今日の短歌NO.9
 わたしの歌歴(後藤人徳)
 昭和59年「賀茂短歌会」入会。現在編集発行人。
  歌集:「母胎」、「祈り」「わが家の天使」

以下に紹介します作品は、作ったばかりのものをそのまま書いています。推敲の手があまり入っていません。未完成の部分が多々あると思いますが、参考にしてもらえれば幸いです。...作者より
この先は楽観論に基いて生きゆくことを始めんとする

短歌は、三十一音からなる小さな世界です。その中に自分の思いを込めます。ですから、時間はなかなか織り込めない。今の一瞬、一瞬を歌うしかないのではないでしょうか。そう思います。また、そのように作っています。

平成20年今日の短歌NO.3 平成21年今日の短歌NO.1 平成21年今日の短歌NO.2 平成21年今日の短歌NO.3

 平成21年今日の短歌NO.4 平成22年今日の短歌NO.1 平成22年今日の短歌NO.2 平成22年今日の短歌NO.3

短歌と私:高野公彦 田井安曇 五島美代子 五島 茂 岡野弘彦 田谷 鋭 塚本邦雄 土岐善麿 福島泰樹 前 登志夫 前川佐美雄 安永蕗子

短歌鑑賞:石川啄木(1) 大野誠夫 塚本邦雄 岡井 隆 前田夕暮 上田三四二(1) 上田三四二(2) 宮 柊二 斎藤茂吉(1) 斎藤茂吉(2) 

斎藤茂吉(3)

短歌鑑賞(発見ということ)(1)


(注)近作は二重投稿のために掲載を遠慮します

10月31日(土)

19年2月6日(日)

日本(にっぽん)は何処(いずこ)にゆくかいにしえのまれびとの神鎮坐(ちんざ)する神

坐(すわ)ること苦手となった日本人神々はなお鎮坐しますか

おみくじを松の小枝に結びつつ有馬皇子を思ったのです

穂を払いすっくと立ってる枯れすすき実方の墓置いて眺める

二十二でおんぶとねだるふらふらとふらつき歩くわれの十字架

10月30日(金)

2月5日(土)(3)

漢字では仏国(ふつこく)と書くフランスの仏(ほとけ)の国のようなあこがれ

遅咲きの白梅もまた咲きだした霜にも負けずきりっと白い

人住まぬ家の庭にも白梅がせいせい背高くなって咲いてる

大きなる宇宙の意思が太陽となってわたしに降りそそいでる

競り上がり頭を垂れて泡となるなんとも言えぬ波のあわれさ

10月29日(木)

2月5日(土)(2)

会社とは単なる器(うつわ)こころなき金を儲ける器にすぎぬか

経営は運転のこと運転の技術のことで車とは別

累々と引き継いできたわが身だなあ心ではない器なんだが

紅梅が綺麗だなあと見ているは眼(まなこ)の内のわたしのこころ

紅梅を綺麗だなあと見ているよわたしのこころ紅(べに)いろとなり

10月28日(水)

19年2月5日(土)(1)

わが内の宇宙を思う心から湧いてくるもの歌にするだけ

啄木に西行にまた人麻呂にあこがれてゆくわたしのこころ

早咲きの桜を見んとやってくる多くの人にわれらうるおう

わが庭の紅梅愛(め)でて混み合える河津桜は見に行かんとす

紅梅を見つつ恋しい早咲きの河津桜は古里の花

10月27日(火)

19年2月4日(土)

キリストは地球人です太陽があまねく地上に輝くような

キリストとともに生きゆきともに泣きともに笑って十字架背負う

キリストに苦しい時はおすがりし楽しいときは感謝ささげる

キリストに到るにモーゼヨハネありわれに西行啄木がある

紅梅の花が毎朝増えゆくを喜びとして出勤をする

花でなく葉や茎でなく根でもない短歌は種のようなものかも

どうしたと自分に言ってアハハハハ涙が出るよハハハアハハハ

10月26日(月)

19年2月3日(木)(2)

内にあるわたしの国はキリストに占領された神の国です

空と海わたしまでもが真っ青になって大きなあくびしている

障害の子の二十二の誕生日色んなことを教えてもらった

障害の子に色々と教わった正直純粋そして哀(かな)しさ

10月25日(日)

19年2月3日(木)(1)

地下室に籠もってほんとに見えてきた無限の宇宙そして輝き

地下室に籠もって知った闇よりの光に向って伸びてく力

西行は娘を蹴って出家した自分自身を捨て去ってしまえ

わたくしの広大無辺の内にいま造られているキリストの国

10月24日(土)

19年2月2日(水)(2)

