今日の短歌NO.9
 わたしの歌歴(後藤人徳)
 昭和59年「賀茂短歌会」入会。現在編集発行人。
  歌集:「母胎」、「祈り」「わが家の天使」

以下に紹介します作品は、作ったばかりのものをそのまま書いています。推敲の手があまり入っていません。未完成の部分が多々あると思いますが、参考にしてもらえれば幸いです。...作者より
この先は楽観論に基いて生きゆくことを始めんとする

短歌は、三十一音からなる小さな世界です。その中に自分の思いを込めます。ですから、時間はなかなか織り込めない。今の一瞬、一瞬を歌うしかないのではないでしょうか。そう思います。また、そのように作っています。

平成20年今日の短歌NO.3 平成21年今日の短歌NO.1 平成21年今日の短歌NO.2 平成21年今日の短歌NO.3

 平成21年今日の短歌NO.4 平成22年今日の短歌NO.1 平成22年今日の短歌NO.2 平成22年今日の短歌NO.3

短歌と私:高野公彦 田井安曇 五島美代子 五島 茂 岡野弘彦 田谷 鋭 塚本邦雄 土岐善麿 福島泰樹 前 登志夫 前川佐美雄 安永蕗子

短歌鑑賞:石川啄木(1) 大野誠夫 塚本邦雄 岡井 隆 前田夕暮 上田三四二(1) 上田三四二(2) 宮 柊二 斎藤茂吉(1) 斎藤茂吉(2) 

斎藤茂吉(3)

短歌鑑賞(発見ということ)(1)


(注)近作は二重投稿のために掲載を遠慮します

11月30日(月)

2月19日(土)(1)

美しいものを見ようと外にでた 紅梅匂う 白梅におう

白梅はまだ三分咲き 枝先に赤き蕾がかたまっている

一音が光の粒となるまでに わが印象よ 歌となりゆけ

リューマチに冒されたるも ルノアール やわらかき線失わざりし

11月29日()

19年1月9日(火)(2)

強風に雲の散りたる空青く日はおだやかに笹の葉照らす

強き風笹原揺すりおだやかに差す冬の日を返し止まざり

強風にすすきの絮(わた)は飛び去りてわれ歓声をまぼろしに聞く

黒雲を沈む余光が染めている諦めるなよ明日がまだある

11月28日(土)

19年1月9日(火)(1)

風は止み穏かに日が差して来ぬ一月八日成人式の日

雲早く流るるさまを仰ぎいてわれも動けるごとくに感ず

正月の明けたる山のおだやかさ枯木が風とたわむれている

菜の花の咲きそろいたる畑には一月八日の日が差している

トタン屋根の剥がれし箇所が風に鳴るはや正月も明けて八日目

11月27日(金)

19年1月8日(月)

そんなにも吹くなと叱かりしキリストにあらざれば風を止める術なし

椎の木の騒げる中に忠魂碑朝の光を浴びてたちおり

強風に竹群撓うを背景に忠魂碑立つ微動だにせず

強風に千切れ散らばる木の枝が歩める道をしばしば塞ぐ

窓越しに見る竹林は無音にて打ち靡きつつ風に抗(あらが)う

冬の日が沈まんとして山の端(は)を覆える雲を赤く染めたり

赤丸の印付けたるカレンダー子は眺めおりわが休日を

11月26日(木)

19年1月7日(日)

少しずつ神は知るべしさもなくばその光にて失明をする

キリストに会いたるパウロは三日間その光にて視力失う

分らない聖書の箇所はそのままに捨て置け神が解きくれるまで

雨の日は聖書を読んで太陽のような光でこころを照らせ

雨上る山はうれしい靄かむり生まれたままの姿を見せる

雨上る空は西より晴れてゆき暮れ急ぎつつ茜色する

11月25日(水)

19年1月6日(土)

寒風にゆられて顔を日に向けるむしろ喜ぶごとき水仙

草花は日に向くことを自ずからわきまえているだのに私は

懸命に光に向きて生きんとすこの花のごとわれ生きゆかん

もろもろをあまねく照らす天つ日のごとく生きたき思い湧きくる

完全に空中に身を浮かせたり空に向かいて跳ねたる魚が

枯れ山に影差しそめる頃となりカラスの声がこころにとどく

箱根路を走りしことはなけれでも一途に尽くせし若き日があり

11月24日(火)

19年1月4日(木)(2)

長距離の逃げ切り策の難しさ今年の箱根駅伝に見る

快調に飛ばしたモグスまさかまさか大ブレーキとなりて抜かれる

箱根路を走り下れば平坦の道が登りに感じると言う

自分との戦いならん箱根駅伝二十数キロ走り抜くのは

繰上げのスタートとなりアンカーに神大選手は襷渡せず

昨年の難波選手のブレーキが力となるや順大優勝

来年の箱根駅伝競走に向けスタートがすでにきられる

11月23日(月)

