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今日の短歌NO.1
わたしの歌歴(後藤人徳)
以下に紹介します作品は、作ったばかりのものをそのまま書いています。推敲の手があまり入っていません。未完成の部分が多々あると思いますが、参考にしてもらえれば幸いです。...作者より
短歌は、三十一音からなる小さな世界です。その中に自分の思いを込めます。ですから、時間はなかなか織り込めない。今の一瞬、一瞬を歌うしかないのではないでしょうか。そう思います。また、そのように作っています。
平成20年今日の短歌NO.3 平成21年今日の短歌NO.1 平成21年今日の短歌NO.2
平成21年今日の短歌NO.3 平成21年今日の短歌NO.4 平成22年今日の短歌NO.2
短歌と私:高野公彦 田井安曇 五島美代子 五島 茂 岡野弘彦 田谷 鋭 塚本邦雄 土岐善麿 福島泰樹 前 登志夫 前川佐美雄 安永蕗子
短歌鑑賞:石川啄木(1) 大野誠夫 塚本邦雄 岡井 隆 前田夕暮 上田三四二(1) 上田三四二(2) 宮 柊二 斎藤茂吉(1) 斎藤茂吉(2)
斎藤茂吉(3)
3月21日(日)参考:日々の気持ちを短歌に(ブログ)
長き尾をふるわせて鳴くうぐいすの習性ようやく最近に知る
枝枝がうす紅色におおわれて日傘となれる木蓮大樹
先週も乗りし電車に熱海まで本読み過ごす景色見るなく
雨となる予報も朝は晴れわたり傘持ちくるを忘れてしまう
生活感なしと啄木が切り捨てし「太田」すなわち木下杢太郎
隣にて切符をさがす人おりてわれもあたふたさがし始める
3月20日(土)
畑隅に捨てられている大根に生き生きとして花が咲いてる
首の皮一枚つなぐ茎折れの水仙が花咲かせていたり
なにということもなけれど川岸にしばし佇み水を見ている
山の端(は)に今し夕日は入らんとしわが影長く対岸に伸ぶ
うす濁る淵の淀みにゆらめくは鯉であるらし大きなる鯉
3月19日(金)
霜をおく朝の鶏舎に取り上げし卵ほのかな温(ぬく)み持ちおり
うぐいすが庭に来鳴くをわが家の日課となして今日が始まる
わが庭に目白うぐいす目立てども雀このごろ姿が見えぬ
うぐいすは何食べおるや柿の木の枝に止まりてただ鳴くばかり
静岡の桜開花を報じおり昼寒々と家に籠れば
3月18日(木)
わが罪を負うて十字架に登りしとピエタの像の前に立ちたり
うぐいすが体ふるわせ鳴きており雀にまごう小さき姿
椿の木いまが盛りと咲きたれば目白が久しぶりに来ている
嘴を開いて餌を求むごと木蓮の花空に向き咲く
柿の木に新芽出ている風強きここにも春の確かな伊吹
わが里に一羽棲みつく白鷺がどこへともなく羽ばたいて行く
父親の酒飲む心理知らずして世の子供らも育ちゆくらん
3月17日(水)
少しだけ開きかけたる木蓮の莟も風雨に千切れ落ちおり
父母(ちちはは)が汗に拓(ひら)きし土地なるに今は獣の棲みかとなれり
にわとりがわれを呼ばわり鳴き叫び卵生んだと教えてくれる
午後からは冷たい風が吹いてきてまた寒々と冬に戻りぬ
たんぽぽの語感ぽかぽかした感じ春だ春だよタンポポの花
ようやくに染井吉野の枝枝につぼみふくらむ力みなぎる
3月16日(火)
うぐいすがわが家の庭に鳴き出せば近くの藪でまた一羽鳴く
小綬鶏(こじゅけい)がチョットコイチョットコイわが庭に春招くがに高鳴きくれる
小綬鶏が声を張り上げ呼ばうなりここだここだと裏山にいて
朝よりも花一段と開きたり薄曇る午後桃の明るさ
燦々と花開きたる木蓮よ春だ春だと叫ぶ花びら
枯草のなかにも青葉まじりおりここの荒れ野も春は来ている
旧約の代より流れて新約に至れる言葉は信ということ
わがいのち神にまかせて静かなり生くるも死ぬるも神のまにまに
3月15日(月)
木蓮は天に向いて花開き天の命を受け入れている
枝切りの過ぎしばかりに檜の木枯れはじめたり冬も枯れぬに
朝(あした)よりよく晴れし空長々と飛行機雲を浮かべ静まる
一夜にて木蓮半(なか)ば開きたりわが家の庭がぱっと明るい
桃の花スモモのはなが咲き出して確かとなれり春のおとずれ
3月14日(日)
強風に煽られながら白木蓮天に祈りの形崩さず
菜の花を河原に咲かせゆるやかに流るる川を立ちて見ている
黄の色は喜びの色満面に笑みを浮かべるたんぽぽの花
こんもりと剪(か)りこまれたる雪柳亡き級友の顔浮かびくる
