今週の短歌no.34
 わたしの歌歴(後藤人徳)
 昭和59年「賀茂短歌会」入会。現在編集発行人。
  歌集:「母胎」、「祈り」、「わが家の天使」


7月31日(水)参考:日々の気持ちを短歌に(ブログ)

われのみが何も分らず付き合っていたかと思う離れて思う

千枚の資料のコピーコピー機も熱を帯びてる熱中症だ

芸術祭準備の為の全体会その資料なりコピー千枚

一子逝き一子障害持つことを語ることなし妻畑(はた)を打つ

心障の子を産みしこといかばかり嘆きしならん妻語らぬも

7月30日(火)

戦争と老い人は言う夏草を刈りて汗噴く顔を向けつつ

法人に区費の協力お願いす区民でないが営業すれば

薬局に石材店に建機屋に区費の協力お願いをする

夕方にブルーベリーの実を摘んで焼酎のなかに入れて飲んでる

目に良いとブルーベリーの苗を買いやっと毎日実を摘んでいる

7月29日(月)

たましいが宿るというはこのことか今里山を霧が覆えり

たましいの問題なれば言霊の昔にかえり考えようか

しゅくしゅくと穂を垂れ稲は伸びている天地の恵みいっしんに受け

栗や柿今年はいかに育つらん今日も見上げて樹下を通る

スーパーの花売りコーナー見ておりぬ妻の買い物している間

7月28日(日)

施設へと汝(な)れを預けて二十年それでも父とすがりくれるか

施設にて暮らし終末帰り来るお前の家はこの家だから

施設にて汝(な)れが楽しく暮すこと父の望みはそれに尽きるぞ

カラオケで「まつり」をいっしょに歌うときお前の叫び声が沁みるよ

言葉なきお前が歌をうたうとき皆は叫びの声と聞くらん

7月27日(土)

七月というに早くもここの田は稲穂がすでにそろい出ている

施設での納涼祭に歌わんと今日も「まつり」の練習をする

施設での納涼祭に昨年は子と歌いたり「君といつまでも」

明日はわが子が通う施設での納涼祭のカラオケに出る

区のことを何もしないで過ごし来てほんとに区長をやれるかわれは

防災の先頭に立ちせにゃならぬ覚悟を決めよ男じゃないか

7月26日(金)

純白の木槿の花の蜜を吸う揚羽の蝶になりて亡き子は

見慣れない鳥が庭木に止まり鳴く鳥は魂運ぶというが

虫干の準備をせんと役員が神社に集い打ち合わせする

防災の訓練のため八升の釜を借りよう鍋はありそう

東電に協力金のお願いをしぶしぶ書面に書いて送りぬ

7月25日(木)

つながらぬインターネットがつながらぬこれでブログもお仕舞いなのか

あと少し八年となるわがブログその更新も今日で終るか

携帯のメールをしないわれなればインターネットが命の綱ぞ

あるいはとプロバイダーに電話するNTTのミスですという

ああやっと午後の三時に復旧すなんとかブログの更新をする

7月24日(水)

高校に入学すると天城嶺(あまぎね)を四十五年前に越えたり

母親の薬もらいに天城嶺を越えつつ思う母の若き日

順天堂大学病院わりあいと早めに母の薬をもらう

啄木の歌を読みつつ病院の待合室に待ちいるわれは

啄木の歌はわたしの魂を癒しくるると何故か思うも

社会主義あるいは詩でも啄木を癒せず彼は短歌にすがる

7月23日(火)

五時に起き母の薬をもらうため明日は天城の峠を越える

民主党惨敗をして有り難し本心なれど申し訳なし

われに似て観念的な根無し草そういう党をわれは憎みぬ

心配は共産党が伸びたことやはり彼等に根はないだろう

本当に困ったことだ浮き草の山本太郎氏当選をする

コストなど考えずして電気など足りているなど軽く言ってる

改革は苦しいけれど自民党自体がせねば成功をせぬ

7月22日(月)

爽やかな朝となりたり下刈りに今日は山へと登らにゃならぬ

蓮に似る泰山木の花開く魂(たま)となりたる子を呼ぶように

田も畑も今は林になりているよそ者われに感慨はなく

杉林連なる道を登り来て地蔵菩薩の名の山に着く

幾年を村人守り来しものか地蔵菩薩に供え物あり

下刈りの汗拭き終えて早速に投票所へ向わんとする

7月21日(日)

