今日の短歌NO.15
 わたしの歌歴(後藤人徳)
 昭和59年「賀茂短歌会」入会。現在編集発行人。
  歌集:「母胎」、「祈り」「わが家の天使」

以下に紹介します作品は、作ったばかりのものをそのまま書いています。推敲の手があまり入っていません。未完成の部分が多々あると思いますが、参考にしてもらえれば幸いです。...作者より
この先は楽観論に基いて生きゆくことを始めんとする

短歌は、三十一音からなる小さな世界です。その中に自分の思いを込めます。ですから、時間はなかなか織り込めない。今の一瞬、一瞬を歌うしかないのではないでしょうか。そう思います。また、そのように作っています。

平成20年今日の短歌NO.3 平成21年今日の短歌NO.1 平成21年今日の短歌NO.2 平成21年今日の短歌NO.3

 平成21年今日の短歌NO.4 平成22年今日の短歌NO.1 平成22年今日の短歌NO.2 平成22年今日の短歌NO.3

短歌と私:高野公彦 田井安曇 五島美代子 五島 茂 岡野弘彦 田谷 鋭 塚本邦雄 土岐善麿 福島泰樹 前 登志夫 前川佐美雄 安永蕗子

短歌鑑賞:石川啄木(1) 大野誠夫 塚本邦雄 岡井 隆 前田夕暮 上田三四二(1) 上田三四二(2) 宮 柊二 斎藤茂吉(1) 斎藤茂吉(2) 

斎藤茂吉(3)

短歌鑑賞(発見ということ)(1)


(注)近作は二重投稿のために掲載を遠慮します

3月31日(木)

7月13日(金)

行けるだけ行ってみようかそうしよう先へ先へと振り返らずに

どの党と言わないけれどどうしても労働貴族をわれは許せぬ

泥沼を這い出すことは易(やす)けれどなんとか清くしたいんだよ

ほんとうは如何(どう)にもならぬ泥沼をどうにかするが政治じゃないか

3月30日(水)

19年7月11日(水)

一年のパートを終えて正社員に昇格をした息子の電話

重々(おもおも)と杭打つごとき雨のなかに虫も蛙も打たれておらん

施設へと子がもどりたり今日からは金曜日まで安眠できる

肌寒くなりたる今宵毛布などかぶりパソコン打ち続けゆく

3月29日(火)

7月9日(月)

夜半(よわ)起きて散歩に行かんと誘う子をなだめていたり午前二時半

施設より帰りて夜半に起きる子のペースに馴れて早起きとなる

朝の5時旅館に鮎を届け行く友が車に手を振っている

歌作るために生きるや生きている証(あかし)としたいわれは短歌を

早朝の台所より妻の声蛇口壊れて水止まらない

四十年(しじゅうねん)使いし蛇口取り替えるここだけまるで新築みたい

3月28日(月)

7月7日(土)

亡夫より贈られたると友見せる大正時代の啄木歌集

函館の旅に発ちたり八度目の猪年を迎えたる友

わが妻と同じ干支(えと)なる歌の友三まわり上の九十六歳

函館の旅よりはがき届きたり九十六の友の書きたる

念願の函館に着き啄木の史跡巡ると九十六にて

3月27日(日)

7月2日(月)(2)

山巡りたどり着きたる自販機に調整中の紙貼られおり

自閉児のわが子の住める世界あり言語機能は使わずにして

鑑三の力の籠もる聖句にてわれの心は満たされてゆく

キリストのみ名を心に越えてゆくこの生きにくき世の荒波を

3月26日(土)

7月2日(月)(1)

参議院選挙加熱し争うや同じ小さな島びと同士

蒸し暑き伊豆の山々小雨降り蒸気のごとく霧立ち昇る

川からの風吹きくれば蒸し暑き午後の体の汗を押さえる

空梅雨(からつゆ)を象徴するか赤錆びて群生をするあじさいの花

3月25日(金)

6月27日(水)