雨続き久しぶりなり満開になりたる辛夷(こぶし)の木の下に立つ
農道を三十分ほど歩きたりただ木蓮を見たきばかりに
3月13日(土)
木蓮の花を狙ってひよどりが忍者のごとく身を隠しおり
桃の花一枝(ひとえ)ひとひらほころぶが初はつまごの顔となりたり
脱税王無駄遣い王嘘つき王裸の王様まだまだつづく
大声で何かを叫ぶ夢なれどかくすがしさを久びさ覚ゆ
日が延びて五時になれども西空が明るく里を見下ろしている
人間のこころの隙間をねらうごと健康食品パンフが届く
3月12日(金)
朝晴れの光のなかにキジの声ウグイスの声にわとりのこえ
今に来る迎えに来ると施設にて子は待ちおらんわれは行けぬに
(上記歌ある会に投稿する。題詠「待つ」)
二つ三つかたまり咲けるたんぽぽに離れてひとつ花をかかげる
久しぶり晴れたる空を眺めれば白雲さえも輝いている
春となる喜びの歌流るれいる浅瀬の水がかがやきながら
青空にある雲白くかがやけり光はすべてを喜びとする
桜桃の木は淡あわしさりげなく目立たぬ小さな花が咲きおり
3月11日(木)
十分に落葉を食べて太りたる大地の息吹がいま聞えくる
木蓮の頂(いただき)にある枝枝のつぼみは紫いろを帯おり
千の風に乗りて羽ばたく木蓮の枝先に咲く紫の花
木蓮の莟は天に向かいおり今静かなる祈りの時間
わたしには無限の富がねむってるここに心に広がる宇宙
朝(あした)より雉鳴く声に目覚めたり空くもりたる今日の始まり
寒くなる予報のもとに朝(あした)よりここにかしこにうぐいすが鳴く
花びらを土に付けいし水仙が一夜の内に首を上げおり
また冬に舞い戻りしや強風に吹かれてしばし歩み続ける
強風に揺れ動きいる竹群(たけむら)よ靡けずわれは佇みている
3月9日(火)
青曇る空のもとなる伊豆の朝今日の予報は雨なりという
木蓮の桃のつぼみがほころべば希望が胸に兆しふるえる
いずこにか隠れしならんうぐいすの今日の寒さに声聞えこぬ
ふせられて捨てられているボートあり底に大きな穴があいてる
制約があるゆえそこに自由ありこの理(ことわり)を短歌にて知る
3月8日(月)
小雨ふる山間の駅一人立つ冷たき風の吹き荒(すさ)むなか
乗り馴れし人にてあれば電車くる時を計りてホームに入り来(く)
「まもなく」とアナウンスあり白線の内外(うちそと)のことふと迷いたり
雨となる予報たがわず一望の車窓の景色濡れて光れり
三島にて東部歌会開催し選者のわれはマスクして立つ
3月7日(日)
二十五の子の髪洗い髭を剃るこの幸せを神に賜る
髪洗い髭そりてやるわが息子二十五歳の柔順なさま
うぐいすがわが家の庭に来たり鳴く今年ははっきり春を感じる
小雨降る庭がかすかに明るみて木蓮つぼみ二つか開く
木蓮のつぼみが二つ開き初め小雨の庭が明るく感ず
再生を信じる窓に光差し朝(あした)となりぬ「斜陽」読み終え
3月6日(土)
雨止みし朝の空気をふるわせて今年の初のうぐいすの声
笹藪(ささやぶ)の茂みあたりにうぐいすのしっかりしたる鳴き声がする
増水をしたる水面(みなも)をゆっくりと鴨一団が上りゆくなり
暖かきひと日(ひ)過ぎたり夜半(やはん)よりまた雨という天気予報は
一向に咳が止(や)まない薬飲み今日は早めに寝にゆかんとす
3月5日(金)
気管支の弱いわたしはたちまちに風邪に攻められ咳き込み始まる
完全に風邪ひきたらし玉子酒飲んで早めに眠らんとする
大学に合格したと義弟のこと喜び息子は電話してくる
国立の大学なので助かると同居の義弟を息子は話す
二十五年言葉持たずに暮らしおる弟のこと元気かと問う
弟が障害を持ち苦しむを遠く息子も思いいるらし
3月3日(水)
山焼きの煙のごとく遠山の山肌這いて霧立ち昇る
曇りたる空のもとにて寒々と歯科医院までしばらく歩く
だんだんに疑念湧きくるいつまでも終りが見えぬわが歯の治療
知恵熱と笑い言えども熱出(い)ずる孫のことなど気にかかりいる
永遠の真理をわれは詠み得るや日本(にっぽん)のこの小さき詩型に
一山(ひとやま)を越えたるここは伊豆下田河津桜が満開となる
ひっそりと咲く木瓜(ぼけ)の花その赤き赤き花とてひかえめにして
雨ばかり降る日のつづき屋根を塗るペンキ仕事が十日(とうか)も延びる
明日こそは晴れておくれと眺むれば約束手形のごとき夕焼
3月2日(火)
三月の一日(ついたち)の朝一面に靄がかかりて遠くが見えず
