今日の短歌NO.16
 わたしの歌歴(後藤人徳)
 昭和59年「賀茂短歌会」入会。現在編集発行人。
  歌集:「母胎」、「祈り」「わが家の天使」

以下に紹介します作品は、作ったばかりのものをそのまま書いています。推敲の手があまり入っていません。未完成の部分が多々あると思いますが、参考にしてもらえれば幸いです。...作者より
この先は楽観論に基いて生きゆくことを始めんとする

短歌は、三十一音からなる小さな世界です。その中に自分の思いを込めます。ですから、時間はなかなか織り込めない。今の一瞬、一瞬を歌うしかないのではないでしょうか。そう思います。また、そのように作っています。

平成20年今日の短歌NO.3 平成21年今日の短歌NO.1 平成21年今日の短歌NO.2 平成21年今日の短歌NO.3

 平成21年今日の短歌NO.4 平成22年今日の短歌NO.1 平成22年今日の短歌NO.2 平成22年今日の短歌NO.3

短歌と私:高野公彦 田井安曇 五島美代子 五島 茂 岡野弘彦 田谷 鋭 塚本邦雄 土岐善麿 福島泰樹 前 登志夫 前川佐美雄 安永蕗子

短歌鑑賞:石川啄木(1) 大野誠夫 塚本邦雄 岡井 隆 前田夕暮 上田三四二(1) 上田三四二(2) 宮 柊二 斎藤茂吉(1) 斎藤茂吉(2) 

斎藤茂吉(3)

短歌鑑賞(発見ということ)(1)


(注)近作は二重投稿のために掲載を遠慮します

4月30日(土)

19年10月12日(金)

黄の色に空地うずめる泡立草あわただしくも秋を深める

畑隅(はたすみ)に静かに揺れるコスモスのごとくにあれなわれの短歌は

耐えたえてなお耐えたえて耐えたえて快楽(けらく)のごとく死にゆくらんか

4月29日(金)

19年10月9日(火)

吾が語る言葉はすでに語られし言葉のたんなるコピーならずや

ほそぼそと啼く虫の声静かにてわがたましいに沁み入るごとく

コスモスが色とりどりに咲き乱れ休耕田が花園となる

完璧に整備されたる庭園に彼岸花ひとつ朱を点じたり

国民が賢くなればだんだんに政治に金が不要とならん

4月28日(木)

19年10月7日(日)

豊作を祝うごとくに雀らが群れをつくりて舞い移りゆく

五分ほど進めていたる腕時計がぴったり合わせて置かれていたり

残されし道は一つか一心にどこまでもただ信じて行くか

水を見て憩えるものかせせらぎのきこゆる川ののホテルに目覚む

4月27日(水)

19年
10月3日(水)

衆をもて抗議すること少年の頃より今にわれは嫌悪す

宰相をあれやこれやと罵倒する思い上がるもたいがいにせよ

マスコミがよってたかって暴(あば)き出すそれが真実正義であるや

民主主義より地球主義民族主義より人類主義だ

新しき月を迎えて早速(さっそく)にいかにやり繰りするかを思う

先月の売上減が今月の金繰りに即く響く現実

前年比大幅減の売上にこれではとてもやり繰り出来ぬ

4月26日(火)

19年10月1日(月)

紀元前スパルタカスの叛乱よ烏合の衆と化して終われり

激突の車二台が撤去され小雨の舗道は虹色となる

感謝するしかないだろう金なくもどうにか今を生きていられる

4月25日(月)

19年9月29日(土)

ぎすぎすとし過ぎはせんか粗(あら)探しばかり横行(おうこう)し過ぎはせんか

もう一度まるごと政治を信じよう粗(あら)は自然と現われてくる

軋む音たてこの今も北極の氷の山が崩れておらん

金繰りの目処(めど)たたぬまに夜半となりむしろ倒産を望める心

地球規模の破壊のすすむ現状に国が分裂していてよいか

平和ぼけしたる意見とわれ思う二大政党化などというのは

労組は今や特権階級と零細企業のわれらは思う

4月24日(日)

19年9月26日(水)

