KAZU中西のアメリカ武者修行
8月20日(金)晴れ
とりあえず西へ西へと進む。I10Southは森の中を走る高速道路で、動物の屍骸がやたら路肩に落ちている。本当なら海沿いの道を走りたいところだが、メキシコ湾に巨大HURRICANEが発生しているので、それを避けるように走る考えだ。 とにかくひたすら走り、Alabama州のMobileに到着。ここは昔からの軍港らしく、戦艦が停泊していたりする。今日はここで泊まる事にしてモーテルを探しチェックイン。
街の雰囲気は東名の浜名湖辺りを想像して欲しい。モーテル近くのGAS兼FoodShopに行き、酒と水をキャッシャーに持っていき、フォンカード(テレカ)を頼むと、かなりおうへいな態度で「使い方知ってるのか?」「未成年が酒買うのか?」と言われた。
仕方ないのでパスポートを見せると、「これは本物か?」と言っている。さすがにムカついてきた俺は、思わず「ファック オフ!!」と言ってしまった。他の客もさすがにこの問答に気が付いたらしく、こっちを見て静まり返っている。「全部で37ドルだ」と言われたので、
「40ドルだ。釣りは要らん」と言い、とっとと店を出た。まぶたにピアスしてるクソガキ(女)に未成年扱いされたかねえや。
#本日の走行 300mile
8月22日(日)晴れ
たまには下道で走るかと、US45を北上してみる。Mississippi州に入ったところで、US80Westに乗るつもりだったが、ここで問題発生。道の分岐で表示板が見当たらない。おかげで、Meridianつう街をぐるぐる回ってしまった。どうやら迷ったようだ。 仕方ないので「野生の感」で方向を決め走り出すと、なんとかUS80Westに復帰できた。しばらく走っていくとUS80が自動的にI20Westになったので、あえて逆らう事はせずそのまま走り続けた。
Mississippi川を渡りLouisiana州に入ったので、今日はTallulahつう街で泊まる事にした。本当はもっと走れたんだが、HURRICANE「Breat」が近くにいるので、慎重に行かないと巻き込まれるしね。
#本日の走行 300mile
8月23日(月)晴れ
今日はUS80とI20を使ってTexas州入りを果たす。走行中の気温は43℃と激暑で、もう汗だくって感じだ。夕方にはDallasの街に入ったので、環状線や下道を走りまわってみたが危険そうな所は見受けられなかった。
(アメリカに慣れてきたのかな?)そろそろタイヤがヤバくなっているので、この辺で交換するかとネツトに接続出来るモーテルを探しチェックインした。部屋に入ってバトルスーツを脱ぐと、むわぁんと汗臭くて仕方が無い。
ならばこうするのみだと、バスタブにお湯を張り、掟破りの皮ジャン洗浄をする。「縮むかもなぁ」なんて考えたりしながら、臭いよりはマシだと自分に言いきかせながら、洗剤を使ってごしごしやった。明日、どの位縮んでいるかが楽しみだぜぃ。
#本日の走行 300mile
8月24日(火)晴れ
昨夜の内にDallas近郊のKawasakiディーラーを調べて、その中でも3件をピックアップしておいた。今日はその3件を回ってタイヤの交換をするのが目標だ。先ず、一軒目。「Kawasaki City of Dallas」に行ってみる。 すると、タイヤは在庫してるが、メカニックが病欠してるので、交換は出来ないと言われる。そりゃあ駄目だわと次の店へ。今度は「Powerhorse Kawasaki」に行ってみるも、ここは在庫がないと言われた。 そんじゃあ3件目に期待だなと、お隣の街FortWothにある「Kawasaki West」に行ってみる。途中気温が45℃になりかなり辛かったが、ここで負けたら日本男児の名が廃ると気合で走り続けた。
店についてから早速タイヤの事を聞くと、「もちろん。交換できるよ。他は良いのか?」と言われたので、「オイル交換もやってくれ」と頼むと、「3時間程掛かるが、待てるか?」と聞かれたので「もちろんだ。やってくれ」と作業を依頼した。 ここは600坪くらいの店で、単車自体の在庫やパーツの在庫も多く、暇つぶしには丁度良かった。作業も無事終了して代金370ドルを支払い、店を出ようとすると担当してくれたメカニックが「このタイヤはCONCOURSとマッチングがいいはずだ」と言っている。 「???」と思いタイヤを見ると、フロントタイヤがOneサイズ細くなっていた。どうせ在庫が無かったのだろうと思ったが、特に気にすることも無く「Thank you Men」と言い、店を後にした。モーテルに向かいながらハンドリングを試すかと、 ちょっと飛ばしぎみに走ったが、確かに以前と比べて不自然な切れ込みが無くなっている。彼の言っていた事は本当だった。タイヤは太けりゃいいってもんじゃないね。
モーテルに戻ってからは無事作業が終わったお祝いに、近くのバーへ行ってみた。別に腹もへっていなかったので、Jimbeamのロックを注文する。BGMがメタリカだったのでウェイターを呼び、「他のBGMはないのか?ボン=ジョビとか」と言うと、