一面に靄がかかりてわが家も木々も覆わる忍びて生きん
もやのなか車のライト近づきてまた靄の中消えて行きたり
わが里はすっぽり靄におおわれて雉(きじ)小綬鶏(こじゅけい)の鳴くばかりなり
一面の靄の闇なり閉されて鳥目の鳥は鳴くばかりなり
久々の晴れ間の見える空となり北に流るる雲を見ている
踏まれても同じ野道に芽を出して今年も咲けるたんぽぽの花
2月28日(日)
真央でなくニホンに勝ったと韓国は喜びおらん何かかなしき
高台の小学校の校庭に山桜早や八分咲きなり
見渡せば河津桜がそこここに咲きてわが里春うららなり
幾千の椿の花の落ちている火炎の池に苦しむカニか
スケートの最終競技が銀メタル終りよければ全て良きなり
午後からは曇りというが一向に止みそうもない朝よりの雨
結社誌をやっと仕上げてクロネコに持って行きたり明日は三月
2月27日(土)
葬式も無事に過ぎたり涙雨静かに降りて梅の花散らす
葬式もフィギュアースケートも終わりたりどっと激しく涙雨降る
「真央ちゃんは何で二位ではいけないの」涙とまらぬ映像に言う
聴くことの尊きことを教えんと目つむり大きな耳持つ仏
戦いに敗れし思い内に秘め浅田真央はた阿修羅像立つ
2月26日(金)
わが里は空路であれば縦横に飛行機雲が空を切りおり
早朝の里の晴れたる青空に飛行機雲がただよっている
浪費せし時の証(あかし)が溜たり日々作りたるわれの歌屑
斎場で行う葬儀隣人の手間省けると口々に言う
さくら咲く日を病院の窓に待ち日々過ごせしや今日は通夜の日
玄関の脇に椅子置き道を行く人を眺めし日々もありたり
たんぽぽが咲き出したよと通夜の道ぽつりと言いて沈黙となる
2月25日(木)
生まれると生まれされるの違いありわれらは生まれされたる命
身動(みじろ)ぎをせずに水面(みなも)を見つめいる聖(ひじり)となりし白鷺
わが前を先立ち歩き行く影を神となりたるわたしが見ている
白々と枯れしススキは風を受けその影散す草草の上(へ)に
哀しみを滲じませ歩くわが影かしばし眺めて立ち止まりたり
氷上のリンクをひとり滑り舞ういずれも熱き血をもつ乙女
紅梅と白梅の精競えるは眼前に舞う真央(まお)と妍児(よな)なり
2月24日(水)
わが里は春のかすみにおおわるる神降り立てる朝の静けさ
雲のない昼の空には半月が待ちくたびれてかなしんでいる
夕焼けの焦げきわまれるもとにして救い求める雉のひと声
2月23日(火)
薄日差す遠山並みに霧かかり天城連山ヒマラヤとなる
幸せな人生だったまったくの個人一人としては思える
信ずるは口で唱えるだけなのか言葉話せぬ子は手を合わす
あわあわとうす桃色に梅が咲き春だはるだとささやいている
依存する体質ならばキリストに身も魂も捧げ尽くさん
歌会の歌評をしつつ予定とは逆の思いがひらめいて湧く
片思いしたるは中学二年ごろ半月いやにまぶしく感ず
2月22日(月)
張替えしトタンの屋根は真白(まっしろ)に霜の洗礼受けて静(しず)もる
霜置ける里の白さよしみじみと葛西選手の入賞祝う
これという取柄なければつくづくと職人の業(わざ)眺めていたり
何ゆえに目白同士がいがみあう霜に凝(こご)れる白梅にいて
早朝の霜置く道を霜まとい無人の路線バスが過ぎ去る
凍(こご)え待つ人はおらぬか霜置ける道を湯気たて路線バス行く
川べりの河津さくらを見る人の顔を見ている幸せよあれ
トイレへと急(せ)かす子供の手を握り桜咲く道見ずに駆けたり
2月21日(日)
張替えしトタンの屋根は霜どけのしずくに朝日を受けてかがやく
寒風にさらされているわれがいて朝の日は差す心の中に
ずたずたに茎折れ枯れて霜を置くカンナは赤き夏夢見るや
かすかなる希望が胸に兆(きざ)すとき春待ち木々も芽を吹きており
その夢を深く秘(ひ)め持ちイチョウの木今寒風に身をさらしおり
寒風に耐えつつ希望を持ちつづけさくら花咲く春はもうすぐ
きみどりの葉は花かげにつつましくひかえていたり河津桜の
枝先にちらりほらりと花つけて梅の古木はたしなみ持てり
伸びるだけのび放題に枝のばすこの梅の木は桜のごとし
北空にうすく浮かびし雲も消え見渡すかぎりの青空となる
雲のなき空に浮かべる三日月のみなぎる力が影に隠くるる
2月20日(土)
人間の清さを思うザクザクと霜置く枯野をどこまでも行く
この天地を創造したる意志があり全ては今のわれにつながる
真白なこころになりて仰ぐならこの青空を映せるだろう
