今日の短歌NO.1
わたしの歌歴(後藤人徳)
以下に紹介します作品は、作ったばかりのものをそのまま書いています。推敲の手があまり入っていません。未完成の部分が多々あると思いますが、参考にしてもらえれば幸いです。...作者より
短歌は、三十一音からなる小さな世界です。その中に自分の思いを込めます。ですから、時間はなかなか織り込めない。今の一瞬、一瞬を歌うしかないのではないでしょうか。そう思います。また、そのように作っています。
短歌鑑賞:小島ゆかり
平成20年今日の短歌NO.3 平成21年今日の短歌NO.1
7月31日(金)
汗垂(た)れて登りてきたり山の駅友偲ぶ会に出席せんと
君にもう会えないんだねトンネルの多き伊豆急電車に思う
二十年わが生活を支えたるホテル聳(そび)えるマンションとなり
伊豆多賀の駅を乗り降りしせし頃は多賀という文字気にとめざりし
魚(うお)満つる籠を下げたる観音像早川駅の近くに立てり
東京の空いっぱいに君の顔ほほえむ顔が車窓に見える
排他的暗い性格はっきりと君はわたしのことを評した
瀬谷君の思い出話をめいめいが語りてくれる涙ながして
負いきれぬ重荷を負うと重役の友は不況を嘆きつつ言う
外灯にあかりが付いて湯煙の温泉街の今日が始まる
川沿いの柳の並木は外灯の明かりを受けてかがやいている
薄くらき海に突き出す堤防にしきりに糸を投げる釣り人(びと)
暮れかかる海に寄せくる白き波黒き巌を打ちて砕ける
夕暮の空に浮びし半月が光を増して輝き始む
一駅を乗り過ごしたる少年が暗き灯(あかり)の駅に降りたつ
7月30日(木)
汗が出る歩いていれば汗が出る雨に濡れたり汗にぬれたり
スコールの去りてすっかり晴れた空濡れた体を乾かしくれる
ご近所におりし人なり長きこと病(やまい)に臥して亡くなると聞く
藻屑蟹(もずくがに)取るが趣味にて早朝にバケツに入れて運びていたり
発破にて耳を患い補聴器をしておりしなり記憶に残る
穏やかな語り口にて藻屑蟹取る秘けつなど話してくれし
隣家は事情がありて転居して行きて売地の看板掲ぐ
7月29日(水)
弟の作曲したる曲なれば最後を締める「人生一路」
俗にして俗を越えたる力ありドストエフスキーも美空ひばりも
「わたしから歌がなくなりました」ああ美空ひばりの最後の手紙
いっせいに金柑(きんかん)の花咲いている豪雨の中の金柑の花
よそ様の庭にはすでに咲いているわが家は遅い百日紅(さるすべり)の花
昨晩の雨をたっぷり呑みこんで今日の小川は太っ腹なり
いつよりか子猫一匹棲みついて車の下に雨を避けてる
7月28日(火)
突然の豪雨に身動き出来ぬため銀杏の下に雨やどりする
豪雨とはこういうことかたちまちに道が小川となりて流るる
イチローが億万とるはけしからん君の論理はそう聞えるよ
7月27日(月)
葉の先にしずくしっかり留まりて力いっぱ生きんと光る
コンクリの熱に焼かれるわが影が両手を振ってがんばっている
炎天を避けて木陰に憩いたり風吹きてきて息吹き返す
炎天を歩いていればホトトギス少し休めと鳴き止まぬなり
炎天を歩いていればうぐいすが藪にひそんでのんびりと鳴く
炎天を帰りてくれば庭隅にナデシコが咲き慰めくれる
完全なペーパードライバーの民主党嵐の中を出掛けんとする
自らを過信をするか民主党日本の国がかかっておるぞ
7月26日(日)
葉が枯れしカボチャ畑はごろごろと露(あらわ)となりて実が横たわる
あてのなき旅広がるも人間は前にまえにと生きてゆくのみ
「この世には神も仏もあるものか」そこにぞ真の信仰生まれる
最悪の事態が仮に起こるともわが信仰は決して揺るがず
定額の給付金には反対し子供手当のばら蒔きをする
ようやくに育ててきたる収穫を野盗が襲い奪わんとする
7月24日(金)
子のみ霊(たま)ほたるとなりて戻りしか灯(あかり)消したる部屋隅を飛ぶ
たましいの宿ると聞けばたのもしや亡き子を蝶に重ね見ている