ウインドに麦藁帽子向日葵とスイカ置かれて夏が来ている

栗の実も柿の実もまだ小さきが必死に夏の日照りに耐える

ゆさゆさと青葉をゆすり吹きおろす風が木陰のわれを癒せり

明日は区の下刈りがあるゆえにそれが終って選挙に出掛けん

明日の参議院選挙自民党まずは勝利を祈るばかりぞ

変革は野党ではだめ自民党自体が変るわれの理想は

7月20日(土)

会議あり戻って手帳を開けども今日は一首も書かれていない

今日一日われは何をしてたのか歌の一首も作れなかったか

わたくしの実家の前の家という実家を聞いて驚いている

妹と同級生という君はわたしと十歳離れているか

障害者施設の事務をやるという君が予算書を説明したり

7月19日(金)

携帯に連動すると知らざれば真夜に娘にメール送れり

水田の昔ながらの農法が短歌のごとく今に伝わる

スイカ畑カボチャ畑は日照りにてスイカカボチャがあらわになれる

与作など歌いていればしみじみと子供の頃に帰る気がする

どうしても寝不足となり会議中欠伸は出るし居眠りもする

芸術祭十一月に向かい今日第一回の打ち合わせする

7月18日(木)

明くるのを待ちかね花をひらきたりむくげひと日の命なりせば

あれほどに注意したのにああわれは二重投稿してしまいたり

早速に新聞社へと手紙出し二重投稿の取り消しを乞う

一日の違いでミスを発見すチェック忘れで二重投稿

投函をすでになしたる投稿が二重であったとその日に気づく

捨てられし歌にこだわるわが性(さが)が二重投稿起こすと妻言う

7月17日(水)

明くるのを待ちかね花を開きたり木槿ひと日(ひ)の命なりせば

電柵を廻し防鳥ネット張る西瓜畑の蔓枯れ始じむ

獣より鳥より怖いこの日照り野菜畑が干上がってしまう

(ほむら)立つ炭火のごとく赤ばかり日本列島明日も猛暑

子の施設納涼祭のカラオケで「まつり」を歌う練習をする

7月16日(火)

昨年の猛暑の歌もチェックする二重投稿しておらぬかと

子の危篤任地に電話したときの妻はわれより苦しんだろう

心障の子を産みしときその嘆き深からん妻はわれのそれより

何回も会社を替えて給料も少ないわれを支えたる妻

好きなこと心置きなく出来るのは妻のお陰とひそかに思う

7月15日(月)

動物の野生の映像見いるとき少女のようになれる妻なり

病身を虐げ農事する妻よ少し休んで汗拭きたまえ

流れゆく水を眺めてわが影は流れの上にとどまりている

聖戦とう言葉を持ちて戦うを悲しむならん神がいまさば

胃を痛め悩めるわれよ生かさんと幾千という命死にしか

7月14日(日)

   歌の出来ない時は過ぎし頃のことなど思ってなんとか作る。

散髪をしてさっぱりとしたるなり気分は夏負けすることがない

単身の赴任に長く離れいし今朝あさのドラマ見ている

夏にても長袖シャツを着る妻よ透析始めてよりの習いぞ

心障の子の誕生よわれもまた妻の好みし歌始めしは

寝付かれぬわれの傍(かた)へに寝息する妻よこのまま熟睡をせよ

7月13日(土)

なんという暑さだろうかじっとしているだけなのに汗にじみくる

鶏も夏バテなのかこのごろはすっかり卵を産まなくなった

熱中症注意促す放送が日照りはげしき里にこだます

わが部屋にエヤコンはなし扇風機朝から首を振り続けおり

若き日の登山姿の妻の写真今透析を受けている頃

透析をしたならもとに戻れないそうは知りつつ生きるため妻は

7月12日(金)

透析の妻にあれこれ家事まかせわれは朝夕体操をする

言葉なく読み書きもせず三十年自閉症とう肩書き持つ子

読み書きも言葉すらなく三十年ただひたすらに子は生きている

一日の命を終えて散るむくげ今純白の花びらを閉ず

「われわれ」で「われ、われ」でない分けないで分けるとますます孤独になっちゃう

7月11日(木)

