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今日の短歌NO.15
 わたしの歌歴(後藤人徳)
 昭和59年「賀茂短歌会」入会。現在編集発行人。
  歌集:「母胎」、「祈り」「わが家の天使」

以下に紹介します作品は、作ったばかりのものをそのまま書いています。推敲の手があまり入っていません。未完成の部分が多々あると思いますが、参考にしてもらえれば幸いです。...作者より
この先は楽観論に基いて生きゆくことを始めんとする

短歌は、三十一音からなる小さな世界です。その中に自分の思いを込めます。ですから、時間はなかなか織り込めない。今の一瞬、一瞬を歌うしかないのではないでしょうか。そう思います。また、そのように作っています。

平成20年今日の短歌NO.3 平成21年今日の短歌NO.1 平成21年今日の短歌NO.2

平成21年今日の短歌NO.3 平成21年今日の短歌NO.4 平成22年今日の短歌NO.1 平成22年今日の短歌NO.2

短歌と私:高野公彦 田井安曇 五島美代子 五島 茂 岡野弘彦 田谷 鋭 塚本邦雄 土岐善麿 福島泰樹 前 登志夫 前川佐美雄 安永蕗子

短歌鑑賞:石川啄木(1) 大野誠夫 塚本邦雄 岡井 隆 前田夕暮 上田三四二(1) 上田三四二(2) 宮 柊二 斎藤茂吉(1) 斎藤茂吉(2) 

斎藤茂吉(3)


 
うろこ雲一面覆う朝まだき木々のなかにて鳥鳴き騒ぐ
 
うろこ雲覆える空の明け方を一羽の烏遠く飛びいる
 
昨日(きのう)とは違う辺(あた)りで聞こえくる牝鹿(めじか)呼びいる牡鹿の声が
 
ひいふうみ四つ残れりこの柿はわが家の大事な甘柿なのだ
 
抜き柿を産業祭(さんぎょうさい)に持ち行くも豊作なればほうぼうで売る
 
半額の値段にすればわが家の抜き柿施設の収入となる
 
古里の産業祭に出掛け会う元助役の友現議員の友

10月30日(日)
 
毎年のことにはあれどここの柿どうしていつも鈴なりになる
 
詩吟とも民謡とも違う節まわし嶋武志氏の朗詠を聞く
 
たまわりしカセットテープ一巻に嶋武志氏の朗詠息づく
 
三成の片腕なりし嶋左近嶋武志氏と関わりあるや
 
今日という日は永遠に過ぎゆくか山の端染めて日は沈みゆく
 
横浜の嶋武志氏よりたまわりし朗詠テープ聞きつつ眠る
 
牧水調の短歌朗詠をお聞きください!!

10月29日(土)
 
高き枝の柿を採らんと念願の高枝鋏買いて手に持つ
 
高き枝(え)に二つ残れる次郎柿高枝鋏で今年は取りぬ
 
十月というのに今朝は冷えしなり長袖シャツを出して着るなり
 
今われは怖れを感ず理由なき恐怖に対し神を信じる
 
裕福が幸福なりと疑わず信じて祖父も父も逝きしや
 
念願も飽食となり物余り断捨離という思想はびこる
 
10月28日(金)
 
朝(あした)より晴れわたりたる秋空に今日一日の幸(さち)予感する
 
杜夫(もりお)氏が亡くなられたり父のこと雷親父(かみなりおやじ)と言いておりしが
 
父茂吉を雷親父と言いしなり北杜夫氏のおだやかな声
 
享年は八十四歳茂吉より十年余り長生きなりし
 
わが父はナイーブなこころを失わぬ人でありしと語りていたり
 
倒れたる母を見舞えばすっかりと元気になりて起きて迎える

10月27日(木)
 
たわむれに妻の短歌を角川に送りておれば佳作に入る
 
角川の短歌公募館三人の選者が妻を佳作に採りおり
 
咳きすればたちまちわが家のニワトリら警戒心の鳴き声をする
 
寺院から離れし親鸞教会から離れし鑑三われは愛する
 
み仏におまかせしたる瞬間に救われてると親鸞は諭(さと)す

10月26日(水)
 