ひまわりが今年も家を囲み咲く去年主人が亡くなりし家
縄文の土器の分布を日本とす北海道から沖縄に至る
7月23日(木)
混迷の世を叱るがに太陽がいま少しずつ欠けてゆくなり
目まいしてしばらくまなこを閉じる間に太陽は欠け暗くなりたり
突然に原因不明の頭痛ありいま日食が進みつついて
新しく生れ変わったごとくしていま日食のときが過ぎたり
解散の翌日にして象徴をするがに日食となりて暗闇
実績の裏付けのある自民党目標値なり民主党のは
しがらみを言うや民主党自らの労組などのしがらみはどう
7月21日(火)
久々に酔いたる夜はさえざえと政治のことなど思いつつ寝る
現在がよければ良いと言えるのか英霊にまた未来の子らに
世の中の大きな流れに身をまかせ生きてゆかんと自らに言う
夜が更けて聞えてくるよ濁流が清流となったころと思える
明けやらぬ闇に聞えるにわとりの声虫のこえ川のせせらぎ
7月19日(日)
一日の命の花を咲かせつつむくげは蟻や蜂に蜜分く
子を追って汗を拭きつつ走りたり梅雨の明けない空迫まるなか
大雨の後はいづこも側溝のゴミあげ作業に半日費やす
公務員と民間企業そしてまた組合員と非組合員の差
民主党労働組合が強くなり零細企業は生きてゆけない
7月18日(土)
濁流に沿いたる道を下りたり友に会わんと車疾駆し
今回も友におごってもらいたり奢る呼吸の拙きわれは
最悪と思える時ぞ神のみ手長く伸びいる時とこそ知れ
国民はどこの国民日本(にっぽん)がなくてどうして国民がある
日本(にっぽん)の国を守るは自民党昔も今もこれからもまた
7月17日(金)
夏の日を広葉に返し柿の木がいまだ小さな実を守りいる
パニックになり雌鶏(めんどり)の飛び出せり蛇(へび)鼬(いたち)棲む夏草むらに
夜になり夏草むらにうずくまるめんどり一羽取り押さえたり
山ゆりの花匂いつつ頭(ず)を垂れて月の光に般若のごとし
日々卵を産みくれしなりにわとりに感謝をしつつ眠らんとする
団結で日本守りし自民党またこれからも守りゆくなり
日本を守れるものは自民党昔も今もこれからもまた
自民党自信を持とう日本の歴史に未来に恥じないために
7月16日(木)
一日の命を終えて散りているむくげは白き羽を閉して
飛び立つと真白な羽を広げたる蝶のごとしもむくげの花は
真つ白なユリの大輪開きたりカサブランカはゆれつつ匂う
秋のごと強き風吹く草原は裏葉を返し白々光る
露呈したヤミ専従の民主党身内の不正に何と答える
国からも組合からも給料を取っているんだヤミ専従は
7月15日(水)
敗戦の国を支えた自民党その恩恵をわれは忘れぬ
自民党白い文字なり民主党黒い文字なり党の看板
群がれる蟻のごとくに飴求め黒き民主に靡く都民よ
国民が何ほどのもの節操も忍耐もない愚民じゃないか
何よりも自分自身を省(かえり)みんまず第一に反省をせん
7月14日(火)
猪に荒らされ山に途絶えたる山百合の花庭に咲きたり
白き蝶横たわるごと花びらを閉ざしむくげの花が散りおり
真白なバラの形に花咲かせくちなしの花咲きにおいおり
いづこにも試練はあるやいたいけないつばめが一羽道に息づく
波打てる稲田の上を蝶ひとつ休むことなく漂いている
コンクリの上を歩けるわが影が陽炎(かげろう)となりゆらめいている
7月13日(月)
沼津より歌友を呼びて始めたる歌会(うたかい)に今風が入りくる
施設より帰りてはまた戻りゆくわが子の家はここであるから
戻るのでなくてあくまで帰るのだわが子よここがお前の家だ
雨となり秋蒔き種のカタログ飽かず見ている妻は静かなり
薄日差す山に激しき蝉の声山が怒るということあるや
7月11日(土)
強風に山の樹木は白々と裏葉を見せてうねり止(や)まざり
強風に煽(あお)られながらその白き花を散さぬ泰山木は
われもまた歌と称して鬱憤(うっぷん)を発散している哀れな輩(やから)