創造者を崇(あが)めまつらんみ心の天地均衡にあやからんため
思いきり枝を張りたり白梅が神の恵みをいっぱい受ける
短歌など作って家庭を顧(かえり)みぬおろかなわれをお救い下さい
2月19日(金)
天皇のごとくに思うマタイ伝このキリストの長き系譜は
キリストのしたたり落ちる鮮血となりて降りくる紅梅の花
「信ぜよ」と今叫びしか紅梅の花のなかよりイエスの言葉
雨にぬれ落ちる雫(しずく)は紅梅の花になりたるイエスの涙
雪が降る真紅(しんく)に染まりゆきがふるキリストの血のしたりて降る
瞬(またた)きのほんの束の間二千年いまよみがえるイエスキリスト
自らを失格させてキリストのパラドックスをなせし太宰か
ほうれん草刻みていればキリストの血がほとばしる法蓮華経
白梅に導かれたる目白たち夕日受けつつ蜜吸い続く
西空に十字架となる雲がわきキリストの血に塗られて赤し
今日一日キリストを思い過ごしたり空に涙となりて新月
2月18日(木)
白梅も散り始めたり地を染めてその芳(かぐわ)しき香りを放つ
山をもかかすむごとくの寒さかな息はくたびにあたり曇れり
犬連れる人に会いたり散歩する口実として最良ならん
わが里の荒れにまかせて雉たちが友を呼ぶかに鳴き交わしおり
職人が屋根替えするも手伝わずパソコンに向き時過ごすわれ
頬を刺す外気のなかに太陽がひとつ小さく西空に消ゆ
既婚者を含め全ての女性より選びましたと堂々と言う
姦淫(かんいん)を戒(いまし)めたるはイエスなり心で思うことも許さず
罪深き人間なれば己れ恥じただ一心に祈るほかなし
罪深き思いはわれも同じなり今祈り言う「イエスキリスト」
2月17日(水)
三十年経(た)てば腐蝕が激しくて今職人の屋根剥(は)がす音
アスベスト含むわが家の屋根替えに小雨が埃をおさえてくれる
雲覆うわれの心を開きたり長島加藤選手の快挙
滑ること忌み嫌わずに受験生せいせいと見んオリンピックを
生(う)みたての卵握りて思い出す今死にしとう吾子(あこ)の温(ぬく)もり
2月16日(火)
「一番でなくてはなんでいけないの」予算削減スポーツに及ぶ
伊豆に生れスキースケートやらざればオリンピックの感動少なし
カナダでのオリンピックを思わせて今伊豆の山霧をまとえり
その心満たさんためか施設へと戻るわが子の食べ止まぬなり
食欲はむしろ心の飢えなるや施設へ戻る今朝のわが子は
憂鬱が霧のごとくに昇りゆき空一面を覆いているか
一畳のたたみの広さ今はなき子の置かれいしことを思えば
雨にぬれ紅梅の木は佇めり赤き涙の止まる間(ま)のなく
2月15日(月)
一面が霧に覆われ霧のなかにここだここだの紅梅のこえ
対岸がすっぽり霧におおわれて寺のありかがほのかに見える
鐘ひとつ鳴らさぬものか対岸の寺もお山も霧をおおいて
もの見えぬ霧のなかにて時告げる雄鶏(おんどり)の声遠く応える
かしこまることがますます苦となりて足を投げ出す歌会の席
曇りたる空に希望の鐘ならし河津桜が咲きそろいたり
くもりたるわれの心にこだまする河津桜の満開の鐘
2月14日(日)
父母(ちちはは)が耕しおりし田や畑雉(きじ)の棲家(すみか)となりて久しき
群れなして来ていた目白ぱったりと今日は姿を見せずなりたり
ほんのりときみどり色の葉のそばで河津ざくらの花が目覚める
遠山の霧晴れたれば山肌にまだらに残る雪がかがやく
うわずいて今日も一日過ごせしか上擦(うわず)いた歌つくりて眠る
2月13日(土)
信綱の言霊(ことだま)つまる入門書心のなかに花を咲かせる
古本がオークションにて売れにけりわれの指紋を拭き発送す
いっせいに花開きたり目白たち白梅に行き紅梅に来る
父逝きて二十三年経ちにけり田に胡桃の木生(は)えて聳える
西郷となりて死ねるや改革をなしたる後の小沢一郎
鉄幹の血を引いており与謝野議員舌鋒鋭く首相に迫れ
2月12日(金)
枝先に隈なく咲きし紅梅が火の粉となりし花びら散す
解剖の亀の腹より詰まりたるビニール袋がつぎつぎと出る
ビニールは消化されねばどんどんと亀の腹へと詰まりゆくのみ
今日ひと日(ひ)死にゆくごとく過ぎゆけり紅梅の花白梅のはな
砂粒が一粒ひとつぶ落ちてゆきわれの命が削られてゆく
小雨降る曇れる空に枝を張る明るくなった紅梅の花
2月11日(木)
幾重にも花びらたたみ閉ざしたる椿のつぼみ今朝開きたり