幾枚も落ち葉の中に埋もれてる土に還れぬビニール袋が
 
十月も丑の日がありスーパーの特設コーナーうな丼を売る
 
抜き柿を産業祭(さんぎょうさい)の店に出して施設の収入とせん
 
穂の垂れてススキ実るや一面の休耕田は銀色となる
 
製本となりたる歌集よく見れば著者の住所に誤りがある
 
五時となり早やうす暗くなりたれば西も東も夕焼けとなる
 
オーロラの空は知らねど夕ぐれる秋のうす雲赤く染まれり

10月25日(火)
 
霧なのか靄なのかわれ分からないただぼんやりと包まれている
 
新築の対岸の家は朝日受けソーラーパネルが輝いている
 
またひとついいかげんなことわれ言いぬ分からぬことは分からぬと言わん
 
ここからは不思議な世界に入れそう鳥居の前で頭を垂れる
 
阿吽(あうん)の狛犬睨む石段を登りて行けば神殿となる
 
エゴ捨てん賞状類を破り捨て自然の力の高まりを待つ

10月24日(月)
 
新しき朝になりたり雲薄れ希望のごとく薄日差しくる
 
新しき希望に満ちた朝なるか雲が流れて青空のぞく
 
枝に葉に葉先につきし雨粒がうれし涙のごとくに光る
 
柿の葉が貼り絵のごとき色々ないろをちりばめ落ち濡れている
 
牧水の朗詠聞きたし聞きたしと訪ね着きたる嶋武志(しまたけし)氏よ
 
詩吟ではなくて短歌の朗詠を探しさがしてたどりつきたり
 
牧水の朗詠を継ぐ大悟法利雄氏の弟子嶋武志氏は
 
朗詠のこまかな節にただよえるその哀愁をわれは愛する
 
これなんだわれの求める朗詠は詩吟ではなくうたの朗詠
 
繰り返しまたくりかえし聞きおれば朗詠テープは伸びてしまえり

10月23日(日)
 
この雨でまた一段と紅葉(こうよう)し桜木は葉を散り急ぎおり
 
清濁を合わせ飲むとは云うけれど濁った水の飲みすぎだろう
 
今日一日(ひとひ)終らんとする安堵とも霧立ち昇る山を見ている
 
霧を吸い重く垂れたる曇り空カラスは鳴きて山をめざせり
 
出来ぬではなくしないのだ何ごとも信じなければ先に進まぬ
 
繰り返しまたくりかえし聞きおれば朗詠テープは伸びてしまえり
 
10月22日(土)
 
広々と刈田のあとにひこばえが早苗のごとく風に揺れいる
 
コスモスや泡立ち草やススキなど強者のかげに野菊咲きおり
 
声高にわれは叫ばず幼子のこころをもちて平和祈らん
 
After you(アフターユー)お先にどうぞ幸せをわれは良きなりあなたの後で
 
神曲もファウストもいまだ読みおらずいつになったら読むのかわれは

10月21日(金)
 
散歩にはビニール袋を持参する空缶などを拾わんとして
 
枯草のなかにうごめく蛇多し青大将が今うねり去る
 
白壁が燃える夕焼けまだ何かやり残したるものあるごとく
 
今われの出来ることとは何だろう出来ることから始めんとする
 
救われる順序は後で結構ですお先にどうぞあなたもあなたも

10月20日(木)
 
障害者役員会に出掛けたりなんでこんなに楽しげなのか
 
障害を持ちたる人らお互いに笑わせあいつつ会進みゆく
 
障害を持ちたる人の明るさに励まされつつ笑い顔する
 
台風にめげず四つ溝あまたなり抜き柿として友に与えん
 
下田市の文化協会会報の編集会議明日(みょうにち)となる

10月19日(水)
 
診療所今日一番と思いしに早や四五人の媼(おうな)まちおり
 
診療所の壁に垂れたるカレンダー待ちおる間ながめていたり
 
五年間効果が持続するという肺炎の予防接種を受ける
 
目立たずに白き茶の花咲きており蜜吸う蜂の羽音聞える
 
秋となり涼しくなればコスモスの花が心の中にも開く

10月18日(火)
 
今朝はまたひどく冷えたり十月も半ばとなれば当然なるも
 
大根の白き根土より出ておれば今朝の寒さが身にしむだろう
 
秋空の雲にまじりて浮びおりラグビーボールのような昼月
 
だんだんに実りてきたかススキの穂かなり頭(かしら)を垂れ始めたり
 
片付けは止(とど)めさすことと言われたり何にとどめをさすのだろうか
 
10月17日(月)
 