お互いに感じ合いたる一瞬にわれは足を止(と)め蛇は身を折る
軒下にあまたのフンを積み上げて六羽のつばめは巣立ちて行けり
濁流の中に竿差し釣りをする人を橋よりしばし見ている
「みだれ髪」「悲しい酒」と「愛燦燦」「川の流れのように」を歌う
人生に何があるかは分からないその瞬間に力を尽す
7月9日(木)
大島は靄に覆われ見えねども何か明るき雲の山なみ
止(や)んでいた雨が再び降り出せり車窓に滴(しずく)斜めに走る
テレビにて放映されし「細うで繁盛記」モデル旅館の倒産をする
網棚に荷物を置きて乗り換えしことに気づけり四駅(よんえき)過ぎて
「バックです、色は黒です、網棚に置いたままです、乗り換えのときに」
「バックには財布ケイタイみやげのひらき梅干それから…えーと」
うかつなりもうろくしたりとうらめどもあとの祭をいかんともせず
忘れ物の保管確かめ今来たる線路を再び一時間もどる
冷房がだんだん体にきつくなる忘れ物取りに一時間もどる
いつしかに雨は上がりて伊豆の海穏やかにして沖晴れており
生まれくる命のために活きいきと妻と嫁とは買物をする
十五分苦にはならずに運びおりベビー布団やその他色々
体には気をつけなさいと言いしのみ川口駅に嫁と別るる
政権が交代すれば良くなるとそんな単純なことではないよ
だから言う自民も民主もないんだよひとつになって国を支えん
飽きないし安心出来てあたたまる美空ひばりの歌を聞いてる
7月6日(月)
知事選の今日投票日一番に行きて早々投票をする
たましいが宿ると聞けばたのもしき亡き子を蝶に重ね見ている
俗であり俗を越えたる力ありドストエフスキーも美空ひばりも
領収書一円からにこだわった党なら献金明らかとせん
新しい時代は伊豆より始まれり頼朝しかり黒船しかり
新しい時代に女性がかかわれり政子がしかりお吉がしかり
7月4日(土)
みつばちが少なくなるも野菜畑にちょう舞い飛べり天使のごとく
蝶となり子は戻り来て庭に咲く梔子(くちなし)の花にいま止まりたり
真白なる花を咲かせて雨のなか真一文字に梔子におう
勘違いしないでほしい世の中は変えるのでなく変わるものなり
どのような社会になるもわたくしは私以外になりようはなし
母の名を代筆しつつ指摘さる長年ゑの字を江と書いており
7月2日(木)
紫陽花がすっかりあせてしまいたり小雨の中を城山登る
小さき船あまた係留されており歴史を変えしここ下田港
ほほえみを絶やさぬカーター大統領胸像に常なぐさめられる
米国でドックウッドと呼ぶらしき日米友好このハナミズキ
紫の色を好みし美空ひばり紫陽花見ればまた思い出す
すがれたる紫陽花のわき一本の泰山木の花に見とれる
真白なる花びら天を向いている泰山木の気品ある花
7月1日(水)
小椋佳の曲が流れて母親の口に胃カメラするすると入る
胃カメラを飲んでる部屋に流れたり「少しは私に愛をください」
モニターに映し出さるる桃色は八十九歳母の胃の中
麻酔にてふらつく母をいだきつつベットの上に静かに寝かす
「愛燦燦」病室に流れ麻酔にて母は静かに眠りていたり
窓の外激しく降れる雨を見て病室の母の目覚めるを待つ
めいめいが自由に意見を述べているこれぞ自由民主党なり
はっきりと国の形を示し得ぬ民主党にはわれは組(くみ)せぬ
勝ち負けは問題でない自民党「♪勝つと思うな思えば負けよ♪」
6月30日(火)
口々に民主民主というけれど愚民主義になるを恐れる
神仏に恥じない生き方をしたいんだ世間になんと言われようとも
君たちはうつ病患者のごとくなり何でもかんでも壊そうとする
テレビにてああだこうだと批評家は口が達者で実践がない
あれこれと人の悪口言うわれも無能批評家の一人であろう
6月29日(月)
日本のどこにも神はおわします民(たみ)ではなくて神に向くべし
ためになる金になるとかえらいとかそんなことよりのがれ生きたい
口そろえ国民国民政治家の言葉が媚びに聞こえてならぬ