パソコンの前に座りて目をつむる歌のひとつも浮かび来(こ)ぬかと

社保庁の実務をなすは労働者その責任を組合は取るか

この国の根底をなす労働者その責任を組合よ取れ

組合の衆を頼みて君臨す労働貴族と呼ばれる人ら

組合を悪しざまに言うわれこそは若き日そこで生きて来た者

3月24日(木)

6月26日(火)

全身に雨粒をつけ紫陽花が試練のあとのごとくかがやく

石を噛むごとき歌集の「山西省」わが魂に沁み入っってくる

政治とはむしろどろどろしたるものわれは思うよ大和田議員 

帰園日の子は早速に窓を閉めドア閉め部屋に籠り始める

3月23日(水)

6月25日(月)

施設より帰り興奮している子やはり自宅が良いのだろうか

世の中の流れがクリーンに向かってる政治にしても経済にしても

偽りで生きゆくことが難しい世の中になるそんな気がする

3月22日(火)

6月23日(土)

「山西省」読みすすみゆき感じたり苦しくもいまだわれは人なり

戦争の悲惨を思う人として生きえることを幸いとして

生きている証(あかし)となるや今日もまたブログ書き込む誰にともなく

3月21日(月)

6月21日(木)

傍らの椅子の老人突然に「わしが最初」と列に割り込む

問診で介護あるいは認知症らしきことなど質問される

潮の引く初夏(しょか)の浜辺を歩みつつしきりに渇くものを感じる

手に余り子の世話をまた押し付ける透析終えて帰りたる妻に

3月20日(日)

6月18日(月)

欲張るは卑しき性(さが)かあれこれと書物を積みて時に追われる

命日が巡り来たりて「悲しき酒」唄うひばりがまた涙ぐむ

平等のものの一つぞこの時間あくせくするな心貧しく

3月19日(土)

6月16日(土)

此処(ここ)と決め根を張る松か断崖のそれも巌の上というのに

岩つかみあらわとなれる根の松よここに生きるか生きるほかなく

風荒く岩ばかりなる崖の松ひたすらなるも口惜しくはないか

潮風に身をよじりいる松の木は今日も無言に崖を見下ろす

3月18日(金)

6月15日(金)

点滅の信号駆けて渡りたりかく彼岸への道も急ぐか

ひと山を覆い咲きおる紫陽花の花見終りて冷える思いす

「なぜ短歌」わたしの問いに「縋るもの」と九十六歳の友即答す

来月は旅行で歌会は欠席と九十六歳の友が告げたり

3月17日(木)

19年6月10日(日)

栗の花すっかり伸びて覆いたる中学校の坂道匂う

真直ぐに花弁を上に向けて咲く白き十字のどくだみの花

忠魂の魂(たま)鎮めんと紫陽花が青紫の花咲かせおり

3月16日(水)

19年6月7日(木)

軒下にトマトを植えて喜びしアパート暮らしのころの思い出

職責は全うするが先のことは責任取れぬ取りようがない

何もかも失いし後泥の中を這い上がりしかわが親の代

3月15日(火)

6月6日(水)

佑ちゃんと同じ日と妻喜びて6月6日に還暦迎える

結局は一人一人の問題だ愚かな民にはおろかな国家

伝統の早慶戦か若き日は慶早戦と言いて出掛けし

栗の花甘く匂える路を行く充実の秋いまだ遠しも

3月14日(月)

6月3日(日)

中学の同窓会に出席す大学時代のクラス会はやめ

歌作る友に酔いきて説教す短歌は遊びでないと何度も

カラオケを歌い酒飲み金繰りのことはすっかり忘れていたり

3月13日(日)

6月2日(土)

毎年のことにはあれど6月の売上げ増えよふえよと願う

売上げが4月激減5月また悪く6月の金繰り苦し

わが性(さが)の故かあるいは何ゆえやかくも苦しむ原因はなに

3月12日(土)

6月1日(金)

月末をなんとかかんとか乗り切った小雨に濡れてしばし歩めり

結局は人の情けにすがりたり支払い延ばし給料のばす

生活が掛かっているという言葉給料延ばすたび聞かさる

3月11日(金)

