今週の短歌NO.36

 わたしの歌歴(後藤人徳)
 昭和59年「賀茂短歌会」入会。現在編集発行人。
  歌集:「母胎」、「祈り」、「わが家の天使」

以下に紹介します作品は、作ったばかりのものをそのまま書いています。推敲の手があまり入っていません。未完成の部分が多々あると思いますが、参考にしてもらえれば幸いです。...作者より


茜差す雲を頭上にミレー作「夕べの祈り」のごとく子とわれ


今年の目標は口語短歌に挑戦したいと思います。多少歌が軽くなるかもしれませんが、またまだその力がないとも思いますが挑戦したいと思います。また去年歌集を作ることを色々な理由で断念しましたが、今年はせめて三郎に関する歌だけを集めて一冊にまとめられたらと思っています。
 


9月30日(月)参考:日々の気持ちを短歌に(ブログ)

血糖値気にしておれど誘惑に負けてみたらし団子頂く

肌寒き今朝の気温にちぢこまり顔が鏡に小さく映る

コスモスの咲く坂道を登り行く子と離れぬと汗を拭きつつ

配送の車はげしく行き交いぬ物を運ぶはネットで出来ぬ

露置きて身をちぢめたるごとく見ゆ鶏頭の花も今朝の寒さに

毎年のことにしあれど彼岸花しおれる姿見るは切なし

9月29日(日)

彼岸花燃え立つ畑にその白き残りの花を咲かす木槿は

遠藤よお前も怪我かプロのその厳しき世界をゆっくり学べ

栃飛龍負けて二敗になりたるも一歩一歩の歩み尊し

秋晴れの空にほんわり綿雲が浮びていたり君逝きし今日

同郷のよしみで親しく語りたることもありたりありし日の君

9月28日()

大根を蒔かんとするに旱畑(ひでりはた)コンクリートのごとくに固い

旱畑耕さんとして耕耘機暴れ回れり固き土にて

大根を蒔かんと深く耕さん固き土との闘いをして

一枚の白紙風に飛びてゆく白鷺が舞うごとき姿に

畑隅の防火用水囲みおり燃え広がれる彼岸の花が

9月27日(金)

栃飛龍磋牙司とも郷土力士勝ち負けよりも怪我のないよう

二人とも三島市出身怪我せずに無事に取組み終わってほしい

怪我せずに後三日間取ってくれ無事これ名馬のたとえのごとく

熱戦はいいんだけれど怪我してはもともこもなし無事これ名馬

琴欧州嘉風旭日松もまた今場所になり休場したり

怪我かかえ一日一日取っている力士の後ろ姿尊し

9月26日(木)

同人誌製本なれば送りたりクロネコヤマトのメール便にて

言いたいことなくはなけれど補正予算承認の挙手して帰り来ぬ

西空が夕焼ている厳かな気分になりて佇(たたず)んでいる

妻の透析孫の運動会祭りもあれば調整せわし

カラオケのテンポを少し早くしてリズム重視の練習をする

9月25日(水)

磋牙司栃飛龍とも勝ちにけり幕下五番の取組を見る

白鵬がまさかの黒星弾丸のように見えたり豪栄道よ

明日となる評議委員会出席のために分厚い資料に目通す

身障者福祉会での監査のあり預金通帳なども点検

会計をまかされているわれなれば監査の前に厳重チェック

信じるはわれのもっとも優れたる特質なりとひそかに思う

9月24日(火)

秋祭り今日の準備は掃除から落葉積れり宮の階段

紅白の幕も祭りの花紙もインターネットで探し求める

花紙の飾りを各戸に配布して近づく祭りを盛り上げている

新聞に今週も歌載らざるを話題にもせず静かにたたむ

妻の歌先週すでに新聞に載りたりわれは今週もだめ

9月23日()

父もわれも贔屓にしたる松登その映像がテレビに映る

栃飛龍勝ち磋牙司負けにけりテレビ映像見れず過ぎたり

日数を数えているや彼岸花気温によらず咲き始めたり

八方に薙ぎ倒をさるる学童の育てし稲はいまだ青きに

われよりも濃くなりゆくか明日の帰園(きえん)に備え子の髭を剃る

心根は幼きままも子の髭の日日濃くなるをさびしみて剃る

9月22日(日)

朝靄のなかに姿をとどめいる満月その身を沈めがたきか

満月の真白き姿明け方の山の端近くにいまだ残れり

千余年伊豆白浜の地に建てり産土神の白浜神社

下田にも反射炉があり黒船の対策として砲身作る

味匂い勘に頼りて生きるんだ賞味期限は無視するという

9月21日(土)

稲の穂にあらず薄の穂を飾り縄文人のごとく月見る

梨りんご栗など供え素朴なる心となりて月を眺める

苦しさを経たる人ほど笑み笑い大事にすると微笑み語る

白浜の今日の歌会欠席が三名となる笑顔でゆこう

めいめいがそれぞれ命の火をかこみ消さないように励むほかなし

9月20日(金)

