在編集発行人。
  歌集:「母胎」、「祈り」

以下に紹介します作品は、作ったばかりのものをそのまま書いています。推敲の手があまり入っていません。未完成の部分が多々あると思いますが、参考にしてもらえれば幸いです。...作者より


茜差す雲を頭上にミレー作「夕べの祈り」のごとく子とわれ


今年の目標は口語短歌に挑戦したいと思います。多少歌が軽くなるかもしれませんが、またまだその力がないとも思いますが挑戦したいと思います。また去年歌集を作ることを色々な理由で断念しましたが、今年はせめて三郎に関する歌だけを集めて一冊にまとめられたらと思っています。
 


8月31日(金)日々の気持ちを短歌に(ブログ)

わが命つなぎくれよと祈るとき倒れし孫が立ち上りたり

綿帽子かぶり新たなわたくしとなりて再び飛び立たんとす  (題詠:立)

これがわが命つなげる孫なるかひと度倒れて立ち上がりたり (題詠:立)

新聞紙一枚が舞い海面に落下するまで見届けている    (題詠:新)

一日の命のはなを咲かせつつ木槿(むくげ)は蟻や蜂に蜜分く

8月30日(木)

電柱の二倍の高さになるらしい下田の津波予報を報ずる

高台に自宅はあれどスーパーも病院もみな低き所ぞ

その時にわが居る場所は分からない願わくは高き場所にあれかし

一駅を乗り過ごししと少年が寂しき夜の駅に佇(たたず)む

人影に脅えて散れりわが家の甕に育てる目高の家族

霊柩車去りたるあとに戻りくる激しく蝉の啼き立てる声

8月29日(水)

新しき時代よ来るや黒船に摸する遊覧船の近づく

あまたなる木の葉を愛し訪う風がわれの心も癒してくるる

踏まれてもふまれてもなお葛の蔓崖這い上り舗道に伸びる

政治家よ一寸先が闇というその闇照らすが君等の使命

過去未来今も忘れて一心に子供となりて短歌と遊ぶ

コンクリの上を歩けるわが影の陽炎となりゆらめいている

8月28日(火)

朝方は冷たい風が吹きくるにとても外には出られぬ暑さ

同人誌どうにか間に合い発送す生きる証(あかし)ぞわれにとっては

奉仕することもかなわずひと日(ひ)暮れただ法師蝉鳴くばかりなり

細野氏が渡辺周氏が敗れればほんとに伊豆より時代は変わる

いままでの大変革に関われる伊豆よ再び変革起これ

8月27日(月)

新しき時代は来るや黒船も頼朝もまた伊豆に関わる

炎天の日を栄養とするごとく百日紅が活き活きと咲く

法師蝉鳴き始めたる夕暮れはどうやら秋の風が吹くらし

奉仕することもかなわず一日が今日も暮れたり法師蝉なく

原発のお陰で多くの喜びを持ちたる過去にまず感謝せん

なんとなく河野裕子に会いたくて歌集開けばどっと匂えり

8月26日(日)

施設にて外出出来ぬ不満あり帰り来て子は外へ飛び出す

自販機にジュースを買うを楽しみにしているわが子一週間ぶり

炎天にジュースを買うと飛び出せる子はどんどんと先を歩けり

全身を汗に濡らして歩みいる電信柱の影に憩える

影さえも陽炎(かげろう)のごとゆらめけるくらくらめまいに襲われている

8月25日(土)

東方の孤島の民に韓国は蔑視されるや昔も今も

縄文の土器は韓国全土から出土しないというはまことか

沖縄に北海道に出土して縄文土器は韓国にない

東方にあこがれもちて移動せし民の子孫か日本人は

東方の日の出る土地をあこがれて移動したるは数万年前

日本が孤島となるも逃げざりしわれ等の祖先の魂思う

8月24日(金)

身障者役員会も昼食はザル蕎麦にする予算なければ

茹で蛸のように真赤になっている天気予報の日本列島

温暖化防止の話しはどうなった地球がどんどん狂ってゆくぞ

原発を反対するのもよいけれどこの熱帯化どうしたらいい

秀吉が利休を切腹させたこと当然だよと思うことあり

原発の反対をするその前にまずは感謝をそこが足りない

8月23日(木)

原発の反対するのは良いけれど君に依頼をした訳でない

君たちが勝手に反対していると思っているよ市民とは誰だ

君たちがエスカレートをするたびに何か違うと心に思う

君たちはデモではなくて政党を作って反対したらどうだい

デモでなく自給自足の村作りそこで生活したらどうだい

韓国も北朝鮮も中国もみなまきこんで反対しろよ

8月22日(水)