秋闌(た)けて泡立ち草の季(とき)となり黄色き花が群りている
 
今日もまた雌呼ぶ牡鹿の鳴き声が朝早くより長く聞える
 
一晩中起きていた子がドライブの車のなかで寝息たている
 
スーパーで妻買い物をしておればラジオ聞きつつ車で待てり
 
南風吹けばたちまち蒸し暑し長袖をやめ半袖にする
 
秋空の青きに向かい二三言(ごと)叫びてみたき衝動は何
 
渋柿の色づきたるを籠に採り抜き柿にすと妻に渡せり
 
10月16日(日)
 
百歳の会員からの手紙なり欠席しますと丁寧の文(ふみ)
 
しばらくは電話見舞いもいりませんそっと見守り願う百歳
 
角川の雑誌に入選繰り返すまだ現役の百歳歌人
 
前金で会費を払い身の回り常にきちんとしたる百歳
 
五十台半ばで大学院に入(い)りとうとう博士と友なるという
 
才能はそれほど差ありと思わねど熱意持続し友は博士か

10月15日(土)
 一面の霧のなかより稜線のみ墨絵のごとく浮び見えたり
 
霧のなか隠るる木々のあたりより鳥の激しき羽音起(おこ)れり
 
牧水の朗詠伝える嶋氏よりカセットテープ今日届きたり
 
牧水の歌の朗詠テープなり見も知らぬわれに送りくれたり
 
詩吟にて短歌朗詠聞きおりていつも不満に思いおりわれは
 
牧水の朗詠継ぐは私だけ一人となったと書かれていたり
 
まろやかに憂いを帯びる朗詠にしばしの間聞き惚れている

10月14日(金)
 
冷えしまる秋うすぐらき彼方より聞こえてくるは牡鹿鳴く声
 
原発の事故を起した日本にノーベル賞は授からなかった
 
明治より今に残りし家屋なり曇れる空のもとに毀される
 
眼鏡ないメガネがないと探したり祖父のごとくに大声をして
 
ほうずきの赤くいとしく垂れおるを一輪挿しにさして眺める
 
10月13日(木)
 
西空の山の端にいま満月が没まんとする午前三時よ
 
朝起きは三文の得西空に今満月を眺めていたり
 
嫌いいし祖父思い出す飲まぬ日は三時に起きて仕事しておりし
 
ミシン買い独学にしてズボンシャツ作りし祖父よ戦前のこと
 
膝抜けるズボンをなげきミシン買い自らズボンを作りたる祖父
 
これからはこそを大事に生きゆかん今有ればこそ君あればこそ
 
10月12日(水)
 
縄を踏み蛇かと思い飛び上がるびっくりしたなあもうとつぶやく
 
彼岸花終るとみればたちまちに泡立ち草の黄色目に立つ
 
人助けをわたしはしたいしたいのだどうすればよい分からないけど
 
わたくしはわが子を信ずもの言えず生まれしなれど朗らかな子を
 
金木犀咲き極まれば雨のごと音たててその花を降らせり

10月11日(火)
 
朝霧に山も畑も見えなくてのっぺらぼうの里となりたり
 
朝霧に対岸すべてかすみおり今日は頭もぼんやりとする
 
朝霧の中を歩みて茫茫と今日一日を占わんとす
 
霧のなか高く掲げし看板がここだここだとわれを導く
 
朝霧のなかに背高きコスモスがそのももいろの花を咲かせる
 
台風の置き土産なるか霧のなか白き椿がひとつ咲きおり
 
朝霧のなかに紛れし白鷺がその濁声(だみごえ)をひと声発す
 
三分(さんぶ)ほど早や葉を散らすさくらの木秋は冬への始まりならん

10月10日(月)
 
朝の陽(ひ)が向いの山に差し始めこれからじょじょに今日が始まる
 
ハナミズキの葉が紅(あか)くなり散りはじめ冬の支度を始めていたり
 
柿の実が色つき始め今年こそ抜き柿にして食べたきものを
 
対岸の新築の家に陽が差してソーラーパネルが輝いている
 
彼岸花ようやく花が衰える今朝の空気は冷えびえとして
 
停車場の近くに多い吸殻をビニール袋に拾いて歩く
 
台風に打たれ揺すられ木蓮の莟ひとつが花開きたり
 
大根の葉がようやくに育ちたり冬に向って季(とき)移りゆく
 
10月9日(日)
 