紅梅は枝の先まで咲きつぎて朝早くより目白を誘う
紅梅のヒヨドリ去るを柿木に止まり目白は待ちわびている
ヒヨドリの枝移るたび紅梅は風なき庭に花びらこぼす
枝先に咲く紅梅の蜜吸うと目白は体逆さまにせり
施設へと子は戻りたり怪獣のプラモデルなど手に取りてみる
2月10日(水)
朝焼けの雲が激しく流れいて遠く鋭き雉の声する
白梅が今いっせいに開きたり目白早よ来よヒヨの来ぬ間に
白梅がすっかり花が開きたり目白蜜吸えいまが盛りぞ
うすくもがあやうい春の心もて低く浮かびて流れゆくなり
くろぐろと煙のような雲が湧き山すれすれに流れゆくなり
雨となる予報のもとに黒雲が低く垂れ籠め流れ始める
2月9日(火)
民主党やってみなさい言い訳がそのうちきかぬ時が来るまで
一面の霜置く庭に色白となり紅梅の小枝が揺れる
紅梅の咲き盛るそば白梅はなかなか花を開かずにいる
霜おける畑のなかに菜の花がクリーム色となりて静まる
紅梅が今満開というごとく目白群して訪れている
べったりと雲が貼りつくわが庭に福音のごと福寿草咲く
2月8日(月)
廃業をして一年が経ちにけりビニールハウスの羽ばたきの音
雲のなき空から光そそぎたり少し曇れるわれの心に
雲のなき空に向って紅梅がまだまだ盛りと枝を伸ばせり
雲のなきひと日(ひ)暮れゆく西空に飛行機長き尾を引きてゆく
欲望にかられて夜を徹しおり体は不平を言わぬけれども
2月7日(日)
裏山の影を写せる対岸の山が朝日を浴びてかがやく
三日月にならんとするも月はまだいくばくの淡き腸(わた)をかかえる
太陽が山に隠れる瞬間のそのまぶしさに目をそむけたり
子の脳波無事に撮れしを担任の教師は喜びわれに伝える
施設より帰りたる今日赤飯をたきて息子の誕生日祝う
2月6日(土)
半月のもと月光を浴びながら白梅はその花びら増やす
昨晩の雲はすっかり消えており朝青龍に似たるその雲
その花を咲かせきりたる紅梅が目白を誘い春をたのしむ
夕暮れのなかに白梅咲いており静かに花の匂いをはなち
検察に勝ったのだろう小沢氏も鳩山氏もまた起訴にはならず
起訴されぬことがかえってマイナスか小沢氏にまた鳩山氏にも
2月5日(金)
創世記のごとき雲よりあかねさす朝の光が幾筋も差す
死に際(ぎわ)のその一瞬は生涯のもっとも輝く一瞬ならん
一億に仮に一円足りぬなら一億円のものは買えない
金柑の実をほうばればヒヨドリの心になりて叫びたくなる
いさぎよく朝青龍は引退す鳩山小沢両氏はいかに
西空に朝青龍が雲となり光を抱(かか)えかがやいている
天の日になれずに君は消えゆくか朝青龍のうねりたる雲
雲となりうねれる龍が西空に黄金(こがね)となりて消えゆかんとす
2月4日(木)
対岸の寺より読経(どきょう)の声がする今日節分の豆撒きがある
対岸の寺より琴の楽(がく)流れ今日節分の豆撒きがある
言葉なく二十七年生きて来(こ)し二月三日は子の誕生日
母親の命を救い自らは障害負いて生まれたりし子
母と子といずれ取るかと問われしは二十七年前のことなり
精神科の名札掛かれるドアの前に子を抱(いだ)きつつ座し待ちしなり
2月3日(水)
静岡の病院に行き夜遅く雪の天城を子ら帰りしか
苦しみも過ぎてしまえば明々(あかあか)と朝日に光る雲となりたり
渦を巻き雲がうすれていくうちに薄青いろの空のぞきたり
北向きの枝に白梅花開く南や西にあまり付けずに
粗暴なる朝青龍を惜しむなり力道山となり蘇れ
満開の紅梅の枝揺すりゆく春一番にまごう強風
2月2日(火)
満開の紅梅の下に佇(たたず)めば足の先まで赤色となる
気化をするごとくに山が霧のため空に向って消え失(う)せてゆく
ようやくに訪ねくれたる目白二羽いまヒヨドリの奇襲を受ける
目白たち早よ紅梅の蜜を吸えヒヨドリの来ぬ今のこの間(ま)を
三郎は清潔なんだ世の中の見るものすべて美しいのだ
清潔な心を汚すわれなるか汚いと子をまたも叱りて
紅梅が明るい色を放ちおり小雨まじりの曇れる空に
小雨降るなかに紅梅赤赤とあらんかぎりを尽くし咲きおり
白梅はいまだ咲かねば枝枝に雫(しずく)をためて輝いている
2月1日(月)
一言もことば話さず生きてきてわが子は二十七歳となる
満開の紅梅のそば白梅が二分咲きとなり静まりている
満開の紅梅の蜜独り占めしてヒヨドリは動くともなし
紅梅に負けまいとして木瓜(ぼけ)の木が一つ二つと血の花咲かす
苔むして静かに立てる忠魂碑露に朝の日受けてかがやく