「昨日のサンダーストームで有線が壊れているので、明日は用意しとくよ」と言った後、「何が聞きたいんだ?」と聞いてくるので「ウォンテッド、デッド オア アライブ」と答えた。すると彼はいきなりさびの部分を歌いだした。これには俺も驚いたと同時に凄く感激した。
こんなノリが出来るアメリカ人ってやっぱり凄いと思ったね。(笑)
#本日の走行 300mile
8月25日(水)晴れ
今日は少しでもBIGBENDに近づこうと、とにかく走ることにする。だが、気温が45℃以上なので結果的には
#本日の走行 280mile
8月26日(木)晴れ
今日も前日同様、目標はBIGBENDだ。とにかくI35Southに乗りひたすら走る。途中からショートカットして下道を走り、I10Westに乗りFortstocktonに到着。とりあえず本日も問題なく走破した。
#本日の走行 400mile
8月27日(金)晴れ
いよいよBIGBENDが近くなってきたぜぃ。FortstocktonからはUS385をひたすら南下すれば自動的に着くはずなので、コースを考える心配も無くひたすら走ればよい。50mileほど走ったところで一服する為に停止してみる。 エンジンを止めると風の音しか聞こえない。辺りは先が霞んで見えるほどの平原で、その先には岩山がそびえ立っている。ここで初めて「Texasに来たなぁ」と実感する。
更に70mile程走ると気温が下がってきた。標高は2000メートルくらいか。周りは岩の壁に囲まれている。月夜の晩がとても似合いそうな場所だが、ピューマやガラガラヘビが生息しているとの事なので、夜に来るのはやめておこう。 でも、ここBIGBENDは俺的に1番見たかったアメリカを見せてくれたので、背筋がぞくぞくするほど感動したぜぃ。
しばらく景色を堪能したあと、別のルートでBIGBENDを後にした。帰路は道が適当に曲がっていて、制限速度も70mileと下道にしては高めの設定だった事もあり、久々のワインディングロードを楽しませて貰った。
そして今日はふもとの町、Alpineで泊まる事にした。小さい町で遊ぶ所など見当たらないが、いかにもアメリカ南部の町って感じでとても気に入ったので、連泊でモーテルにチェックインした。
#本日の走行 280mile
8月28日(土)晴れ
今日はモーテル近くのCowboyグッズの店に行ってみる。店のオーナーらしき人に「Cowboyみたいな格好がしたいんだが」と言うと、快く「o.k.」してくれて、Hat、チンクス(チャップスの短い物)、スパース(拍車)、
シルバーのバックルのついたベルトを選んでくれた。この店は土産物屋ではなく、本物のCowboyの作業着と道具屋として営業されているので、とてもリアルな商品が並んでいる。馬の鞍や鞭も多数置いてあった。「後はCowboyが着ているデニムを身につければ、
君もそう見えるよ」と言われ、道路反対側のデニム屋に行ってみる。ここでも同様に「Cowboyみたいな格好がしたいんだが」と言うと、オーナーの娘さんだと思うが、「私にやらせて」と奥の方から出てきたので、任せてみる事にした。
彼女は若い頃の「ソフィー=マルソー」似の小柄な女の子で、俺的にも悪い気はしない。選んで貰っている間、「何処から来たの?」「なに人」「学生?仕事で来てるの?」「何歳?結婚してるの?ステディは?」と正に質問攻めだ。
あまりの早い質問ペースの為、1つも答えられないままお礼を言い店を出た。
#本日の走行 10mile
8月29日(日)晴れ
とても名残惜しいが、今日はTexasからお別れする日だ。朝8:00に出発し、ST118を北上する。1時間ほど走ると、I10に合流したので、ひたすら西へと進む。数時間後ElPasoを通過し、I25Northを走る。
この辺りからはNew Mexico州となり、次の目的地Albuquerqueまではひたすら北上する事となる。Socorroを通過する辺りから、妙な横風を感じるようになり、時折車体が大きく流される事もあった。もしやと思い、周りを見渡してみると、
右側に竜巻が発生していた。これに巻き込まれてはたまらんと、中腰でステップに踏ん張りながら、ひたすら前へと走り続けた。気合を入れて走り続けた結果、Albuquerqueまでやってきたが、まだ竜巻から逃れたとはいえない状況だった。
風で振られる車体を押さえ込みながら、更に北上するとSanta Feまで来てしまっていた。ここまで来た所で夕暮れとなり、1泊する事にした。
#本日の走行 520mile
8月30日(月)晴れ
今日はMonument valleyまで行ってみるつもりだ。近くにはFourCornerもあるので、COLORADO経由、ARIZONA入りを考えた。US84からUS160に入り、順調に走っているとかなりの数のオートバイとすれ違った。 知らない土地で知らない単車乗りなんだが、ハンドサインを交わすと連帯感が生まれてくるのが不思議だった。このルートは長野県の蓼科あたりに似てるかな?
