今日の短歌NO.17
 わたしの歌歴(後藤人徳)
 昭和59年「賀茂短歌会」入会。現在編集発行人。
  歌集:「母胎」、「祈り」「わが家の天使」

以下に紹介します作品は、作ったばかりのものをそのまま書いています。推敲の手があまり入っていません。未完成の部分が多々あると思いますが、参考にしてもらえれば幸いです。...作者より
この先は楽観論に基いて生きゆくことを始めんとする

短歌は、三十一音からなる小さな世界です。その中に自分の思いを込めます。ですから、時間はなかなか織り込めない。今の一瞬、一瞬を歌うしかないのではないでしょうか。そう思います。また、そのように作っています。

平成20年今日の短歌NO.3 平成21年今日の短歌NO.1 平成21年今日の短歌NO.2 平成21年今日の短歌NO.3

 平成21年今日の短歌NO.4 平成22年今日の短歌NO.1 平成22年今日の短歌NO.2 平成22年今日の短歌NO.3

短歌と私:高野公彦 田井安曇 五島美代子 五島 茂 岡野弘彦 田谷 鋭 塚本邦雄 土岐善麿 福島泰樹 前 登志夫 前川佐美雄 安永蕗子

短歌鑑賞:石川啄木(1) 大野誠夫 塚本邦雄 岡井 隆 前田夕暮 上田三四二(1) 上田三四二(2) 宮 柊二 斎藤茂吉(1) 斎藤茂吉(2) 

斎藤茂吉(3)

短歌鑑賞(発見ということ)(1)


(注)近作は二重投稿のために掲載を遠慮します

5月31日(火)

19年12月12日(水)

人殺し平気なわけがないだろう苦しんでるよ人間だもの

われは今生かされている当然のことにはあらず有難きこと

大切な多くのことを見逃して来たかも知れぬただ今もなお

われが今出来うることは一心に神を信じて身をまかすこと

5月30日(月)

19年12月11日(火)

境遇を変えることのみ求め来て瞬時も心休まらざりし

境遇を受け入れ生きる生き方に見えざる神の加護はあるべし

生きがたき会社を生かす方法もあるやも知れぬ人知を超えて

絶望は何時でも出来る身をゆだね身を置いてただ生きて生き抜け

5月29日(日)

19年12月10日(月)

地に敷きし葉は褪せれども瑞みずといちょうは立てり裸木(らぼく)となりて

夕ぐれのもみじの山は何となくけもののごとくなりて眠れり

夕ぐれの風なき道を歩み行くもみじの山は眠りにつきて

夕ぐれの山のかたちよおだやかにねむりにつける人の顔して

5月28日(土)

19年12月7日(金)

曇り日(び)の水平線は何故こうもかがやくのだろう未来のごとく

黒雲が野牛のように駆けてゆくピンクに染まる夕ぐれの空

朱に染まる飛行機雲が垂直に夕ぐれの空に昇りてゆけり

マイナスはプラスへの道艱難(かんなん)は歓喜(かんき)への道今日(きょう)からの道

5月27日(金)

19年12月6日(木)

もみじする山を背にして中学の白き校舎が西日に光る

かんかんと晴れたる空の風の日よこれが最後と紅葉(もみじ)華やぐ

マイナスはプラスへの道艱難は歓喜への道今日からの道

艱難をわれに与えよかたく神を信ずる心が湧きくるゆえに

5月26日(木)

19年12月5日(水)

紅葉(もみじ)する山に負けじと雲の峰あかねに染まり夕ぐれんとす

授かりし命守りて粛々(しゅくしゅく)と生きるほかなし悪あがきせず

紅(くれない)の色に染まりし柿の葉を落して風の通り過ぎ行く

もみじ葉の山はすっかり闇となり入り日の光ほのかに残る

5月25日(水)

19年12月3日(月)

まだ二時を回りしばかり早々にわが家の鶏(とり)はとき告げて鳴く

四方(よも)の山朝の日を浴びわが家の一角ばかりがいまだ翳(かげ)れり

築二十六年経ちしわが家のベストの屋根に青苔見える

濯ぎ物干してる妻か柿の木の間に見えていやに小さし

朝の日を存分に浴び対岸の未(いま)だ翳れるわが家を見る

防災の訓練告げる広報が山に響きてこもごも聞ゆ

広報の声につられて吠えたてる犬の声また山にこだます

二時間をマラソン選手と共有し心燃やせり炬燵のなかで

5月24日(火)

19年12月2日(日)

わが庭の楓もみじ葉色づきて小雨の止みし朝の日を受く

しずくするその赤き色日を受けて師走の庭に鶏頭の花

コスモスの枯れし傍(かたえ)に鶏頭の花は炎のごとく咲きおり

西向きの枝はあらかた葉を落とし銀杏は風に争(あらが)いている

このごろは紅葉(もみじ)がいやにいやらしく未練がましく思われるわれ

 5月23日(月)

19年12月1日(土)