煌々と窓から月の光さすそうだ明日は満月だった

磋牙司今日も勝ちたり三連勝一日一日がんばってゆく

伊豆の歌たびたび出てくる牧水の歌集を日にち読み進め行く

牧水は沼津に住んだ沼商の前の千本松原あたりに

沼商の前に工場があったっけ最初の会社の車体工業

沼商も今は徳倉に移りたりその後一度も訪いしことなし

9月19日(木)

黒雲を吐きて登れるダンプカー精一杯に生きているのか

朝方は肌寒くして天城嶺(あまぎね)の峠の温度計十五度示す

精神の安定剤を含みたる母の薬は診断を要す

腹式の呼吸法らしりんりんとナースの声が廊下に響く

同居せぬ母にはあれど別段に変わりはなしと薬をもらう

母親の薬もらうに遅くなり今日磋牙司の取組見えず

9月18日()

幕下に落ちるもがんばる栃飛龍今日も勝ちたり二連勝なり

わが父が贔屓にしたる松登真直ぐ生きよと言ってるようだ

前立腺肥大は父も患いしだがどうしても医者に行けない

生きなけりゃあと一年で父の年父より先に死んではならぬ

わが父よ最期の最期の三か月わが勤務地の病院に生く

勤務地の熱海に最後の三か月父は生きてた衰え果てて

9月17日(火)

強風に首を大きく振りている彼岸花一つ庭に咲きいて

風叫びスダレを雨戸に打ちつける治まりくるをただに待つのみ

台風の雨おさまるも風強し口笛のごと高き音する

あれほどに暴れた台風いまどこに日は差し風もおさまりている

磋牙司栃飛龍とも白星に解説なんと高見盛関

9月16日(月)

小学校二年の時に学校を早退をして相撲を見たり

東富士松登など幼き日贔屓の力士いかになりしや

高見盛磋牙司栃飛龍関今場所はその取組が見えぬ

台風はいずこに行きしやここ伊豆は雨止みすでに日が差してきぬ

台風が近づくゆえに明日(みょうにち)の歌会は20日に延期をしたり

9月15日(日)

明け方を蝉がじんじん鳴き立てる働け生きよと言わんばかりに

施設へと子を預け来て切なさよ逃げるごとくに車走らす

施設へと預けし折の子の顔を見てしまいたり心に残る

二時間に一度のバス待ち手と背(せな)に幼連れたりありし日の母

台風が近づいている窓を閉め蒸し暑い夜を眠らんとする

9月14日(土)

(注)創作短歌です。

汝(な)が父の年より五歳若いのに胆管癌と診断される

父親と同じ胆管癌となり入院するか家継ぐ汝れは

資金繰り苦しき家業を営みてその父親と同じ病に

われもまた同じ子なれば弟の病は決して他人事(ひとごと)ならず

転移などしておらぬこと祈るなり元気になりて弟帰れ

9月13日()

身障者役員会は十二名めいめいどこかに障害を持つ

弁当を買い来る役はわれなれば近くのスーパーマーケットに行く

会計を預かっている役なれば昼食予算は三百円に

歌い込み長いといえど一つ一つ言葉を大事に歌い百点

北国の春で百点取りたれば喜び湧きくるマイク持つ手に

9月12日(木)

啄木の特集番組午前中あれば録画し歌会に行く

歌会を図書館でする広々としたる二階を五人で独占

百二歳渡辺さんは欠席に今日の歌会五人出席

障害者役員会の明日のため日傭弁償準備始める

歌手の歌聞きつつ気づくこれほどに言葉大事に歌っているか

9月11日(水)

彼岸花まだ蕾だが草むらに一本すっくと立っているのだ

園児らの熱気を吸いているごとく百日紅が赤々と咲く

今週もだめでしたよといち早く新聞を見て妻が言いたり

今週で三週間か新聞に歌が載らない妻もわたしも

機関銃の重さいかほど草刈機持ちて夏草薙ぎ倒しゆく

荒草のなかに咲きおる野菊さえ薙ぎ倒し行く汗の草刈り

あらかたの草刈り終えて火照る身を鎮めるごとく雨降り出しぬ

9月10日(火)

ここの田はすでに稲刈り終りたり稲架(はさ)にあまたの稲の掛かれる

カラオケはまかせて下さい大見得をきりたるものの聞くに耐えない

スピードにリズムに合わせ歌いしが自分らしさが失せし感じす

感情を込めて歌えば音程がリズムが狂い遅れてしまう

採点を上げんとすればするほどに自分の歌でなくなってゆく

9月9日(月)

霧雨(きりさめ)の降る朝方に歓喜湧くオリンピックの招致のニュース

雷鳴は歓喜の声か轟きかオリンピックの招致が決る

雲流れ明るき光差して来ぬオリンピックの招致が決り

乗用車積みたるトラックゆっくりと前を走りて抜くにぬけない

今晩は秋の祭の打ち合わせ少し早めに出かけんとする

9月8日()