その後US160West上でトラック横転事故が発生していた。この影響で迂回せねばならず、結果的に道に迷ってしまった。とりあえず方位磁石をたよりに西へ南へと走っていくと、New Mexico州に戻っている事に気が付いた。
そこが何処かさえ解かれば、地図で確認するだけなので一安心だ。US64からUS160を目指し走っていると、またもやサンダーストームが発生していた。景色を眺める余裕などないまま、強風と雨の中をひたすら前へと走り、
18:00頃にはARIZONA州Kayentaに到着。今日はここに泊まる事にした。
#本日の走行 420mile
8月31日(火)晴れ
今日はMonument valley観光とたまっている洗濯物をやっつける日だ。US163を10分くらい走ったところにビジターセンターがあるので、とりあえずそこへ行ってみる。センターの周りには観光ガイドの受け付け小屋が20件強立ち並んでいて、 ここでガイドを選んでジープやトラックまたはバスを使ってValley内を案内してもらうSystemだ。CONCOURSでも行けそうな気がするが、ここはガイドさんに頼る事にする。25ドル払ってフルコースの案内をお願いする。ガイドはTomeさんだ。 彼は俺を見るなり、「ナバホインディアンか?」と言うので、「No I‘m Japanese」って答えると、「俺たちと同じに見える」と言われ、周りにいた他のガイドたちも大爆笑だ。彼らはネイティブアメリカンだが、俺は母方の先祖がアイヌなのでさしずめネイティブジャパニーズってところかな。 とりあえず彼のシボレートラックで案内して貰うも、例によって英語が解からない俺には、何を説明されているのかさっぱりだ。ただ、大きな岩のことを「メサ」と呼び、自分たちナバホインディアンの事を「デッネ」と呼ぶと言う事は解かった。すれ違う他のガイドから「デッネ?」と指差されるので、 「そうだ」と言っておいた。ここはアメリカでも有名な観光地なので、日本人観光客も多い。その日本人からも、「Can you speak Japanese?」と訊ねられるので、悪戯が大好きな俺は、「No I'm Sorry」と言って返すと、「日本人じゃないんだって」と話している。 これは非常に面白い。格好がTexas仕込のCowboyスタイルだから、余計日本人に見えないんだろうな。
約3時間の観光を終えてモーテルに戻り、午後はひたすら洗濯だ。街のランドリーに行き、洗濯を始めてから10分後、外は物凄い砂嵐になっていた。ランドリーの従業員に尋ねると、どうやらサンダーストームらしい。風によりどこかの家から飛んできた雨どいが、
車のフロントガラスを割ってしまったりつう状況なので、日本の台風くらいの規模か?その後は大雨と落雷に変わり、さらに外へは出れない状況が続いた。2時間ほど洗濯しながら雨宿りしていると、少し雨が弱まったので、一気に宿まで戻った。洗濯しに行った意味が無かったな(笑)。
#本日の走行 230mile
9月1日(水)晴れ
今日はPageまで移動する事にした。ここからの距離もあまり無いので、(130マイル)淡々と走る。途中標高が高くなってきたのか、少し肌寒くなって来たが、バトルスーツを出すのも面倒なので、そのまま走ることにした。
その後何事も無くPageに着き、モーテルを探してチェックインした。
#本日の走行 130mile
9月2日(木)晴れ
今日はGRAND CANYONのNorthRimに行ってみる事にした。距離はここから往復260mileと近いので、気負わず出発する。途中の道の雰囲気は、麦草峠みたいに曲がりくねっていて、久々に楽しませてもらった。途中、ハーレー、アフリカツイン、 BMWなどを軽くパスしてひたすらGRAND CANYONの表示板の指す方向へ進んだ。NorthRimまであと40mileというところで、雲の流が早くなってきて、なにやらサンダーストームの予感がしてきた。巻き込まれてはたまらんと先を急ぐ事にする。 NorthRimのロッヂに到着し、そこからは歩いてビューポイントまで移動した。5分ほど歩くと視界がぱぁっと開け、ついにGRAND CANYONが姿をあらわし、あまりの壮大な景色に思わず「うぉぉぉっ」と唸ってしまった。何故、みんながココへ来たがるかが、解かるような気がする。