19年1月4日(木)(1)

雨のあと雲のあいだに青空がのぞき始めた正月三日(みっか)

カラス鳴きその声とよむ山里の正月三日の朝明けにけり

靄立てるなかから出(い)でて鷺一羽さびしらにまた靄に隠れる

昨日の往路を思い浮べたり今日の復路に思い馳(は)せつつ

四分の貯金を一区で作れるも五区の時点でマイナスとなる

11月22日(日)

19年1月3日(水)(2)

あうんの形をとれる狛犬が安全祈願の社を守る

正月を祝うごとくに響きあうここの浅瀬の水と小石は

遠吠えの犬につられてつぎつぎとこだまとなれる正月の朝

正月も明けて二日目雲覆う東の空が桃色となる

11月21日(土)

19年1月3日(水)(1)

初夢のこと早や忘れうす靄のかかれる朝の山を見渡す

正月に梅の咲きたる年ありし昨年遅く今年も遅い

鋭心を包めるごとくうす靄が枯れたる木々の林を覆う

良きことが起こる予感と正月を働く息子にメールを送る

ぬばたまの夜を働くわが息子光に向きて生きよと祈る

11月20日(金)

19年2月18日(金)(2)

魚屋が米屋肉屋が 支払いをお願いしますと 事務所まで来る

干物屋が今日は集金に来るという 一年近く 溜まってしまった

支払いに苦しみ金に苦しむが われの定めか われの務めか

簿記論に貸方借方二面あり して貸借は同一となる

風強き日は良いことがあるごとく カモメてんでに 舞い上がってる

11月19日(木)

19年2月18日(金)(1)

両足を大地につけて わたくしは いま曇りたる空を見ている

結局は 自分の言葉 ただ今の真に自分を現すことば

紅梅は美しいけど しっかりと地に根を張りて咲いているのだ

紅梅はいまが盛りと思うけど ひよどり来たらず めじろ来たらず

全てから開放された 若き日は 波打ちぎわの砂粒だった

11月18日(水)

19年2月17日(木)(2)

餌投げる孤影の長き老いびとの 頭上に鳴きて 鴎群(むらが)る

コートなど着て 老人がかもめらに ほーれほーれと餌を投げてる

老人はかもめに何か話かけ 歓声挙(あ)げて 餌投げている

コート着て革靴履ける老人が 独りカモメに 餌を投げてる

11月17日(火)

19年2月17日(木)(1)

下田でも河津桜が咲いている 二三本なれど なにかうれしい

結局はなるようにしかならないさ なるにまかせん なるようになる

なるようにしかならないと思ったら なんだか元気が 出てきたみたい

うす曇る海面(うなも)に 今日はかもめ鳥 からだ浮かせて飛ぶこともなし

岸壁で餌を投げてる老人の 頭上めがけて カモメむらがる

11月16日(月)

19年2月16日(水)

海上をかたまって舞うカモメ鳥 ふんわり上り ふんわり下がる

「兄ちゃんは死んじまったの」と子が聞いた「お空の星になるためなんだ」

「兄ちゃんはお空の星になったんだみんななかよく生きてゆくため」

「暗ければなおさらいいよ兄ちゃんの星が夜空にはっきり見える」

妻がいぬ家に帰りて 灯(あか)り付け われ六十の齢(よわい)に気づく

11月15日(日)

19年2月15日(火)(2)

待ちぼうけしたる松かな あちら向きこちらを向いて 幹をよじれり

この先に われの求める文明があると 指差す松陰の像

紅梅に毎日来ていた目白たち 雨降る今日は 何処(どこ)におるやら

保存食持たぬ小鳥が 紅梅に来ず雨のなか どこにおるやら

小雨降る海上に舞うかもめ鳥 集いては散り ちりてはつどう

11月14日(土)

19年2月15日(火)(1)

殺人はゲームの好きな少年と ほんとにゲームが原因なのか

他人との 適応障害ある吾子を テレビゲームが慰めている

ヒヨドリが目白が蜜を吸いにくる 紅梅は今 こころ広やか

同音のことばが内で同居する 購買は仕事 紅梅は息抜き

出勤の前に愛(め)でたる紅梅が 購買となり 伝票めくる


11月13日(金)

19年2月14日(月)

何時(いつ)なりと入りなさいというようにお寺の門は開かれている

運命を受け入れし人強きかなキリストのことソクラテスのこと

西行が啄木が好き歌が好き正直が好き真実が好き

義理チョコと愛を込めてと色々にずけずけ言われチョコを受取る

給料を払ってるのは社長だと言わず黙ってチョコを受取る

星空が綺麗だなあと見上げたら三日月さんがぽつんとあった

総身に月光を浴び祈るごと紅梅が咲く冴える夜更けを

障害のわが子が施設に戻った日開放されし哀しみが湧く

11月12日(木)

