*さ行*

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・さーまるしきいんじ【サーマル式印字】
印刷式券売機券の印字方式の一つ。
感熱紙を使用した券紙を高熱で発色させる方式。現在の券売機券の大多数はこの方式である。

・さんしゃれんらくけん【三社連絡券】
他社線との連絡乗車券の中でも、三社以上にまたがって発行される乗車券を指す。
阪急・阪神〜神戸高速〜山陽・神鉄間の三社連絡、京急〜都営〜京成〜北総〜公団間の五社連絡(下段左)などがある。
下段中央は国鉄→小田急→相鉄、下段右は西武→国鉄→東急の三社連絡券。

・さんせんらんらくけん【三線連絡券】
→さんしゃれんらくけん

・じあぞしきいんじ【ジアゾ式印字】
印刷式券売機券の印字方式の一つ。
感光紙(ジアソ紙)を使用した券紙に現像液を塗布した印面を押しつけ、外光に当てることによって発色させる方式。黄色地紋(どちらかというと券紙全体が黄色)が大きな特徴である。
国鉄では昭和44年8月から試用されたが、コストが高かった為3年ほどで消滅してしまった。

・じっけん【実券】
(1)実際に使用(乗車)された切符を指す。収集用に購入したものと区別するために呼称される。

(2)廃札に対し、窓口等で実際に発行された切符を指す。無日付で発行された切符を呼称する場合が多い。

・じどうけんばいき【自動券売機】
一般に券売機と呼ばれる。常備硬券・軟券を発売するものと、発売の都度印刷するもの(印刷式券売機)がある。

・じもよう【地模様・字模様】
→じもん

・じもん【地紋・字紋】
偽造防止のために券紙に淡色で印刷されている紋様をさす。かつては地紋の色で等級・有効期間等を表していた。
(三等級制時代であれば、一等「黄地紋」二等「青地紋」三等「赤地紋」となっている)
紋様も様々で、鉄道省(JGR)・国鉄(JNR)・JR・私鉄(PJR・自社名・自社紋)など多彩である。
また、紋様が無く単色で着色された券は「ベタ」と呼ばれ、紋様・着色共に無いものは「無地(紋)」と呼ばれる。
→べた

・しゃないかたみちじょうしゃけん【車内片道乗車券】
主に無人駅から乗車した乗客に対し、車掌が発行する切符。大型の軟券が使用され、一覧表になっている着駅・発駅・金額の欄に入鋏して発行する。
非常に種類が多く、発駅・着駅が固定の様式や往復乗車券用の様式もあったが、現在は機械発券になり車補との明確な区別はない。

・しゃないほじゅうけん【車内補充券】
「特別補充券」の一種で、特に車内で発行されるものを指す。一般用(手書きで記入する汎用の物)・特殊区間用(入鋏して使用、地図式はこれに当たる)など数種の様式がある。
現在は機械発券になっているため、車片との明確な区別はない。
→とくべつほじゅうけん

・しゃへん【車片】
車内片道乗車券の略称。
→しゃないかたみちじょうしゃけん

・しゃほ【車補】
車内補充券の略称。
→しゃないほじゅうけん

・しゅっさつほじゅうけん【出札補充券】
「特別補充券 一般用」の一種、出札窓口で使用される補充券。改札補充券とはほぼ同様式にあたる。
性質上、長距離乗車券・往復乗車券等に使用されることが多い
→とくべつほじゅうけん

・しゅつじょうけん【出場券】
→せいさんけん

・しゅっぽ【出補】
出札補充券の略称。
→しゅっさつほじゅうけん

・じゅんかんふごう【循環符号】
硬券の券番が何周したかを示す番号で、券番が一周し「10000」から「0001」になると番号が一つ上がる。
古くは(い)(ろ)(は)が使われていたが、大抵は数字が一般的で「1」〜「50」(50を越えると1に戻る)までが使用される。
赤矢印部分が循環符号で、左は符号に「いろは」が使われている様式、中央は表面に有る様式、右は仙台印刷場に見られた大型の循環符号である。
→けんばん

・じゅんかんじょうしゃけん【循環乗車券】
発駅から発駅まで一筆書きの様に復乗せず一周する乗車券のこと。
一見、無意味にも見えるが遠距離逓減制の関係上、単純に往復するより安く上がるため使用される事が多い。
都区内→都区内(下左)、弘前→弘前(下中央)、青森→青森(下右)、金沢→金沢、京都→京都等の区間で常備券も存在している。
→えんきょりていげんせい

・じゅんじょうびけん【準常備券】
常備券として常備するほど販売実績は無いが、補充券類で対応するほど少なくはない区間・経由・列車等に使用する券。
その中途半端さ故に現在では設備する駅は少なくなっている。

(1)乗車券の場合、着駅と金額が列記してあり、発売する際に任意の場所を切断し使用する(最下段が着駅となる)。
準常備乗車券の場合、希に着駅がが固定で、発駅が列記されている「発駅準常備券」と呼ばれる様式も存在する。
下左はA型券、中央と右はD型券が使用されている。

(2)料金券の場合、キロ程や金額が列記してあり、発売する際に任意の場所を切断し、発駅着駅等を記入して使用する。
殆どの場合がD型で横向きだたが、稀に縦型(上段左の準急行券)も存在する。