その後は天候の心配からさっと戻る事にして、駐車場に行くと、先程ぶち抜かしたアフリカツインのライダーが挨拶してきた。「付いていこうとしたが駄目だったよ」と言っている。そりゃそうだよ。Kawasakiの単車に日本人が乗っているんだから。 ツイスティーコースは得意だぜぃ。帰りは行きと同じ道なので、先程よりペースアップしてモーテルに戻った。部屋に戻ると肩の痛みがひどくなっている事に気が付いた。左腕が回せない障害を持つ俺は、肩から手首までを回さなければならず、この影響が今ごろ出てきたのだろう。 でも、ここでCONCOURSを置いて帰る訳にいかないしね。もう少し頑張るか。
#本日の走行 260mile
9月3日(金)晴れ
Northは行ったので次はSouthだと、Flagstaffを目指して出発。距離は200mile位しか無いが、左肩が痛くて腕も上がらなくなってきた。US89Southでひたすら南下していくと、スピードリミットが75mile〜35mileの間でめまぐるしく変わる。
「肩がいてぇなぁ」なんて思いながら走っていると、後方でパトカーがフラッシャーをたいていた。なんだろうと思い停止すると、警官が近づいてきて、「ライセンスプレートとIDを見せろ」と言っている。俺は書類一式と国際免許を出して彼に渡すと、「よし。こっちへ来い」とパトカーの方へ連れて行かれた。
スピードガンを見せられ、「解かるか?」と言われたので、「Yes」と答えると、書類を見せられた。Warningと書いてあるので、「警告書」だなと思ったが、その他の意味は解からなかった。「Sorry I Can‘t Speak English Well」と言うと、「大丈夫。
日本語話せるから」と返された。こりゃ観念するしかねえかと、書類にサインすると、「Slow Down」と言われた。「Yes I do」と言うとニコニコしながら彼はUターンして去っていった。その後は無事Flagstaff入りするも、肩の痛みが最高潮に達していたので、2,3日様子を見ることにした。
#本日の走行 200mile
9月4日(土)晴れ
肩の痛みは未だ取れないが、なんとか運転は出来たので、オイル交換をしに近くのKawasakiディーラーに行く。30分ぐらいで終わったので、次はプラグ交換でもするかと、AutoパーツShopへ行き、工具とプラグを買い込む。
今日はこれ以上のライディングは無理と判断し、大人しくモーテルに戻ることにした。
#本日の走行 不明
9月5日(日)晴れ
未だ肩の痛みが取れないので、プラグ交換でもするかと、サイドカバー、タンクを外す。エンジン自体はGPZ1000RXやZL1000と同じなので、2番と3番のプラグを外す為にコイルを外すと作業が早く終わるのは結構知られていることだろう。「急がば回れ」ってやつだな。
30分程で作業が終了できたので、飯でも食いに行くかと、モーテルに案内があった中華料理屋に行ってみる。ShrimpFriedRiceを注文すると、エビチャーハン(400g)が出てきた。あまり大食いじゃない俺は7割くらいを食べて店を出た。 一服しながらバーロック類を外し、アラームを解除しエンジン始動。犬の散歩をしていた男性から「いいバイクだね。俺もバイク乗ってるんだ」と声を掛けられた。「Thank you」と言い、シートに跨りスタートするといきなりフロントタイヤがロックした。 「???」と思ったまま俺は斜め前方に放り出され、俺の上にCONCOURSが降って来た。すると、先程の彼が助けに来てくれて、さくっと単車を起こしてくれた。彼は270kgもあるCONCOURSをいとも簡単に起こしてしまい、「これが原因だよ」とDiskロックを指差しておしえてくれた。 そういやぁ、Diskロックは外して無かったわ(苦笑)。
俺は何度もお礼を言い、モーテルに戻る事にした。途中でブレーキのタッチがおかしかったので、戻ってから確認してみると、キャリパーが割れていてディスクRotorも曲がっていた。体も単車もぼろぼろではとてもGRAND CANYONSouthRimまで行くのは無理と判断し、 今回は断念することにした。