ショベルカーあんなふうにキーボードを打っていたのは何年前か

人間は願いの通り死ねるんだ西行法師が示してくれた

浄土宗キリスト教もキリストのみ名唱えれば救われるべし

十字架を担いで行こうキリストのようにけっして諦めないで

10月23日(金)

19年2月2日(水)(1)

遊歩道海沿いの道遠回り郵便局へ行くが楽しい

皺深い翳(かげ)りある顔しているか今日見る海は寒く寂しい

南国に育ったヤシが寒風に髪乱してる生きるんだよね

値を叩き旅館ホテルを食いものにしてエージェント生き延(の)びなさい

10月22日(木)

19年2月1日(火)(2)

手が届くふうに見えても実際は遥か彼方に浮く雲なんだ

「西行は会ったでしょうね、平泉で」「平家びいきです」「清盛ですか」

義経が歌を詠んだら変わったね西行に会って変わったろうね

手数料15に現払(げんばら)と言って2%を上乗せされる

東京よりバス貸切で二泊して食事を付けて二万円です


10月21日(水)

19年2月1日(火)(1)

台風のためか開花が遅れたが紅梅のつぼみ多いみたいだ

キリストの教えはすべて話しだろう口語をもっと大切にしよう

今月もどうにかこうにか乗り切ったただ払うのを延ばしただけで

月明けたさて給料をどうしよう未払いの分今月の分

顔知れる街を歩くと浮き上がる感じになってうつむくんだよ

10月20日(火)

19年1月31日(月)(NO.2)

実体のない俺オレが存在し金をせびって電話してくる

トンネルの出口ほんのり見え始めただ黙ってた妻と子とわれ

満ち欠けを繰り返してく性質をまるごと抱(いだ)き生きるほかない

性質が劣っていても正直に歌えばほんとのわたくしの歌

10月19日(月)

19年1月30日(日)

枯れ薄枯れ泡立草ともどもに風に揺れてる薄日のなかで

薄雲が凍りついてる彼方からどうかこうか光が届く

自販機は百円硬貨 二百円持ち障害のわが子喜ぶ

大根とねぎ水仙が同居するささやかなわが菜園風景

天城越えしばらく経つと「富士山だ」妻が叫んだ車の中で

子や孫に面影遺(のこ)しひっそりと一生終えた美しいなあ

10月18日(日)

19年1月29日(土)(1)

紅梅は今年はだめと思ってたみんないつかは花が咲くんだ

暁に地蔵菩薩は現れてあの世にわれをいざないくれる

西行の歌の数々いにしえにかく正直にこころを詠んだ

暁に目覚め本読む暗いわがこころの中も明るくなるか

日本(にっぽん)は確かに光に鈍感だレンブラントの聖なる光

10月17日(土)

19年1月29日(土)(2)

弓なりになったピエタを見た瞬間思わずわたしはこみ上げていた

激痛に身を弓なりに息絶えたイエスキリスト抱(いだ)くマリアは

手に足に釘を打たれたキリストの頭を垂れて息絶えた像

ゴルゴタの丘を傷つき登りたり身には過ぎたる十字架を負い

10月16日(金)

19年1月28日(金)

わがこころ夜空の月に似ているか満ちては欠けて欠けては満ちる

この月を見ているだろうかあの人も満月はいまのわたしのこころ

純粋の心を持ってる障害のわが子に何か残しやれるか

ようやくに庭の紅梅咲き出して東京の娘(こ)のこと思い出す

わが生はこの世にわたしをもたらした死はあの世へと誘(いざな)いくれん


10月15日(木)

19年1月27日(木)(2)

空と云い何もなきかに思えども笑いもするし涙も降らす

願わくはイエスと共に生きゆかん罪深き身を磔(はりつけ)にして

死を生の終わりと見ないでむしろ死は新たな生の初めと見たい

子を妻は施設へと言う見るといい押し付けてきた透析の妻に

10月14日(水)

19年1月27日(木)(1)

このごろは渚を歩くが癖となる潮(うしお)の香り波の語らい

わたくしの孫ではないが抱っこしてあやしていたら怒りおさまる

業績の良しと悪しとに関わらず月出(い)でており今宵満月

障害のわが子を叱るその自分を夢のなかにて見ているわたし

10月13日(火)

19年1月26日(水)

悠久の過去から未来連なれる一閃光となれよわたくし

朝(あした)より寒の雨降る停泊の港の船は灯りともせり

おだやかな海こそよけれ砂浜を打ちつ戻りつたゆたいている

西行にもうじき会える気がしてる一緒に今年は桜を見よう

西行と桜を見よう西行のこころになってさくらを見よう


10月12日(月)

19年1月25日(火)(2)