自棄食いに吐いてるわが子の背をさすりその不消化のものを出さしむ
外出が出来ず一日過したる子もようやくに眠りたるらし
6月28日(日)
施設より子が帰りたる土曜日は散歩に行ってツタヤに廻る
マイケルの死を報ずる日われがひばりの特集を見る
人の世は「川の流れのように」なりいつかはみんな海に至れり
民主党結党以来変わらない古いふるい体質がある
小沢氏や鳩山由紀夫氏の献金をなぜ長妻氏解明せぬか
君たちは地方地方というけれど日本の国に立つを忘るな
日本国ありてはじめて国民が存在するを忘るるなゆめ
6月25日(木)
何事もなかったように霧が晴れ濁流だけがいまだ怒れり
餌を待つ雛鳥のため親燕いま濁流の上を飛び交(か)う
ピラミッド万里の長城造りしも雇用対策景気対策
ミスを突くことだけ巧みになっているそれがほんとに政治だろうか
草原(くさはら)にあまねく朝のひかり差し葉先に露のいのち生まるる
世論とう無責任なる物差にふりまわさるることはすまじき
新芽伸び枝垂れざくらの枝先が地にすれすれとなりて揺れおり
6月23日(火)
子のたまがほたるとなりて漂うか灯(あかり)消したる部屋の片隅
歌会の席に雷鳴轟けばにわかに若き悲鳴が上がる
驚きがわれに若さを与えるといま雷鳴が教えくれたり
うまそうに子の食べゆくをこれ以上の幸福はなしと妻は見ている
列につきハンバーガーを買う子等を今かいまかとわれは待ちおり
6月21日(日)
六月は妻と長女の誕生月美空ひばりの命日もくる
俗であり俗を越えたる力ありドストエフスキーも美空ひばりも
脳死は死死ぬ命あり生かさるるいのちまたあり友愛かこれ
障害の子をもつわれは双方の気持ちが分かり複雑である
六月は美空ひばりの亡くなりし月なればまた特集あらん
6月19日(金)
そびえたる天上山(てんじょうざん)の山頂に雲の降りくる神津島見ゆ
邦夫氏が言いたいことをいえるのも自由民主党なればこそなり
民主党間違っているそれよりも世論君らがまちがってるぞ
英霊に対して君らは何と言う返答求む民主党諸君
バラ色の言葉尽して建国の北朝鮮の現状を見よ
自民党若手の諸君君たちは腹をくくってじたばたするな
いいんだよ麻生首相でいいんだよ何があっても支え尽くさん
6月18日(木)
神津島
(6月17日日帰りで神津島へ行く)
ゆっくりと下田港を離れたり神津島へと船は目指して
風強き甲板に立ち離れゆく伊豆の山々眺めていたり
虫喰いて枯れたる松が手を振って離れる船を見送っている
白波を四方に放ちゆっくりと船は神津の島を目指せり
はぐれたる鴎が一羽いつまでも船上空(ふねじょうくう)を漂いている
風強き甲板に立ち海を見る酒に賑わう人に離れて
水しぶき浴びつつ海を眺めおり風強き波に船は揺れつつ
海面をすれすれに飛ぶ鳥ありて甲板にわれしばし眺める
海上に神子元島(みこもとじま)が近づきぬ白き燈台岩上(がんじょう)にが立つ
神子元の島の燈台立ち尽す茶色に光る巌に上に
光受け輝く波を眺めおり潮風強き甲板に立ち
これが海これが地球というように水平線が円形となる
ようやくに山並み霞て見えるなりこれがわが住む伊豆半島か
神子元の島の燈台小さくなり太平洋に取り残される
突然に大きな船が近づきぬ何やら荷物を積みているらし
近づける船もたちまち遠ざかりふたたび孤独の航行となる
一時間過ぎたるころかようやくに伊豆半島が見えなくなりぬ
なにもなき海原に波のうねれるを眺め待つなりあと一時間半
海面を獲物もとめて飛ぶかもめ四方八方島影はなし
うとうとと眠りたるらしたちまちに神津の島に船は着きたり
海原は原始の青をたたえおり汚れなき海ここ神津島
海草の匂い激しく鼻をつくここが神住む神津の島か
二千余の人口抱え高校を持ちたる島ぞ神津の島は
立ち枯れし木の枝々は海を向き何やら救いを求めるごとし
多幸浜という白砂に降り立ちて青き海原眺めていたり