・じょうきゅうへんこうけん【上級変更券】
特別補充券の一種で、車内・連絡船内等で上の等級に変更する際発行される。
車内用は「車内上級変更券」と称した軟券だが、連絡船用には「連絡船内上級変更券」と称した常備硬券も存在している(下の券)。
モノクラス制の際に廃止された。
→とくべつほじゅうけん

・じょうしゃせいりけん【乗車整理券】
(1)昭和47年に「発駅着席券」を改称した制度。昭和51年に旅規から削除された。
→はつえきちゃくせきけん

(2)ライナー券の正式名称。昭和59年に上野〜大宮を回送される「あさま」のグリーン車を使用したのが始まり。
前述(1)とは異なり、規則上「料金券」に分類される。

・しょうにだんせん【小児断線】
甲片と乙片(小児片)の境目にある線。この線に沿って切断される。(赤丸内が小児断線)

・しょうにだんぺん【小児断片】
→おつへん

・しょうにへん【小児片】
→おつへん

・じょうしゃけんへいようにゅうじょうけん【乗車券併用入場券】
昭和48年8月の規則改正により乗車券を入場券の代用とすることが認められ、発行された券。
初乗りの乗車券と併用の券で一時は全国各地で見られたが、次第に減少し現在では発行されていない。
又、国鉄では北海道のみで硬券が使用されていた。

・じょうしゃけんいんさつはっこうき【乗車券印刷発行機】
窓口で係員が操作し各種の乗車券を発行する装置を指す。通称「印発機」、現在のマルスの前進である。
国鉄では昭和37に登場し、当初が硬券に印刷していたが不具合が多く、翌年に一旦消滅する。
昭和39年に大型軟券(現在の定期券サイズ)を使用した物が静岡駅で試用され、その後全国に広まった。
全てが機械式で、印板を使用し印刷しているためキレート式券売機券のような印刷となっている。
さらにこの装置は定期券用と乗車券用が別々であったため、熱転写式の「定期券乗車券併用印刷発行機」が登場すると、急速にその姿を消していった。
→ていきけんじょうしゃけんへいよういんさつはっこうき
→まるす

・じょうしゃえきしょうめいしょ【乗車駅証明書】
無人駅や時間帯で駅員を配置する駅で乗車したことを証明するために、主にホームの発券機で発行する券。
又は、券売機故障等及び当該列車発車直前で正規の乗車券が発行できなかった場合に頒布される。
駅・会社により名称が様々で、「無札証明」「無札の証」「乗車証明」などとも呼ばれている。また、常備硬券(下中央)や常備軟券(下左)を使用している場合がある。

・じょうびけん【常備券】
発駅・着駅・金額等が予め印刷されている切符を指す。また印刷式券売機券も常備券に分類される。

・じょうびなんけん【常備軟券】
都度機械によって印刷される印刷式券売機券や印発券・マルス券に対し、予め印刷場や民間で印刷されており窓口等で手売りされる軟券を指す。

・じょうにゅうへいようけん【乗入併用券】
→じょうしゃけんへいようにゅうじょうけん

・すみいんくしきいんじ【スミインク式印字】
印刷式券売機券の印字方式の一つ。
もっとも古い方式で、券紙(普通紙)にインクを付けた印面を押しつけ印字する。
インクが乾ききっていないと乗客の手が汚れる為、苦情が多かった。

・せいさんけん【精算券】
精算窓口で乗り越し精算した際に発行される券。名称も様々で「精算出場券」「出場券」「精算済みの証」などと呼ばれている。
様式・材質は券売機券・レシートタイプ券(下左)の他、硬券(下中央・右)・プラ板なども存在する。
精算窓口から改札口までと乗客の所持期間が短いため、硬券・プラ板の券はリユースされていることが多い

・せいさんしゅつじょうけん【精算出場券】
→せいさんけん

・せんじとくべつうんちん【戦時特別運賃】
昭和19年4月1日に制定された運賃制度。太平洋戦争の激化に伴い軍事費の捻出策として通常運賃率に加算されたもの。
2等運賃は3等の3倍、1等運賃は3等の9倍と法外な賃率設定であった。
特殊な賃率設定であった為、終戦後の昭和21年3月1日の運賃改正で廃止された。
特別運賃が加算されている乗車券には「特別運賃共」の表記が入っている。

・そうごしきじょうしゃけん【相互式乗車券】
→そうごやじるししきじょうしゃけん

・そうごやじるししきじょうしゃけん【相互矢印式乗車券】
乗車券の通用区間(有効区間)表示の一つ。片道乗車券二枚使用での往復乗車券として発行しやすい様式である。
昭和7年に矢印式に代わって登場した様式で、発行駅は時代・地域によって左右いずれかになる。
往復で発行するときは二枚発行し、各々に「ゆき」「かえり」(又は「往復」)のゴム印押して発行する。
また、一見往復乗車券に見える為、一枚で往復券と勘違いされることが多いが、実際に往復券で使用される場合は希有であり、使用されている場合でも往復乗車券と明瞭に解るようになっている(下段右)。
→いっぱんしきじょうしゃけん
→きんがくしきじょうしゃけん
→やじるししきじょうしゃけん
→りょうやじるししきじょうしゃけん



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