台風を耐えコスモスの背丈伸ぶ高くたかくと風にゆられる
 
コスモスの花風にゆれ秋になりまずわが心洗われている
 
澄み透る秋の光を受けながらすがしく咲けるコスモスの花
 
目立たずに落穂を拾う雀たち今年も冬を越せるであろう
 
なにしてる今だここから自分から何もしなけりゃなにも変らぬ
 
そうなんだ信ずる者は救われるわれの出来るは信ずることだ

10月8日(土)
 
群れるカラス鳴く声響きけりひんやり秋の深まりている
 
夕焼の西空に向き今日一日無事過ぎたるを感謝し祈る
 
漆黒に暮れし山より今日もまた雄鹿(おじか)の切なき鳴き声聞ゆ
 
わが歌が詩吟の調べに歌われる張りある声のすばらしきかな
 
活き活きと詩吟の調べに乗りてゆく魂入りしごときわが歌

10月7日(金)
 
体温を聞かれ六十二度と言う三十六度二分のところを
 
肺炎のワクチンあるを勧められついでに予約をして帰りたり
 
クラス会案内状の印刷を終え封筒の宛名も終える
 
大学を出て四十五年過ぎたるかそのクラス会案内を出す
 
大学を出てわたくしは何なした自信をもって言ってください
 
これからは自分自身を信じようなにがなんでも信じ尽そう

10月6日(木)
 
いつ知らにつくつくほうしの季(とき)過ぎて寒くなりたる被災地思う
 
福島の汚染の地にも咲いている赤くかたまる彼岸花さみし
 
赤き屋根緑の丘になけれどもかの日のごとく彼岸花咲く  題詠「緑」
 
ワクチンの予約に行けば待合室座る椅子なく混みあっている
 
一人子を与えるほどにわれわれを愛されたのだ神は愛なり
 
一人子を与えるほどの神なれば願う全てを与えくれよう
 
思いではなく行動だ実際にやった通りにものごとはなる

10月5日(水)
 
年取れば無理はなけれど極端に草叢(くさむら)となる隣の畑
 
なにもなき刈田におりて白鷺がじっと動かず佇(たたず)みている
 
彼岸花咲く田の畦に白鷺は何思うらんじっと動かず
 
休耕にすればたちまち蔓延(はびこ)りてコスモス畑となりてしまいぬ
 
何時(いつ)からだ明日かいやいや今日からだいやいや今のこの一瞬だ
 
人生は今日が本番生きている今しかないんだこの一瞬だ
 
10月4日(火)
 
ひんやりと今朝の空気が冷たくて秋深まりてゆく気配する
 
コスモスは風がなければすっきりとそのさくら色高く掲げる
 
だんだんと重くなりゆくススキの穂うすべに色の穂を垂れ初(そ)める
 
福島の地にも咲けるや風に乗り金木犀の香りただよう
 
ひゅーるりと哀調帯びる鳴き声は雄鹿(おすしか)という夜(よる)更(ふ)けたるに
 
10月3日(月)
 
黒人が大統領の米国に歴史を失い勝てるだろうか
 
黒人と白人が真に結ぶときより強力な力とならん
 
キリストは愛を唱えし東洋の思想すなわち合いではないか
 
日本の和の精神はキリストの愛と同じと今日思いたり
 
失敗のときではなくてあきらめたときなるという全て終るは

10月2日(日)
 
本日も卵を一個産みくれしニワトリに向き有難うと言う
 
ビニールの袋を持ちて歩く人捨てられし缶を拾いいるらし
 
中学の田圃ようやく刈り終える稲が稲架に吊るされている
 
目標のために一生懸命のまたその先の死にもの狂い
 
穂の先に少し紅おきすっきりと若きススキの穂は立ちており
 
雑草の中にかたまり咲いている赤くさみしいこの彼岸花

10月1日(土)
 
十日目にやっと卵を生みくれしようやく心の台風が去る
 
いつの間につくつくほうしもひぐらしも去りたり庭の秋の虫鳴く
 
こだわらずとらわれずまたかたよらず大きな空を見上げて生きん
 
今生きる明日(あした)のために今日生きる過去は神様お願いします
 
十月の計画を立て今月も一生懸命がんばり生きん