題詠:新

突風に吹き飛ばされし新聞紙いま海面に横になりたり

亡き児を思い出し:

児の名呼び死ぬなとよびて駆け来るにわが家ばかりが明るく点る

死にし児は仕方なけれど屍(しかばね)に汝(な)れの名よびぬわれは父なれば

葬式の仕度となれば幼(おさな)かる姉弟(あねおとうと)を外に連れ出す

健ちゃんは遠いお空に行きたりと幼きものに言うほかはなし

8月21日(火)

パソコンをいじりていれば何かしら仕事をしたる気分となるか

草刈や庭の剪定やることは沢山あれど暑くて出来ぬ

仕事なく引き籠りおるわれなれば怠け者だとつくづく思う

ロンドンのオリンピックのメダリスト凱旋パレードに花吹雪舞う

久々の熱気を感ず五十万の人集りてメダリスト祝う

これだけのパワーが日本にあったのか五十万人銀座に集(つど)う

8月20日(月)

山道はすべりやすくてゆっくりと葛の花びら踏みつつぞ行く

色々な生き方あらん葛の花藤とは違い花房を上ぐ

宇宙から見ていたりけり竹島をまた尖閣の諸島のことを

大陸の一部が徐々に孤立して日本列島となりたる昔

日本が孤島にならんとするときに逃げず留まりしわれらの祖先

日本が孤島とならんとするときに大陸に逃げし民族あらん

8月19日(日)

雨の日は滑りやすくてゆっくりと葛の花踏み舗装路下る

廃線となりたるレールはすでに錆び夏草覆う中に消えゆく

滝飛沫あたりに降りて木々の葉の緑いよいよ濃くなりてゆく

トンネルのなかはしとしとしずくして冷たき風がふいに吹いたり

活き活きと生きてる歌に思うなりわれはただただ息吸うだけか

8月18日(土)

ペンを持つ力まだあり考える力まだあり何を歎かん

偏見が差別が日本にある限り昔も今もいじめは続く

偏見や差別を廃する福沢の精神こそがいじめを無くす

幼稚舎も大学生も慶応は同じ丸帽平等である

先生も大学教授も君表示する慶応の平等思想

8月17日(金)

さっぱりと散髪をして帰りたりやっぱり夏は散髪がよい

一匹のはぐれ猿らしわが家のスイカ畑を荒したるのは

ボスの座を争い敗れしはぐれ猿里の畑を荒し回れり

隣家では南瓜畑がわが家では西瓜畑が荒らされている

ようやくに畑荒しを見つければ群れはぐれたる老いし猿なり

8月16日(木)

新しき夜明けとなるや一面の霧のおおえる山を見ている

戦争を知らない息子のその子供ビキニ姿を君とがめるな

電話にて全国大会入賞を伝えてきたり百一歳の友

問題は維新にあったと思うのは多分わたくしだけなのだろう

(昔を思い出して)

給料の遅配続きの地下事務所妻作りたる弁当を食(は)む

8月15日(水)

咲き盛る百日紅(さるすべり)の花どしゃぶりの雨に打たれて頭を垂れる

髭剃りをしている折に気づきたりわが鼻の下長くはないか

夏休み三日となれる子は今日もビデオショップに行けとせがみぬ

迎え火に今日は割箸折りているなにゆえなかなか火がつかないか

「ロッキー」もあるがゆっくり「名探偵ポワロ」を見たり深夜は止めて

8月14日(火)

今われは何をしている小さなるこの生き物は息をしている

栗御飯今年は存分食えるだろう数多なりたる枝見上げたり

濃密な9秒63ああわれは今あっさりと捨ててしまった

沢山の感動どうも有難うロンドン五輪閉幕をする

つき悪しき小枝に何度もマッチ擦る今年も子供の迎火を焚く

8月13日(月)

何事か成し遂げたるか大の字になりて死んでる蛙見ている

ああ無残スイカ畑が赤い花咲いたるように食われていたり

電柵を回し網にて覆いたるスイカ畑が襲われている

施設より子が帰り来て早速にビデオショップにせがまれて行く

墓詣り夜は花火を見に行かん子供も妻もそう決めている

8月12日(日)

そんなにも何考えるあれこれと短歌作るに理由はいらぬ

面白い楽しいそれで十分だ短歌作るに理由はいらぬ

障害の子の誕生を歌作りの理由にしているわれではあるが

突然の豪雨となれり山の水汲みに行きたる妻を追うがに

今日からは子の夏休み雨の中施設に子供を迎えに行けり

夏休み大変なれば何時にても預かりますと笑顔向けたり

8月11日(土)