仏教もキリスト教も分らねどなにかなつかし南無阿弥陀仏

ささやかに笹飾りして施設より帰りたる子と星祭する

単身の任地にて見し星空よ七夕祭る今日思い出ず

歌会は百二歳なる渡辺さんを交えて今日の猛暑に行う

カラオケの機器を持ち込み歌会をするもみなさん難聴ぎみなり

7月10日(水)

暑い暑いただただ暑いといいながらなんとか今日も生きんと思う

母親を連れ病院に行きたれば中学時代の友人に会う

カラオケをやっていますかまたいつか一緒に飲もうそう別れたり

百余年四代続いた老舗なり今日もシャッター降ろされている

母親に代りて医師の言葉聞き耳元でそっと繰返したり

7月9日(火)

久しぶり逢いたる隣の娘さん高校生か制服似合う

母親が熱中症と書きやれば妻と間違う子よりの電話

明日は熱中症の母親を病院に連れて行く約束をする

なんという暑さだろうか健康な人間だっておかしくなるよ

カラオケの曲追加する「人形の家」他二十数曲となる

磋牙司栃飛龍共に敗れたり明日はがんばれ栃飛龍関

7月8日(月)

小雨降る遠山並みはけぶりおりところどころに霧立ち上がり

買物に付き合うことのむずかしさ苦痛おぼえてへとへととなる

買物の妻を車で待ちておりなんでこんなに遅いのだろう

なにゆえにこんなに体がだるいのか糖がでているゆえかもしれぬ

二十九歳(にじゅうきゅう)の子にせがまれて短冊にアンパンマンと書き付けにけり

7月7日(日)

笹飾り玄関にする施設へと今日は子供の迎えに行きたり

一年に一度の逢瀬星祭する施設へと子に会いに行く

蒸し暑き曇れる下に純白のむくげの花が咲き始めたり

ひさびさにビデオショップに行きたなら子は迷うらし決められずいる

図書館に行くのを好むわが子なり読み書きもまた話も出来ぬ

7月6日(土)

電柵に囲み防鳥ネット張る今年はスイカを子等に送らん

無農薬野菜がわれらの誇りなりキュウリを嚙めば甘く感ずる

障害者旅行の今日は反省会昼食まあまあ好評だった

予算より二万円ほど安かった障害者旅行まずは成功

曇り日の今にも雨の降りそうななんと蒸したる日なんだろうか

7月5日(金)

こんなにも弱い自分と知らずして暗い歌のみ作っていたり

透析を終えて元気に帰宅するだんごを買って来たと言う妻

題詠の緑の歌が浮ばぬがスイカは育つみどり児のごと

ネット張り鳥に備えてブルーベリー今日は五粒の実を収穫す

息吸って医師の言葉に母親と同時にわれも深呼吸する

7月4日(木)

透析の妻の腕にて浮き上る命綱なる太き血管

奥さんが半身不随になりしこと友は明るく語り帰りぬ

暗き歌作ることしか出来ぬのか時に自分で自分を𠮟る

無農薬野菜がわれらの誇りなりキュウリがなにか甘く感じる

歌などを作って何になるのかと問われて何にもならぬと応(こた)う

益のなきことにエネルギーを費やさん歌はわが友命など言い

7月3日(水)

透析を始めて十年経ちし妻太き血管今は隠さず

週三日透析のため通院し妻十年の時が過ぎたり

透析を決して厭わず生き生きと今日も通院する妻がいる

見下ろすを良しとせぬごと目立たざる平屋なりしが毀されてゆく

夏草に覆われしまま鉄骨が剥き出しとなるビニールハウス

7月2日(火)

くちなしの甘き匂いよ施設にてお前はこの夜をいかに過すや

ほんとうに申し訳なし施設へとお前を預けしあとにやすらぐ

拳骨はしっかり開き八つ手の葉これでわが子を抱きしめるんだ

施設へとわが子は戻り残りいるビスケット嚙む音たててかむ

見下ろすを良しとせぬごと目立たざる平屋なりしが毀されてゆく

夏草に覆われしまま鉄骨がむくだしになるビニールハウス

7月1日(月)

霜に耐え春過ぎ初夏の庭隅に可憐な花を保つパンジー

苗育つ水田に降りて鷺一羽首を伸ばして動くともなし

薄紅の花を咲かせるねむの木を揺らし川より風が吹きくる

来年のためとは言えど紫陽花の大輪すべて切り落したり

なすキュウリトマトも色が付き始むわが菜園を見て回りたり