山肌が白くあらわに崩れおり天上山のここ神津島
白砂があらわとなりし頂に紅(べに)あざやかなつつじの群生
神々が集える島と言われおりいま神津島を離れんとする
乗船をするやにわかにカモメ鳥別れ惜しむがごとく群舞う
ロープ巻き錨を上げる音すなり神津島との別れを告げて
海上に神津新島式根島利島おのおの姿あらわす
だんだんと遠く去りゆく島影を無言で一人眺めていたり
「私から歌がなくなりました」ああ美空ひばりの晩年の手紙
新聞紙一枚が舞い海上に落下するまで見届けている
たましいで天皇陛下万歳と叫びし純なる青年思う
激突の直前にして叫びしか天皇陛下万歳の声
聖戦か侵略かいや問題は今後戦(いくさ)をせぬことならん
テポドンも核の脅威も存続の危うい会社におれば遠しも
環境の破壊止め得ぬ人類のわれも一人か焼酎飲みおり
広大な宇宙の闇に一滴の露とかがやけ水の惑星
ただ波を眺めていたり飛魚も見えずうねれる広き海原
海面をかすめて飛べるはぐれ鳥ただすれすれに飛ぶばかりなり
波の間に浮びていたる流木が渦にもまれて立ち上がりたり
甲板に一人離れて海を見るこのひと時を誰も侵すな
結局は独りの殻にとじこもりただ海原を眺めていたり
うとうととしたる間に半島の山並み青くうねりて見える
灯(あかり)なく聳えるホテル数十の従業員の姿いまなし
勤務するホテルの建物はっきりと見えきたるなり灯ともりて
6月17日(水)
国政の乱れを天が怒るがに今雷鳴(らいめい)が伊豆を襲えり
雷鳴が思う存分鳴り響く伊豆全域を停電となし
世論など民主党などなにするぞ政府を信ずる心揺るがぬ
世論こそ民主党こそ間違いだこの信念を一人持ちおり
国政を混乱させる民主党この思いもつ孤独にわれは
6月16日(火)
掌(て)をひろげ天の光を浴びている八つ手の根方は枯葉たまれり
維新にて分かりしことのひとつにて万葉集の復活があり
イギリスの真似などをせず民主党自民党との連立をせん
民主党の世になりしとき政治家の悪が広がることを恐れる
官僚に代わり民主党の諸君がどれだけ立派なことが出来るか
6月15日(月)
あじさいが赤き色して咲きおれど静かな冷たい感じ変らぬ
高らかにホトトギス鳴き森閑としたる山寺霧に覆わる
霧雨の中にコスモス咲いている梅雨に入りたるここは伊豆の地
神様がやらないかぎり今の世は誰がやってもうまくいかない
人間の心が透けて見えるよにならなきゃ短歌はうまくならない
6月14日(日)
今週もなんとか元気に暮らしたか施設よりわが子帰りて来たり
柊(ひいらぎ)のとげとげとしたる葉の陰に水色の実がひっそりと付く
丈(たけ)高きあじさい風にゆれる道わが子とゆっくり歩き行くなり
北鮮の脅威を思え政権の交代などをしていていいのか
自民党民主党とが団結し北朝鮮の脅威に向え
二分して国の内にて争えば北朝鮮に対抗出来まい
6月13日(土)
ひねもすを川に向かえる釣りびとの聖(ひじり)のごとき静けさにおり
せせらぎにいやしの力あるなればわれも垂らすか針なき糸を
孔明が泣いて馬謖(ばしよく)を切しとぞこれで全てが収まりてゆく
経営をすると政治は違うんだ野党はどうして分からないのか
マスコミも野党党派もお願いだ表面的な批判は止めよ
また今日も怒りに心操られ愚かになりて眠らんとする
6月12日(金)
南天の小さな花が懸命に咲いているのだ梅雨の合間を
七色のあじさいまるく咲いている美空ひばりの命日がくる
母の日はとうに過ぎるも口に出る「東京だよおっかさん」の歌
他人(ひと)のこと悪く言ってはいけないと少年の日に諭されたるに
どうしたら社会がほんとうに良くなるか鳩山さんも真剣だろう
6月11日(木)
八月八日に息子さんが結婚する友人に
子に孫が孫に曾孫が次つぎと末広がれる八月八日
憲法九条について聞かれて
日本をいな人類の窮状を救いてくれるや憲法九条
鳩山兄弟について