金メダル多い韓国大統領突然竹島上陸をする

オリンピックの成績の良い韓国を認めるけれど竹島は別

国としてどうなんだろう韓国はいったい何処(どこ)へ向かっているか

韓国の大統領よ日本(にっぽん)と今は仲良くすべきでないか

ロンドンの五輪に水を差すごとき大統領の竹島上陸

民衆がオリンピックに沸く中に汚くないか竹島上陸

8月10日(金)

夏草と戦い終えて汗ふけり今日は少しく敗れた気分

アテネでの金メダル数十六個日本歴代一位の記録

韓国の金メダルの数十二個に中米英に続いて四位

韓国の金メダル数八日付けわが日本の六倍になる

他人との比較は意味のないことと教えられたり自力尽くさん

8月9日(木)

茎枯れて真赤なトマトなっているどんな気持で熟れたのだろう

慢心がありはしないかメキシコを侮(あなど)る心なかったろうか

一食を抜いたるためか血圧の上が98しかないか

献血を断られたりあまりにも低血圧のわたしであれば

前半は後期高齢者わたくしは二時間待ちの診断となる

8月8日(水)

渋面の爺(じじい)とわれを思いてか少女は下を向きすれ違う

精神はいつも若々しいわれも年齢的には翁とならん

明日は健康診断未明にはメキシコ戦のサッカーがある

寝不足になるも気持は生き生きとしているわれを信じて生きん

ロンドンは心一つの日本人日本の政治もまとまってくれ

8月7日(火)

自らの反省もなく反対を唱えているに腹が立ちたり

戦争も原発もすべて維新よりの必然性と根拠なく思う

良きもあり悪しきありし明治維新維新の会など片腹痛し

しっかりと歴史を見つめ目を覚ませ惑わされるな維新の会に

清盛も頼朝もまた信長も日本のために命捨てたり

龍馬より海舟が上そしてその海舟さえも幕閣の一人

8月6日(月)

ロンドンに負けじとばかり日の中をせめて散歩に汗を出したり

竹群をゆらりゆらりとゆらしいるここちよき風ここに来たれり

青田にも波を打たせて水含む風がわがやの網戸より入る

雨上がる西の空にはかすかにも雲に映れり虹の断片

ロンドンの朗報入る日本よ今西空に虹が残れり

8月5日(日)

友人の「ラフマニノフの太鼓」という歌集が熱き昼に届きぬ

教育者ひと世終えんとする君も父の仕事を継がざりし知る

熱くても五輪の選手を思いたり全身全霊ささげ戦う

不祥事の男子柔道メダリスト金がなくとも正しくあれよ

熱湯を足に注ぎぬ立ち上がる時にポットに手を置きたれば

8月4日(土)

完璧の演技祝福するように今西空の月も満月

金メタル内村航平万歳と今満月も輝いている

慰霊碑にようやく名前を見つけたり友に呼びかく涙ながして

九十になりて余命が少ないと話し始めぬ地獄の戦場

幾万の命の犠牲一口に言ってはすまぬ死体の山と

焼夷弾・火炎放射機・原爆も全て日本を焼き尽くすため

将来の日本の平和を祈念して死にたる人の数知られざり

8月3日(金)

稲さえもイノシシは襲う電柵を田圃の周りにめぐらしている

去年より少なくなった水田よ休耕田が多くなってる

夜半(よわ)起きてまたサッカーを見てしまうドローは少し期待外れだ

戦(たたかい)はその瞬間を大切に先のことなど考えぬが好き

電柵に守られスイカも里芋も今年はすくすく育ちていたり

8月2日(木)

稲の穂は早や出そろいて台風も九号となる八月初め

ロンドンはいかにと空を見上げればいま西空に虹がかかれり

今日はきょう昨日(きのう)はきのう明日(あした)こそまさに明るい日になるだろう

原発をゼロと言うのは易(や)けれど社会を動かす仕組み複雑

維新より科学科学と進めきて今原発があるんじゃないか

8月1日(水)

くせのある友の文字なり夢のなか顔も姿も現れなくに

文字だけが夢に現わる忘られぬ友の小さなくせのある文字

なでしこのサッカー夜半に始まればまた寝不足になるかもしれぬ

外人の選手はやはり怖ろしい虎のごとくに雄たけび上げる

柔道も力技にて押し通すなんとも納得せぬまま決る