#本日の走行 不明
9月6日(月)晴れ
とりあえず状況を改善するべく、友人ShogoのいるPHOENIXまで行く事にした。フロントブレーキが使えない状況から下限速度ギリギリで走り、PHOENIXに到着。体を休めるのと単車の修理の為、しばらくここにやっかいになる事にした。
#本日の走行 200mile
9月7日(火)晴れ
Shogoとブレーキ修理の件について話し合い、どうせ治すならグレードアップしたパーツを組もうという事になる。それではとShogoが世話になっているShop「APACHE」に行き、事情を説明。頼んだパーツはPerformanceMachine社のフロントブレーキSystemだ。 後は部品が来るまで彼の家で大人しくしていることにする。早く治して、出発したいぜぃ。
#本日の走行 不明
9月8日(水)〜9月27日(月)
この間体を休めながらパーツの納品を待った。しかし、2日で納品されるはずが1週間後になり、(9月14日)その日にShopへ行くが未だ来ないと言う。PM社は何をやっているんだろう。スタッフが直接問い合わせると、「今から作る」との事。これには流石の俺も呆れ果てた。 在庫が無いならはじめっから無いって言えよ。インターネットのHPではしっかり宣伝しているのにな。あと1週間待ってくれとの事だったので、仕方なく待ってみる事にした。
その間Shogoの家に居候していて、MBAの勉強の為サンダーバードに行っている彼の邪魔になっているのではと気を病んでいたが、それを察したのか、「今週末の日曜日に、ダートでも走りに行くか?」と言ってくれた。日本にいる時、一緒に走りまわっていた親友とはこういうものなのだろう。 彼と彼の友人「ケント」と一緒にケントの友人「アンディ」の住むPrescottつう街へ行った。アンディはPrescottでバイク屋を経営しながら、国立公園の管理人もしている人物だ。4人でその公園に行ってみると、ATVやトレール、トライアルバイクを使って遊んでいる人たちがいた。 ここはそれらの物で走り回って遊べる場所だとアンディは言う。アンディは日本人向けのオフロードツーリングツアーを企画しているとの事で、それではと彼のバイクを借りてコースを走ってみる事にした。
アンディはKDX、ShogoはXR250、俺はXT600でコースインする。コース自体もアンディがプロデュースしているので、難易度も簡単に変更できるとの事(ダートだけで300mile以上のコースも組めるらしい)。今回は中級コースにチャレンジしてみた。 走り出してみると、富士山麓の林道に雰囲気が似てる感じがして、大自然を感じながら走るアメリカのダートは、「単車乗りでよかった」と感動させるものだった。俺は肩の事もあったので1周しかしなかったが、Shogoは何度も走っていた。遊んだ後はアンディ特製のバーガーで昼食。 大自然の中で食べるバーガーもまた格別だ。日本の林道ツーリングでは味わう事の出来ない、貴重な体験をさせて貰ってとても嬉しかった。
数日後、PM社のパーツは結局納品される事は無かった。俺はフロントブレーキをシングルキャリパー仕様に応急処置して、旅立つことにした。
この間、俺もすっかり仲良くなったケントの家にディナーに呼ばれてShogoと行ってみると、どこかで見たような単車が置いてあった。近づいてみるとKZ1000STじゃないか。Mufflerはバンスのドラッグ管がついていて、ハンドルもコンチネンタルのショートタイプになっていたが、 錆びなどなくとても綺麗な単車だった。俺がまじまじ見ていると、「KAZUなら1000ドルでいいよ」と言うので、思わず買ってしまった。これでまたアメリカに来なけりゃならなくなったな。
#この間の走行 不明
9月28日(火)晴れ
早朝、Shogoに礼を言い、Arizona州を後にする。I10からST85を南下して、I8WestでCalifornia州San Diegoを目指した。相変わらず気温は40℃位だったが、もうすっかり慣れてしまったので淡々と走った。 California州に入りしばらくすると、突然四方が砂漠になった。「おおっ、本物の砂漠だ」と何故か感動。日本の砂丘とは偉い違いだぜぃ。その後は峠越えをして、無事San Diegoに到着。ミラマー海軍基地近くのモーテルにチェックインする事にした。