自民でも民主でもなくわれわれは反鳩山で結集するか
政治家は政治家らしく清濁を呑み込むような器を目指せ
図体は大きいけれど人間が小さくないか鳩山邦雄
鷹のごと目を光らせて騒々し鳩山兄弟鎮まりたまえ
6月10日(水)
湿ってる土の中から一つ二つ大きなジャガイモ出てきたり
スコップを一押し茎を引き抜けばジャガイモごろごろ顔を出したり
ジャガイモはわが子の好物帰宅する土日のために今日掘っておく
朝掘ったジャガイモたちは広げ置き日に干したあと午後に取り込む
ジャガイモとともに熟れたるびわの実もついでに採らん東京の子に
6月9日(火)
確かに美空ひばりはすばらしいもうじき命日が来る
敗戦の時代が作ったのだろうか天才少女美空ひばりを
垣間見る美空ひばりの哀愁を森繁久弥も指摘していた
伝説の必ず涙を流すという「悲しき酒」よ今聴いている
「恋人よ」「昴(すばる)」なども独特の調子で唄う美空ひばりは
美空ひばり「心で歌えばきっと通じる」にこっと笑って「昴」を唄う
6月8日(月)
ふる里の医師なる君の死を聞きぬ大兄として遠く慕いし
釣り好きの君は流されおりしという事故にはあらず脳出血で
鮎釣りの解禁なりし日曜日釣りにて君は命落とせり
父上の医業を継ぎてふる里になくてはならぬ君にしあるに
清らなる君の姿に会いし時すずしき眼(まなこ)を向け微笑(ほほえ)みし
6月7日(日)
子の迎え雨に出掛けて施設でのバザー用品整理手伝う
午後となり雨が上がれば帰宅日の子と連れだちて散歩に向かう
コスモスが早咲いている散歩道六月六日の日差しは強し
帰宅日の子は興奮し寝付かれずとうとう午前一時となれり
岡崎のゴールシーンを繰返す六月七日午前一時半
サーッカーのワールドカップ出場を決定したる歓喜伝える
6月6日(土)
この気持ち感謝の気持を歌にせん歌に表わし感謝を示す
田の水に泳いでいたる鴨たちよわが足音に飛び立ちにけり
ただ一羽田圃のなかに泳いでる鴨をしばらく眺めていたり
蚕なき村に桑の木あまたありその黒き実が舗道を汚す
葉の先に止まりて光る朝露のごとくに思う人の命も
6月4日(木)
わが傍で眠りいる子の夢を見る今日は施設にいかに眠るか
あじさいが丘一面に咲きおれど君はこの世にもはやいないか
カーターの胸像ありて遠くから君かと思う微笑む顔が
紫陽花の丘にあふるる人の中に君の姿をさがすわれあり
紫陽花の途切れし崖に鬼百合がひとつ咲きおり叫ぶごとくに
日を追って高まりてくる欠如感磯打つ波がぶつぶつと言う
山上に両手広げるキリストの像あり霧がうすらに覆う
喉と胃と十二指腸と直腸の摘出の友ああ生きている
6月3日(水)
粘り強く釣り人糸を垂らすのを橋の上から見下ろしている
放射線治療の友は新しく背広買いたりクラス会のため
最後までクラス会への出席にこだわりし友当日に死す
亡き友のわれの挽歌に泣きたると東京の友電話をくれる
水槽の中で金魚がゆうゆうと泳いでいるよこれでいいんだ
蝶々が風に流され漂えりはかなきものは逆らわずいる
6月1日(月)
日曜の朝の日が差し露にぬれ涙のごとく葉先が光る
衝撃の一夜明けたり瀬谷君のこの世を去りし一夜明けたり
君逝きし午前三時の暗闇にひと声強くホトトギス啼く
亡くなった友の分まで生きようとクラス会にて黙祷をする
人一倍友を大事にしてた君クラス会の日命終われり
うぐいすが清(きよ)らの声でさえずるも君はこの世にもういないのだ
どんよりと空は曇りて栗の花しろじろと葉を覆いていたり
5月31日(日)
クラス会に上京せんと山の駅息切れぎれに急ぎ登れり
トンネルに入れば車窓にわが姿映りていたり六十六歳
彼もまた疲れているか座席にて眉間にシワを寄せて眠れり
体中かゆいかゆいの夢もみてどうにか一夜しのぎ終えたり
クラス会何が何でも出席をせねばならぬとそう決めていた
その昔流刑の土地とされておりわが祖は伊豆に何時よりか住む
つっかかりつっかかりして歩いてる人の流れに戸惑う東京