根方にはいまだ枯葉を積みていて一月晦日(みそか)のいちょう真裸(まはだか)
こんなにも細かき枝をしていたか銀杏(いちょう)の裸木(らぼく)見上げていたり
1月31日(日)
満月が障子を透かしこうこうと夜半(よわ)の畳の上を照らせり
満月の月の光の明るさにわが家の鶏(にわとり)時を告げ出す
朝焼けの雲を彼方に紅梅が競(きそ)うがごとく満開となる
蜜をみな吸い尽くせしや紅梅に待てども今日は目白来たらず
たちまちに荒地となりし畑には雉(きじ)が棲(す)みつき奇声を上げる
花付ける枝ありつけぬものもあり白梅やっと咲き始めたり
春に向き大地たしかに歩みだす犬のふぐりを道に咲かせて
庭に立つ紅梅一本眺めつつ今日も一日暮れなんとする
1月30日(土)
ヒヨドリの来ぬ間を狙い早朝の紅梅の木に目白来ている
いかほどの蜜があるのか紅梅の枝をはげしく目白は移る
新潟の友より賜いし福寿草伊豆のわが家に数を増やせり
無限なる青き空よりふりそそぐ光に燃える紅梅の花
大量のトヨタのリコール神話なる新幹線が停電起こす
1月29日(金)
枝枝に小爆発が起こりたり八分咲きたる紅梅の花
久々の雨に打たれて揺れている八分咲きたる紅梅の花
雨の日のわが家の庭を照らしたり八分咲きたる紅梅の花
わが庭を縄張りとしてヒヨドリが濡れる紅梅の蜜を吸いおり
紅梅に五日遅れて白梅の花三つ四つ咲き始めたり
雨の止む紅梅の枝濡れながら二羽の目白に蜜を与える
その細き嘴(くちばし)をもて目白二羽雨に濡れたる紅梅つつく
1月28日(木)
わが庭の紅梅の花きらきらと目を覚めし今日咲き始めたり
うす雲がところどころに浮いていて陽はしつかりとわれをつつめり
風のない冬日は神のみ手となりやさしくわれをつつんでくれる
神神と言うわたしよりもの言えぬこの子に宿り給わんことを
赤き実を食べつくしたるヒヨドリが紅梅花待ちて蜜吸う
紅梅が湖面に映れる西空の夕焼け雲をしばし眺める
1月27日(水)
寒の字を冠する桜一月の梅より早くはや盛りなり
わが一世(ひとよ)長しといえどグリーン車などは縁なく終るならんか
飛行機も思えばいまだ乗らざりしひと度(たび)くらいは乗ることあるや
風強き川口駅に降りたちぬ雲なき空の光まぶしき
川口の神社に参り初孫の百日となる御祓いをする
未来へと羽ばたく未羽(みう)は百日のお宮参りに大声で泣く
意志強き人間となり生きゆくか百日となる孫の大泣き
生きゆくは苦しきこともあるならん大声で泣け百日の孫
中国と日本の国の架け橋となれと祈りぬ初孫の未羽(みう)
1月26日(火)
曇りたる空にまっす枝伸ばしわが家の梅が咲き始めたり
孫を見に明日東京へ行かんため妻は透析に今日出掛けたり
金銭の感覚が麻痺しているか小沢一郎鳩山由紀夫
へんだよと言う人もなく民主党なにか頑なに固まりてゆく
金銭の感覚もたぬ宰相に日本の国を任せられるか
1月25日(月)
ようやくに開き始めし紅梅が今朝は霜置き声をひそめる
雲のなき空から朝の光さし霜おく原の枯草光る
朝の日が枯野を照らし始めれば霜は砂金となりて輝く
九十の母が店番していたり今日初めての来客という
店売りはスーパーコンビニに奪われて配達のみが救いだという
雲のない空いつまでも暮れなずみ余光が山の稜線つつむ
1月24日(日)
西空に四国のような雲が湧き詩ごころなければ竜馬が浮かぶ
ゆうゆうと空を飛びいる鳶(とんび)たちその生つなぐ獲物なくとも
枝切られひこばえあまた従える銀杏は生まれ変わらんとする
黒雲を朱色に染めて太陽が怒り狂いて沈まんとする
安田さま歌うたいつぐ一生をとげられました九十七歳
九十歳いま青春と歌いたるあなたの歌をわれは忘れぬ
1月23日(土)
悲しみの画面でわれは笑い出す妻の前では泣けないんだよ
前歯折れまな板の鯉となりており詩歌に遠い歯科治療台
小沢氏をここで許せば日本の政治の闇は永久(とわ)に続かん
日本の美徳のひとつ清らかさ政治の中に生きる世となれ
政界の自浄能力を信じたい闇より光は決して生れぬ
1月22日(金)
ようやくに堪(こら)え切れずに紅梅が一二三輪咲き始めたり
自宅にて四億円を保管するその異常さを誰も言わない
六億の税金すぐさま納付するその異様さを誰も言わない
貧困に生れたなれば鳩山氏小沢氏もまた何をなせしか
真夜中に地震がありてテレビ見よラジオを聞けと広報が言う
1月21日(木)