会社より車のカギを握り絞め帰宅をせんと四五分歩く

昨日より温かい今日暗闇に車のカギをしっかり握る

「ためらいて三年日誌を買いました」九十二歳の歌友(かゆう)の便り

七十で短歌の種を植えた友二十年経ていま花盛り

久々に憲法九条条文をそうだそうだと読み進みゆく

10月11日(日)

19年1月25日(火)(1)

よく晴れた温かい朝おもいっきり深呼吸して出勤をする

自動車のカギをしっかり握り締むこれがなければ運転できない

この場所でやるだけやろうどうにでもなれというのと違う気がする

現金は生き物だから人間のすきを狙って過不足起こる

現金の過不足調べ三十年不思議なカンが働いてくる


10月10日(土)

19
1月24日(月)(2)

今日こそはわが行動に自信ない車のキーがなくなったんだ

鮮明に金庫のカギを仕舞ったと日常業務なのに浮かんだ

電話してやはり分かったわがカギは会社のカギといっしょにあった

朝にする予定をせずにいた間にすっかり雲がはびこっていた

真っ白な冬の空から透明となって雨ふる寒の雨ふる

神の子は哀しからずや四十日断食をして荒野さまよう

10月9日(金)

191月24日(月)(1)

銀行の用事がなくて帰宅まで車に乗らず静かな一日

潮風の強まる暗い駐車場初めてカギのないことを知る

仕方なく会社に帰り探してもどこにも車のキー見つからぬ

朝からの行動あらかた無意識にしているようだ思い出せない

スペアーのキーを会社に持ってきた妻にお礼を丁寧に言う

10月8日(木)

19年1月23日(日)(2)

何故なぜだなぜ分からない赤い花赤い花の種から咲くのを

わが庭の紅梅はまだ遅咲きの白梅がもう咲き始めてる

みな枯れてある安らぎにおるものを何を待つのか一本の松

10月7日(水)

19年1月23日(日)(1)

辞めたいが辞められない逃げるようで辞められないんだ今の心境

ぴったりと蓋をしたように冬空を雲が覆っている山間の里

山里をすっぽり覆う白雲の上に動かず太陽がある

都会へとただ憧れていた頃は古里などは思わなかった

10月6日(火)

19年1月22日(土)(2)

キリストは生きているんだ霊として霊を宿した肉体として

休日の工事現場にショベルカー首垂れている土を噛んでる

休日の工事現場の新土(あらつち)を枯れた薄が囲んでなびく

よく晴れた空をトンビが飛んでいるそれをゆっくり眺めるわたし

10月5日(月)

19年1月22日(土)(1)

ユーラシア大陸のような雲が湧き山間の里光奪わる

潮風に枯れたヤシの葉垂れ下がりカレた音たて幹を打つんだ

サラリーの語源を塩と言ったけ島田修二さんも亡くなる

確かに俺には塩が足りない辛く厳しい純白の塩が

10月4日(日)

1月21日(金)(2)

いい加減に書いてた漢字歯の字など止と下をくっつけていた

「何をする」「金を数える」「それだけか」「それが仕事だ」「楽な仕事だ」

疲れたるわれを待ってていてくれたもの言えぬ子は風呂に入ると

人厭(ひといと)うこころいつしか癒されるもの言えぬ子と風呂に入って

10月3日(土)

1月21日(金)(1)

子の着るは妻のセーター小さくも喜んでいる匂いなど嗅ぎ

昨日のこと一昨日(おととい)のこといつまでの過去を引きずり生きてゆくのか

快晴の今朝の天気も沖合いは小山のような雲が湧いてる

青空に淡く残った昼の月気がつく時はいつも半月

昼の空淡く残っていた月か寒風の夜鋭く光る

10月2日(金)

1月20日(木)(1)

大学の頃から変わらず使ってるMG5(エムジーファイブ)のスキンクリーム

歯を磨かず顔も洗わず三郎は清潔でなく誠実なんだ

三郎をさも汚(きたな)らしいもののごと扱いしなり有体(ありてい)に言えば

不潔など存在しない心障の三郎の世界美しからん


10月2日(金)

1月20日(木)(1)

床に落ち土に落ちても食べ物を大切にする三郎なのだ

暗闇に長く棲みたるわが眼(まなこ)つぶれるだろう神の光で

何故こうも汚れてしまった清潔はうわべだけなら簡単なんだ

領収書があるとかないとか問題は何のために使ったかなんだ

10月1日(木)

1月19日(水)(2)

夢見たい夢がなければ生きられない夢は覚めると知っているけど

あまりにも物が溢れて圧迫するこころが見る見るしぼんでしまう

どうか 少しぐらいの空腹は耐えて質素に暮らせるように

借りること考えるのはやめにして収入にあった暮らしをしよう

ごまかしがあるから結局儲からない根本的に間違っている

諸経費のつけを会社に回してる経営するのは君なんだよ