19年2月13日(日)(2)

心情も 貴重なれども 定型はしょせん遊びが含まれないか

マルクスも宗教も消え 九十の歳で縋るは 歌だけという

耳はだめ 目は片目だけ だけれども負けず歌を君は求める

水音(みなおと)の響きは冴えて 茜雲(あかねぐも)映す川瀬の滾(たぎ)ち流るる

11月11日(水)

19年2月13日(日)(1)

肌荒れて冬の海岸歩いてる ヤシの木 象の足に似ている

寒さ耐え 耐えて咲きたる白梅の 五弁の花を愛(いと)しと思う

スケボーを あやつり夜の公園の道滑ってる 少年ひとり

悪いのは波ではなくて地なんだが その地の上に われら住んでる

どの枝も 枝の先まで紅梅が今年は咲いた 幸い咲いた

11月10日(火)

19年2月12日(土)(2)

いっそのこと 宝くじでも買おうかと思う心を叱りて歩く

葉を落とし寒風に身を晒す木に苔生えて瘤も目に立つ

木に添いて 春花咲かす藤づるの 冬なればただあからさまなり

流氷のところどころに青さ見え大空の海光を返す

11月9日(月)

19
年2月12日(土)(1)

老朽化したる観光施設には 雑草が生(は)え 飼い犬吠える

何時(いつ)なりと祈りは出来るいっぱいの愛を無限のこころに注ぎ

被爆した久保山さんに 励ましの手紙出したり十一のとき

日本(にっぽん)は倭(わ)の国 大和(やまと)民族で みんなもってる平和なこころ

11月8日()

2月11日(金)(2)

平成の世に本当の平和来よ それを仕遂(しとげ)げて死なんと思う

平成の世にほんとうの平和来よ みんな平らに輪となり踊る

何人の罪ない命亡くなった 広島長崎原爆により

障害の子を叱る声 籠もりがち そうだ明日は電車に乗せよう


11月7日()

2月11日(金)(1)

占いの本など買って 手を見たり 生年月日調べたりする

紅梅は 紅(くれない)の花を一心に咲かせています 神に向って

紅梅を見て美しと感じるは 神のこころがあるからだろう

紅梅に心があれば 感謝をし 声あれば唄う歓喜の歌を

11月6日(2)

2月10日()(2)

神仏を知るためならば苦しみよさあわれに来て悩ましたまえ

収入と支出の単なるバランスと言ってしまえば単純なこと

二十年前に植えたる紅梅が忘れたころにこころなごます

わが庭の紅梅に来て鳴くめじろ出勤前にしばし見ている

流氷に取り残されたシャチたちを空を見上げて思い出してる

空は晴れわたしのこころも快晴だ思わず笑いがこみあげてくる

11月5日(木)

2月10日(木)(1)

三郎が心から去ることはない生涯の子は障害のわが子

苦しみのなかった時は神様も仏様にも気がつかざりし

世の中に苦しみなくば神仏は空気のようにただようだろう

支払いに苦しむ日々が続きつつふと紅梅に見とれてしまう

11月4日(水)

2月9日(水)

花は身をみごとに捨てる西行の「身を捨ててこそ身をも助けめ」

薄日さすおだやかな朝紅梅ははちきれそうに小鳥呼んでる

啄木も西行法師も見も知らぬ他人だけれど深く身に添う

墓原にまこと相応(ふさわ)し霜枯れの薄(すすき)にものの哀れさを知る

子供らよ支払い出来る喜びもあるを決して忘れぬように

給料を当然などと思うまいわが苦しみはそれに尽きるよ

11月3日(水)

19年2月8日(火)

もしも今モーツアルトを聞けるならこころの靄も晴れるだろうに

波の音おだやかな日は沖を見てぼーとしばらく突っ立っている

簿記こそは単なる器(うつわ)会計学がこころなんだよ

紅梅の蜜吸う目白われわれはガラス越しにて寒がっている

日本を変えるは伊豆だそのマグマ頼朝起こし黒船を呼ぶ

11月2日(月)

19年2月7日(月)(2)


時価、原価低い方にて評価する「低価主義基準」われの卒論

会計はお会計ではないのです会社の財務計算なんです

戦乱の世にパシフィストだったのか西行利休は戦わぬ人

(注)パシフィストとは「戦争を軍事力ではなく、平和交渉によって解決することを主張する人」を意味する。

(「フランスの空を平和のつるが舞うとき」美帆シボ著より)

11月1日(日)

19年2月7日(月)(1)

精神の旅というのもあるだろうあこがれてゆく西行の歌

五つまで数を覚えて前を行く車のナンバー指折り示す

覆いても覆い尽くせぬ日のひかり雲の間(あいだ)を黄金(こがね)に染める

保守主義と言われイギリスより起こる低価で物をはかる方法