田中氏も金丸氏にもありし闇いま小沢氏に集約さるる
しがらみを言うのはやめん民主党まず自らの闇を照らさん
雛求め下田修善寺結局は三島の街に歩を延ばせり
湧水を称える石碑並ぶ今三島の街に水の少なし
合格の祈願の絵馬のあふれおりわが初孫はまだ三ヶ月
三島まで足をのばして雛を買い大社に参り富士を仰げり
雛を買い三島神社をお参りし電車の中で居眠りをする
黒雲が固まり浮くと見ていたがたちまち散りて跡形もなし
1月20日(水)
桜木に朝日が差せば枝枝の霜いっせいに目覚め輝く
霜置ける刈田に朝の光差し神々しさにわれはうたれる
花咲くにまだ間のあればヒヨドリが南天の実を食べ尽くしたり
捕らえたる虫をくわえて雛鳥がとられまいとて逃げ回りたり
夕空に飛行機雲を赤々と長く伸ばして行くのが見える
1月19日(火)
民主党野党時代は粗探(あらさが)し今はただただだんまりきめる
ハイエナのごとくに粗を探したるあの長妻氏いずこにいるや
民主党小沢資金を検査せよ他党にまかすな君らは出来る
信ずるでなく潔白と言えるよう調査をせぬか鳩山首相
朝方の雲はすっかり消え去って見渡すかぎり青き広がり
夕焼けの空に染まらず眉月が鋭く白き色にかがやく
1月18日(月)
霜置ける枯野の上の黒くもを朝の光が赤く染めたり
北米のような雲ありキューバまたハイチドミニカあのあたりなり
霜置ける鶏舎に卵ひとつ有りその温もりで手があたたまる
一円の領収書にもこだわった今四億をうやむやにするか
金銭にだらしない奴民主党君らはそれを受け入れるのか
一票をこの一秒を大切にわたしは生きるほかにないのだ
1月17日(日)
鉢植えの木瓜(ぼけ)の小枝にしっかりと赤き蕾がほころびている
歩み行く道にも小雨降り始む遠山肌は白き色して
雪がふるばかりに曇る空のもとまぼろしのごと梅が咲きおり
つくづくと鏡の中を見ておりぬ六十余年を生きしこの顔
寒風にさらし干さねば人間もスルメのごとく味は出ぬのか
日の入りてしばらくたてばうそのごと雲消え去りて星空となる
1月16日(土)
冬の日を枝いっぱいにかがやかせいちょうの裸木風に向き立つ
ふくらみし梅の蕾を見渡せどまだ一輪も開くものなし
前歯折れまな板の鯉となりており詩歌に遠い歯科治療台
官僚の悪を正すと政治家が主導主張す己れ正さず
象となりうさぎとなりて山羊となる雲は気ままに形変えゆく
ぼろぼろとなみだ流して唄いおり美空ひばりは狂うことなく
1月15日(金)
西空に雲湧きいたり恐竜のごとくに長く首を伸ばして
朝焼けの雲におおわれ山の峯赤く染まるをしばし見ている
この冬の一番寒い朝方ににわとりがはや卵産みおり
にわとりが五個のたまごを抱えいてようやく二羽の雛孵りたり
朝焼けは光とともに消えゆきてただ白雲がただようばかり
冬一番寒いこの日にころがれる蝉の脱殻ひとつ見つける
1月14日(木)
たましいを取り戻したるごとくして霜の枯野が朝日を浴びる
早よ咲けと言わんばかりに強風が梅の小枝を揺らしつづける
かたまれる雲が動いてたちまちに世界の地図になりて落着く
黒雲が獅子のごとくに動きいる周囲を黄金(こがね)の色に染めつつ
陰に身を隠さんとしてカラス族かえって目立つ色となりしか
黒雲のふえゆく空を見上げつつ民主党政権の明日を占う
1月13日(水)
一月の十二日わが誕生日今年は雨の音に目覚める
透析の妻を見送りしぶる子を預けんとして施設へ急ぐ
帰りたるわれを香りて迎えたり玄関に挿す水仙の花
一月も十二日経(た)ちたちまちにわれは六十七才となる
天城嶺(あまぎね)は雪となりいんもうもうと煙(けむ)れる霧が今は閉せど
悩みつつ火災保険の切り換えに今度も地震補償は除く
1月12日(火)
わが里を覆い尽くせる黒雲の群のすき間に朝の日かすか
黒雲に吸い上げられるごとくして山より霧が立ち上がりゆく
黒雲を押し上げるごと金色に染まりし雲が山の端に出る
金柑をとらんと思いつつ今日もとうとう取らず日暮れとなりぬ
蓋をしたごとくに覆う雲の群竜馬よ出(い)でよ時熟したり
雲おおう空は親しも大空がわれに近づくごとく感じて
茎折れて地にふす水仙花すべて大地に接吻するごとくなり
1月11日(月)
一本の小さな鉛筆一枚のメモ用紙にて歌は書けます
霜の無き朝迎えたり三日月の光おぼろに中空にあり
霜のなき朝をむかえて枯れ野原風とススキが戯(たわむ)れている