病(やまい)にてやつれし顔に切せつと若き宰相国民に詫びる

日本を二分させんとする意見小沢一郎をわれは好(す)かない

主義主張捨てて集る野党らの烏合の衆と化すを見ている

あの世へと続いているや両側に彼岸花咲く一本の道

不安なる心地きざすは父母(ちちはは)が心ただせと諭す声かも

温暖化嘆きおれども彼岸花時を違(たが)えず咲き始めたり

4月23日(土)

19年9月21日(金)

苦しみの形をもちて襲うのか究極的な神の救いは

苦痛とは何かこれこそ究極の神の恵みと思いやすらぐ

彼岸花咲くころとなりここにまた心新たに誓うことあり

空論に時間税金費やすな無駄だ一円領収書など

4月22日(金)

19年9月18日(火)

紫の小花があまた降りており高く伸びたる葛の蔓より

日本の格差世界の格差あり格差是正か政治というは

自爆して目的達するテロリスト彼らに対し何が出来るや

「変革は伊豆より起こる」その証(あかし)頼朝がおり黒船がある

4月21日(木)

19年9月14日(金)

憂い持ち歩めるわれを励ますと川瀬はとどまらなくに流るる

美しき日本(にっぽん)といううつくしき言葉残して安倍首相去る

濁流に頭を出せる岩の上白鷺が一羽動くともなし

資金繰りの悩みの果(は)ての不眠症むしろ倒産するを夢見る

4月20日(水)

19年9月11日(火)

劣悪な境遇こそは人間を目覚め励ますものとこそ知れ

アカシヤの幹真中(まなか)より裂けたるを日曜の今日片付けんとす

世に勝てるイエスに従(つ)きてどこまでも生きゆくわれか死にゆくわれか

この先になに待つらんか世に勝ちしイエスにつきて見極めんとす

4月19日(火)

19年9月9日(日)

東京の友に会わんと久々の電車に憩う孤独なる時

昨日の嵐の名残り倒木の目立つ林を車窓に眺む 

杉林檜林の倒木よあらかた根こそぎ倒れ伏しおり

台風の高波伝えし稲取港おだやかに日を返し輝く

台風は跡形もなく消え去りてただ平板の海原つづく

台風が過ぎ二日目の多摩川は濁流のままうねりを打てり

4月18日(月)

19年9月8日(土)

一生を賭けて悔いなきこの言葉「美しき日本」永久(とわ)にあれかし

アカシヤの幹折れコニファー数本が倒れ雨戸が飛ばされている

わが庭のアカシヤの木の太幹が中ほどよりぞ折れ曲りおり

コニファーが四五本風で倒れてる小さき苗より育てしコニファー

わが部屋の雨戸一枚飛ばされしこともわからず眠りていたり

4月17日(日)

19年9月4日(火)

曜日とか年齢とかで値を下げるその商法に慣らされている

ポイントが五倍セールというけれど値札が高くなっていないか

「流す」とは汗を流すにあらずして力を抜いて走るをもいう

4月16日(土)

19年8月28日(火)

生活に文学などはいささかも関りのなく過ぎし若き日

肉体を最優先に考えてボディビルなどしたる若き日

桐の木の下でしばらく涼みたり今さらに知る大きその葉を

軟弱なる文学老人になるなかれ生活をせん歌よりもまず

4月15日(金)

19年8月27日(月)

木のごとく蟻のごとくにありのまま生きる人生自然な人生

泥に生きいま美しき花咲かす蓮でありたし辛ければなお

題詠「壷」

滝壺に落ちて揉まれるもみじ葉にたとえられたる人生もあり

題詠「机」

代謝なく机の上に積まれてる死体の如き数数の本

4月14日(木)

19年8月26日(日)

聖句にて心を飾り詩歌にてこころを飾り神に離れる

物事に二面があればわが心執着なるか粘り強さか

やり残すことあるごとく思いして不意に目覚める午前一時を

4月13日(水)

19年8月23日(木)

広陵に敗れたけれど最後まで常葉菊川粘り見せたり

耐えに耐え勝ち進みたる佐賀北よ満塁ホームランにて優勝す

満塁ホームランだってあるんだな先の分からぬ人生だもの

4月12日(火)

19年8月20日(月)