5月31日(木)

政治こそ泥こね稲を植えること稔りの秋は結果に過ぎぬ

政治こそ人の世の事ドロドロとしたる泥田をこねるに似るか

泥の田を這いつくばって稲植えるわれの短歌よそのようであれ

竹林の静かなさまよ重々と悔いいるごとく頭を垂れる

3月10日(木)

5月30日(水)

何もかも当然のごと過ぎてゆくあたりまえなるか人生はみな

何をああ訴えるのかどろりとした眼(まなこ)を向ける松岡大臣

はにかみとも思える笑みが映りいるすでに自死してこの世におらぬ

悪人でないとわたしは答弁で直感しました松岡大臣

マスコミよこれでいいのか君たちが追いつめ自死に追い込んだのだ

マスコミはまったきものか大臣を追いつめ自死をさせるほどにも

世論とう得体の知れぬ怪物に殺されたんだキリストもまた

3月9日(水)

5月28日(月)

機械にて植えられし稲は小さくて整然として皆行儀よし

大陸の黄砂が千の風に乗り伊豆半島の下田に降るか

何日もわれの頭を悩ませし三万円の不明判明

不渡りにならず済みしも月末の金繰りほとほと自信なきなり

3月8日(火)

5月25日(金)

点滅の信号を慌てて渡りたりかく彼岸への道も急ぐか

手もとより離れし金は生き物のごとくに動き追跡できぬ

原因の掴めぬ現金不足金金庫管理はわれの仕事ぞ

現金の不足は出金伝票のもれと思えど見つけずにいる

3月7日(月)

5月23日(水)

三万円金庫の金が合わなくて再度最初に戻り数える

三万円金が合わない休み明けの常に感じるプレッシャーぞこれ

拙くも己が言葉で歌作るキラキラしたる言葉嫌いだ

金銭の管理はわれの仕事にて合わざることが心に残る

金銭の合わぬのは己が責任と弁償するは容易(たやす)けれども

一日のわが行動を監視するカメラがあればよろしきものを

3月6日(日)

5月21日(月)

草の道踏みて歩めば爪先に湿りてきたり清き朝露

草原にあまねく朝の光差し葉先の露に命生まれる

水田に映るわが影ことのほか鮮やかなる色澄める水面(みなも)に

忙しきときこそ真(まこと)の歌生(あ)れよ生きる命の歌よ生まれよ

3月5日(土)

5月19日(土)

苦しきは歌にすがらん歌にして心の中を明らかにせん

エサ運びに励みおりしが軒下に骸(むくろ)となりて燕横たわる

身代わりに死にし燕か軒下に今朝は骸となり身を晒す

輝きてさえずりおりしつばめなり綿くずのごと骸となれり

3月4日(金)

5月18日(金)

自販機の売上金も掻き集め不渡り回避の資金に当てる

銀行にすでに回わった小切手を戻してもらう交渉をする

不渡りにせずになんとかおさまるも朝より背中に鈍痛がする

傍観者たるを拒否して苦しみに対(むか)うはわれのボケ防止策

3月3日(水)

5月15日(火)

歌作る人に悪人いないから入会理由を聞けば答える

身を守る鎧欲しいと思いつつ蟹亀貝の歌を作るか

長生きの秘訣は心を保つこと九十六歳歌友の言葉

3月2日(水)

5月14日(月)

麦秋というなつかしき言葉あり庭に数株育ち靡けり

言わなくてもいいことをまた口にせり正直なれば許されるのか

何言うか分らない時がいまだありわが性(さが)なればいたしかたなく

中也の詩「よごれてしまった悲しみに」汚れていない中也のこころ

真実のことば守れる人々の細き流れを「アララギ」に知る

3月1日(火)

5月11日(金)

カラオケで熱唱したる清(すが)しさはただひと時の楽しみと知る

カラオケの演奏に酔い歌いたり遊びにすぎぬそら言の歌詞

たとえわが拙き言葉つづるとも短歌で伝えんわれのこころを

わがこころ伝えるために演奏はいらず片こと言葉で足りる