大竹が真中に立ちて対岸のどんどん焼きの小屋出来上がる
金網で囲むテントの中にして両目のダルマ積み上げらるる
竹を立てささやかなれど我が家のどんどん焼きを庭隅でする
友愛の言葉よけれど鳩山さん押し付けるのは上から目線
1月10日(日)
雹まじる雨のなごりは干竿のしずくとなりて朝凍りおり
菜の花が咲きたんぽぽが咲いている霜をかぶれる朝の野道に
雨だれの音がするなり屋根の霜ようやくとけて落ちているらし
北空にシーラカンスの形した雲湧きいたり動くともなく
冬山に雲なき空より日の光さあ目覚めよと言わんばかりに
雲がない雲ないなあと見上げればほんとに雲がなく晴れわたる
一羽にて空を横切るカラスおり琥珀色した西空に向き
琥珀色したる西空うごかざるカラス一羽が化石のごとし
漆黒の色となりたる寝姿の山の稜線眠入りたるらし
1月9日(土)
明け方の霜の野原に煌々と月のひかりがふりそそぎいる
青空に急に雲湧き降る雨は雹をまじえてたたきつけたり
雛鳥は雌鶏(めんどり)のそば離れずにときどき羽の下に隠れる
わが庭を今日も照らして沈みゆく有難きかな冬の夕日は
早よ花を咲かせよというごとくにも椿の葉照らし日が沈みゆく
ありがたき今日のひと日(ひ)よ西空をあかねにそめて帳(とばり)を下ろす
突然に雹を降らせし黒雲もあとかたもなく散りて夕焼
わが庭のつばきのつぼみは拳(こぶし)なり心開かぬわれにかも似て
1月8日(金)
雲のない空となりたり伊豆の地のわが庭先に朝の日が差す
雲のなく晴れわたりたる空のもと金色に照り霊柩車行く
四時に早や沈みたる日が山越えの子の住む施設を照らしておらん
夕暮れを何鳴き騒ぐカラスらか雲なき空を黒くうずめる
夕暮れにカラス激しく鳴きおるを野良猫一匹見上げていたり
日が沈み漆黒となる稜線を余光はなおもやさしくつつむ
1月7日(木)
鶏のこぼれし餌を啄みて雀はすぐに飛び立ちていく
北陸は豪雪という寒風の晴れたる伊豆の一日(いちにち)暮るる
虎のごと口を開けたる黒雲が夕日を飲みて黄金色なす
山越えし所にあれば子の施設いま日を浴びて輝きおらん
燈台
髪乱す風をいとわず行く道に古りし燈台昼の日浴びる
幾万の闇照し来て古びたる白き燈台寒風に立つ
闇照す燈台のごとありたしと思い至りてこみあげるもの
苦しみの最中(もなか)にあれば一定(いちじょう)の死も快楽のごとくに寄るか
1月6日(水)
雷鳴の轟く闇が明けしとき西の山の端月かがやけり
日が沈みしばしの間稜線の林を透きて余光かがやく
1月5日(火)
西空に卵形(たまごがた)した月浮かび何か生るる予感さえする
正月の四日となればスーパーもすいているなり妻に従(したが)う
税金を多く払うは大企業または松井やイチローなんだ
孫請(まごうけ)のわれの願いぞ大企業中企業まず救われてくれ
1月4日(月)
高校の今日のサッカーいかなるか朝焼け空に丸き月浮く
箱根路を下る復路よ火達磨のごとき思いか朝焼けの空
朝焼けの空に浮かびている月の正月三日少し影らう
昨年の途中棄権の雪辱をなしたる刹那泣き崩れたり
その襷(たすき)繋がんとして走り来てつなげなければ泣きじゃくるなり
一点で勝てばいいんだ冷や冷やとさせられ勝った藤枝明誠
正月もこれで仕舞いかその思い駅伝終りし後にきざせり
1月3日(日)
赤々と染まりてうねる龍雲が今満月を飲み込まんとす
対岸の寺に奏でる琴の音(ね)が風にふるえて聞こえくるなり
龍のごと箱根の山を登り行き柏原また区間新出す
木に花は咲かぬけれどもおだやかな日和(ひより)となれり正月二日
空は晴れ風ある今日は凧日和(たこびより)子よ上げてみよ高くたかくと
琴の音(ね)と鐘のおと和す山寺の正月二日かくて暮れゆく
暮れかかる山に向いてお辞儀するススキは風に押されおされて
強豪の国見に勝ちて驕(おご)るなよまだまだ未熟ぞ藤枝明誠
1月2日(土)
風強き群馬県内駆け巡るニューイヤー駅伝元旦の朝
初孫の顔が真中(まなか)に写りいるカレンダー貼りしばし見ている
ゆっくりと虎の姿の雲が行く夕日に染まり黄金(こがね)色して
1月1日(金)
黄金(こがね)なる雲のかたまりゆっくりとわが家の上に来てとどまれり
一年の〆の日今朝は霜もなく風に枯草踊りているよ
日々通う道を電車で見下ろせり車ちいさし人はなおさら
大晦日朝より風はおらびたり今日で終りだやり直すんだ
日の当る遠山並みを眺めおりかげりて寒き風を受けつつ