クラス会席上にして知らされる今日瀬谷君が逝去せしこと
瀬谷君は悪性リンパ腫患いてクラス会の日の朝に逝去す
クラス会に出たい出たいと言ってたと聞けばぼろぼろ涙が落ちる
雨の降る予想はずれてよかったが君逝きし日と今日はなりたり
君偲び何が出来るやせめてわれ歌を作らん君のいぬ世に
海見れば君との若き日が浮ぶ説教好きの君の姿が
瀬谷君よ君はこの世にいないのかもうこのわれを叱らないのか
5月30日(土)
雨上がり五月の風が吹く道を病院に向けわれ歩きおり
湿疹は毛虫が原因なるという枝切りしたは一昨日(おととい)のこと
病院の待合室に延々と待たされている予約なきわれ
今度こそと思いておれど裏切られる予約してないわれの順番
ナースらと親しく話す馴染みらの中になかなか呼ばれないわれ
病院に来ることまれなわれなればこの待たさるる苦痛堪ええぬ
無駄だって必要なんだ芸ごともスポーツだって必要なんだ
民主党の世になったならわれにとり生活しにくき世間とならん
自民党と民主党との連立を今も昔もわれは願がえり
マスコミよいいかげんにせよ国政の粗(あら)を探してケチをつけるは
5月29日(金)
手に腹にこの湿疹は何事ぞかようなかゆみ過去になかりし
無理してるわたくしなのか手に腹に原因不明の湿疹広がる
あさってはクラス会なり湿疹よなにとどこれで治まりてくれ
真紅の色を誇れるけしの花咲ききわまりて花びら散す
ようやくに大きくなりし梅の実を枝を揺すりて風が落とせり
ようやくにつばめがわが家に戻りたり朝から囀る声が聞える
県内で新型インフルエンザの感染者がはじめて出たと報ずる
わが県のインフルエンザ報道に東京の子が電話をよこす
5月27日(日)
波の間に浮びていたる流木が渦にもまれて立ち上がりたり
おれのごとなってみろよと言うごとく杉一本が真直ぐに立つ
苦しいか歌を作らん嬉しいか歌を作らん作りて生きん
真直ぐに伸びてる杉に立ち向かい絵筆走らす百歳の画家
友よりの手紙に書かれておりました猫のペテロの亡くなりしこと
5月26日(火)
韓国の大統領の自死の報なんと表現したらいいのか
再びの北朝鮮の核実験なんと表現したらいいのか
目に見えぬインフルエンザ蔓延をなんと表現したらいいのか
今出来るわたしが出来ることは何短歌を作ることしかないか
これからは親方として潮丸東関部屋を守っておくれ
5月25日(月)
半分に満たなかったが八つ手の葉いまはわが手の三倍近い
栗の花静かに咲けり六月がもうじき来るとふと思いたり
水田は変わらぬ空を映しいて飛行機ひとつ静かに進む
ぽっかりとひとつ咲きたるバラの花わが家の庭を明るく照らす
潮丸今場所限り引退し東関部屋引き継ぐという
5月24日(日)
潮丸今日は勝ったぞ頑張った粘りねばって今日は勝ったぞ
勝ち越した高見盛の一勝は貴重な一勝今日勝ち越した
灯(あか)りなく聳(そび)えるホテル数十の社員の命点(とも)りているや
新型のインフルエンザを防がんと皆で心を合わせ始めん
潮丸潮丸ああ敗れたり六勝八敗負け越しとなる
5月22日(金)
いやむしろ望むべきこと裁判員制度今日からスタートされる
与野党の区別なくみな結束し新型インフルエンザ防ごう
官僚を廃してほんとにやれるのか民主党をわれは買わない
小粒でもピカリ鋭い荒井さん民主党をもっとやっつけてくれ
変化せず真正面からぶつかって今日も敗れた高見盛は
5月21日(木)
潮丸今日も敗れて五勝六敗あと三勝だ頑張ってくれ
高見盛山本山に破れたりああ一勝だあと一勝だ
友愛の人がなにゆえ覇を競うそれをわたしは偽善者という
結束を説くなら小さな党内でなくて日本が結束しよう
日本を割ろうとしている民主党その考えは受入れ難し
5月20日(水)
国民が直接裁ける素晴らしさ裁判員制度われ賛成す
潮丸後ろ向きになりたるをあっという間に押し出されたり