佐賀北の帝京の文字泥まみれ戦う清き球児の胸に

延長戦再試合また延長戦耐えに耐えたり佐賀北高校

生きぬけよ力の限り生きぬけよ生きてこの世の行く末を見ん

4月11日(月)

19年8月19日(日)

何かしら不思議な力を感じたり常葉菊川の逆転勝利

勝ったのでなくて勝たせてもらったのだ常葉菊川感謝をしよう

里芋の葉は枯れ風に揺れておりアフリカ象の耳にも似て

伝統を守りてゆくも意義あらん観光客と祭り楽しむ

日に一度聖書のことば書きてゆく写経と言ってもいいかもしれぬ

4月10日(日)

19年8月15日(水)

七日(ななにち)の命惜しみて啼く蝉よ啼け啼けなけよ涙ながさず

係留の船のぎしぎし軋む音が生き物めきて闇に聞える

花火にも経費節減及びたり量も時間も短縮となる

いっせいに打ち上げられて口々に最後の花火と言いて見ている

4月9日(土)

19年8月14日(火)

栗の木にあまたの栗の毬(いが)見える心豊かな秋を待つべし

朝早く歩きなさいと医師が言う中性脂肪燃やさんがため

検診で中性脂肪を指摘さるもっともわれが忌みし脂肪を

暑さ言い不平を言うか灼熱のなかの球児のその姿見よ

過ぎたるは及ばざるがごと過ぎるなよ勝ちすぎるなよ常葉菊川

いつよりかわが里に住む五位鷺が夜更けの空を鳴き渡りゆく

美しき日本(にっぽん)となれこの国を守り散りたる英霊のため

4月8日(金)

8月12日(日)

人間の一人びとりに差があってそれで初めて平等ならん

六日間待ち届いたる冷蔵庫なお冷えるまで四五時間待つ

木々の間(ま)を抜けて来た風天然のクーラーみたいと妻汗を拭く

4月7日(木)

8月9日(木)

約束の支払期日過ぎたると係員来ぬ電気を止めると

蝉ならば一心不乱に啼くものをそれは出来ない人間われは

フロントで電話が長く鳴っているわたしを当てにしてはいかんぞ

わが子らよ一人前の大人としさあやりなさい責任をもって

4月6日(水)

8月7日(火)

被曝せし木々に葉はなく澄み渡る星の夜空の広がりを言う

灼熱の陽射しをむしろ喜ぶか百日紅は花を咲かせて

スーパーにドラックストアーに尋ねてもドライアイスはどこにもあらず

4月5日(火)

8月5日(日)

人間の歴史の中で微細なる塵なるわれか平和求めて

人間の喜怒哀楽に関わらぬスピリチュアルな短歌出て来い

直ぐ顔に喜怒哀楽を表すははしたないけど正直なんだ

正直を尊(たっと)びながら同様につつしみ深さも尊ぶ日本

4月4日(月)

7月31日(火)

参院選あの興奮はなんだった雷雨轟く夜明けに思う

自民党大敗北の現実を一夜明けたる朝実感す

雷が落ちたみたいだ大音響有線テレビの画面消えたり

自民党大敗に似て雷の落ちたる後の停電に居る

4月3日(日)

7月30日(月)

日本の危機的今を救わんとわれ一票投じ終えたり

日本をいや世界地球を救わんの思いを託す政治家ありや

日本の小さな島でいがみ合う異常気象の灼熱のなか

地震あり株の暴落サッカーも負けてしまえり政治はいかに

ペテン師に失言はなし粗(あら)ばかり探す巧みにわれ騙されぬ

4月2日(土)

7月29日(日)

施設へと迎えに行きたるわれ見つけ駆け寄りて来るわが子の顔が

親の顔遠くに見つけ駆けて来るどの子の顔も輝きながら

生活の中から自然と生まれくる歌こそ短歌と文明が言う

4月1日(金)

7月16日(月)

大型の台風近づく報聞きて雨止み静まる闇を見ている

雨止みて虫すだくなか轟々と川の流れる音聞こえくる

輝けよこの一瞬よ積み上げよこの一瞬をこの一瞬を

台風の通り過ぎたる山の蝉時を惜しみていっせいに鳴く