明日は基地へ行ってみよう。
#本日の走行 不明
9月29日(水)晴れ
今日はミラマー海軍基地に行ってみる。「TOPGUN」好きなら誰でもやってみたいと思う、滑走路を戦闘機と平走にチャレンジしたかったが、「希望には答えられない。ごめんね」とあっさりシャットアウト。そりゃそうだよな、軍事基地だから(苦笑)。
それではヤシの木が生えている道でも走るかと、CoronadoBeachへ行ってみた。Beachに着いて海を眺めながら、「この海の向こうに日本があるんだなぁ」と柄にも無くSentimentalな気分になった。
その後はKawasaki Motor Cop,USAにお邪魔することにした。I5Northを走り、Irvineに行きKawasaki Motor Cop,USAに無事到着。ここはオフィスなので、Lincolnの様に見学する所は無いが、 お会いした日本人staffがとてもよくしてくれて、尚且つ話が面白かった。オプションパーツの企画なんかもココで行われているとの事で、現行の北米仕様のKawasaki車を駆る単車乗りには気になる所だろうぜぃ。ちなみに内容は極秘なので見る事は出来なかったがな。
その後はRedondoBeachまで北上し、1泊する事にした。Kawasaki Motor Cop,USAを訪れることが出来、俺の心の中ではアメリカ1周は終了した。その走行距離は12700mile。CONCOURSよ。本当にご苦労だった。
#本日の走行 不明
9月30日(木)晴れ
今日は少し北上したところにあるロサンジェルス国際空港側のNippon Express USAに行き、愛機CONCOURSを日本に持ち帰る手続きをする。担当してくれたジェリーさんは見た目はバリバリのアメリカ人だが、日本語がとても上手くてびっくりした。 おかげで、手続きもスムーズに行き、CONCOURSを引き渡した。その後ジェリーさんに「San FranciscoまでRent-a-carで行きたい」と言うと快く承諾してくれて、空港側のバジェット社まで連れて行ってくれ、借りる時の手続きまで手伝ってくれた。 ジェリーさん、ありがとう。次回俺がアメリカに来た時は、是非飲みにいこうぜぃ。俺はRent-a-carを受け取ると、LOS ANGELES観光もせず、ひたすら北上してKingCityで泊まる事にした。
10月1日(金)晴れ
朝1番でJALのアメリカオフィスにリコンファームの電話をいれる。「5日のJAL2便ですね。」と確認後、「もっと早く帰れる便に変更できますか?」と言うと「それでは2日のJAL43便はどうですか?」と言われたので、「それでお願いします。」と予約の変更完了。 早く日本に帰れる嬉しさから、San Francisco目指しUS101を北上。とりあえず空港のRent-a-car Returnに車を返して、JALの空港カウンターへ行ってみる。
「明日の43便に乗るんですけど、今日泊まれるホテルは探せますか?」と聞くと、すぐに問い合わせの電話をしてくれて、無事HOTELも確保出来た。空港からHOTEL NIKKO San Franciscoまではタクシーで移動。
ここがまた、素晴らしい眺めのHOTELでアメリカ最後の夜にふさわしい内容だった。この時こう思ったね。「JALは偉い!!」
#本日の走行 不明
10月2日(土)晴れ
いよいよ日本に帰る日がやってきた。7月17日〜10月2日までのちょっと長い旅だったが、いい事も悪い事も含めていろんな体験が出来て、俺的には満足している。初めは英語が話せないのに大丈夫かと少し心配もあったが、必要に迫られれば多少は話せるようになるし、
テレビや映画で見ていたアメリカと実際のアメリカの違いが肌で体験出来たのは、何より良い勉強になった。どうせ1度の人生ならば、こんなチャレンジをしてみるのも悪くないんじゃないかな?そして俺的に学んだ重要な事は「出来るか出来ないかを悩んでいるなら、
自分を信じてやってみようぜぃ」って事だ。
なぁに、大和魂があれば大丈夫さ。