高見盛土俵いっぱい押されるも今日はこらえて逆転をする
枇杷の実が色づき始む良いことが起こる予感を心に与え
わが歌集「わが家の天使」が読売の静岡版に紹介さるる
わが歌集「わが家の天使」に関してはすべて出版社に任せています
5月19日(火)
柿の木が目立たず花を咲かせるに今日のこの風あまた散らせり
梅の木が一生懸命育ておる実をこの風があまた落とせり
栗の木が花を咲かすと伸ばしたる芽を揺すりたりきょうのこの風
身をかわしああ!潮丸あっさりと土俵の外に押し出されたり
贔屓する高見盛に潮丸今日はともども黒星となる
日本もインフルエンザの感染者百三十五名になったと報ず
あじさいの青き花芽が出ているを今年初めて発見したり
三郎の薬の量がまた増えて昼も散歩に行かず眠れり
潮丸静岡出身高見盛青森出身東関部屋
5月17日(日)
友愛は融合なれば鳩山氏自民党との連立はどう
生みたての鶏卵(けいらん)ひとつ持つごとく危うき命はほのかに温(ぬく)し
風邪気味で体あちこち痛いのに歌が不思議と湧いてくるんだ
お二人のまず国家観日本観そんなところを聞きたいんだが
根無草国家になってはなるまいぞ国民の前にまずは国家だ
布団にて亀のごとくに引きこもる施設に戻るを嫌う三郎
戻らないつばめ待つかに軒下に背高くひとつバラが咲きたり
殻かぶり身を鎧うのか蝸牛(かたつむり)貝、蟹、亀に傘の三郎
友愛を真に説くなら早速に自民党との融合をせん
クリーンはいいのだけれど魚(うお)住まぬ川になっては生きてゆけない
5月16日(土)
夕方は寒くなりたり半そでの上に半纏(はんてん)見つけて羽織る
蜜蜂が見つからないと歎き言うこれも環境汚染によるや
蜜蜂は蜂蜜のみのためならず野菜の受粉に不可欠である
文学か文学以前か知らないがわたしは短歌を詠(うた)い続ける
一日に五首の短歌を作ることノルマと課してわたしは生きる
5月14日(木)
政治家よ何をなすべし世の中の安定こそをわたしは願うも
今は亡き師の沈黙に問いかけるわたしはこれでいいのでしょうか
海に向く師の奥津城(おくつき)に潮風が白砂あまた運びておらん
師を亡くし師の教えまで失(な)くせしか心こころと言いしことばを
5月13日(水)
棒切れを蛇だと思い飛び上がるまだまだ全身少年である
分からせる努力でなくてあくまでも自分の心に忠実にせん
黙黙とジャガイモの花咲いており地下塊茎(かいけい)も肥りておらん
「ご飯粒顔についてるよ」自分では気がつかないし分からないんだ
拳骨をしっかり開き八つ手の葉これでわが子を抱き締めるんだ
小沢党首辞任のニュース駅前で号外となり配られている
5月11日(月)
久々の山の駅には鶯が朝早くから鳴きとよみおり
偶然に電車で会いし歌友と話続けて静岡に着く
静岡県歌人総会歌会に夢中になりて時は過ぎたり
午後からは歌会そして懇親会9時半過ぎに帰宅するなり
急ぎたる甲斐はなかった子はすでに待ちくたびれて眠りていたり
肥るのは副作用なり癲癇の発作抑える薬増えたり
どじょうふなかめなどもいたふる里の川にいずれも姿消えたり
5月9日(土)
世の中は変えるのでなく変わるのだ変わっていくんだ変革ではなく
世の中の変革よりも何よりも自分自身が変わる変われる
イギリスの真似をしたってしょうがないもっと日本を見直さないか
自民とか民主とかではないだろう地球にとって何が出来るか
確実に地球がおかしくなりそうだ自民も民主もないじゃあないか
草を刈ることを忘れて空漠な空想に時過ぎてしまえり
5月8日(金)
キリストを一人頼みて生き行くか世の万人に見捨てられても
愚かでも裸でもよし一心に信じてゆけるものがあるなら
水を張る田に映れるは無音にて今移動する飛行機ひとつ
国のため純となりたる若者をわれは決して軽視をしない
この雨に打たれながらも懸命に咲いているんだ意志を持つごと
もの言えぬもの蔑(さげす)むなこの花のこの美しさどうなんだ君