水道が止められちゃうから給料を下さいというタバコ吸いつつ

そんなにもタバコ吸わずにもう少し自分のことを大事にしなよ

四十年(しじゅうねん)ぶりに再会した友と楽しみおるや今日のクラス会

クラス会幹事のわれは欠席し月末今日の金繰りをする

5月22日(日)

19年11月28日(水)

空覆う雲のもとには色増せる紅葉の山落着きており

目印となるも一時(いっとき)黄落のときを迎えるこの大銀杏

殺虫剤などの薬に頼る世か昔は蚊帳を吊りて足りしに

無農薬野菜とむしろ誇らんか穴だらけなるキャベツ白菜

今週は風邪ぎみなれば大人しく家に籠もりて子はテレビ見る

帰宅日の子は風邪なれど真夜中に毛布をかぶりテレビ見ている

休日はあれもこれもと欲張りて計画するもあらかた出来ず

5月21日(土)

19年11月25日(日)

子の歌をまとめ歌集を作らんと思い定めて三年が経(た)つ

仕事には詩作は無駄か詩作には仕事は無駄か無駄も良しとす

朝日受け霜置き伏せる雑草がきらきらとして目を醒ましたり

山道を先にさきにと登る子を呼びとめながら遅れ追いゆく

黄葉(こうよう)に身をつつみいる銀杏の木日の差す前にすでに華やぐ

紅葉に身を飾りおる山々に幕開けのごと朝の日が差す

煩悩(ぼんのう)の染まりしものかもみじ葉のひと葉ひと葉を掃ききよめゆく

5月20日(金)

19年11月24日(土)

温暖化地球の危機に里人(さとびと)の焚火の煙がわが家を覆う

大量の印刷物が送られてそれの処分の大量のゴミ

薔薇園を歩きつついて突然に「バラは嫌い」と言う妻の声

谷川の水は真白く滾(たぎ)ちつつ虹を作りて淵に落ちゆく

5月19日(木)

19年11月23日(金)

忙しく今日一日も過ぎ去ったほんとに心を亡(な)くしてないか

高空をゆっくり浮ぶ鳶助(とびすけ)を見上げていよう風に吹かれて

寒暖は極まりて且つ雨漏れすかかる住まいも師は良しと云う

5月18日(水)

19年11月20日(火)

子の好きな料理にことに敏感の妻がことことポトフを煮込む

青極(きわ)む葉の上にして真白なる花咲かせいるここに野菊が

所属する家友仕事なきときにはたして人はいかに生きるか

朝の日は向かいの山にまず差して夕べは長くわが庭照らす

5月17日(火)

19年11月18日(日)

釣り人が絶えたる沢に鷺一羽その長き首のばし動かず

末枯れたるコスモス畑に丈低くなお花付ける一二本あり

散るときは紅色(くれないいろ)になるんだと思い定めしごときもみじ葉

ガラス越し見ているわれに砂浜の子等のはしゃげる声は聞こえず

めいめいが一所懸命生きている時計屋の時計のごとくに

5月16日(月)

19年11月15日(金)

わが罪にあらずすべては神よりの賜物なりと思いやすらぐ

感傷に浸り歩むか夕空の雲は茜(あかね)に染まり漂う

感傷に浸れるものにあらざるも夕暮れ遠く犬の鳴き声

5月15日(日)

19年11月13日(火)

一円の領収書などあらざるが一円硬貨が一枚足りぬ

駆り立てるものあるごとく真夜中に起きてブログの書き込みをする

職を得て四十余年の大半を金の工面に費やすわれか

わが父はわれの学費をいかにして捻出せしやしみじみ思う

5月14日(土)

19年11月12日(金)

流れ雲静かに染めて夕暮れる秋より冬に移る一日

ようやくに銀杏色ずき秋の日のここのみ寺の夕べ華やぐ

秋の日の暮れ早ければ川の水空を映して赤く輝く

5月13日(金)

19年11月11日(日)

あかまんま泡立草が縄張りを持つかに場所を違(ちが)え咲きおり

出世せし友も今年で身をひくと桜落葉を踏みつつ語る

赤に黄に色を変えたる枯れし葉よ赤は怒りか黄は喜びか

芋の葉は畑の隅に枯れており収穫終えし蔓といっしょに

われは何時(いつ)枯れるのだろう芋の葉のごとくにあれななすことをなし

5月12日(木)

19年11月8日(木)

そうだあのカメレオンの目のぎらぎらとわが裡(うち)を覗(み)る金子光晴

わたくしはわたくしとして生きてゆく世の変動は変動として

金繰りは苦労でなくて仕事なり金あるなしにかかわりのなし

金繰りをするのはわれの仕事なり仕事であれば淡々とせん

激流の巌にしかと降り立ちて白鷺一羽深く静けし

5月11日(水)

19年11月6日(火)

もうすでに十一月になったんだ枇杷に小さな花が咲いてる

大量がかえって経費増となり高くなる日がくるんじゃないか

有限の資源のもとに続くまい大量生産大量消費

5月10日(火)

19年11月2日(金)

払えないと言っているでしょうあれば払いますよと背後から声

「なんだこれ」という作品を好みたり金子光晴岡本太郎

経済が優先するか変換の「タンカ」はいつも単価となりて

5月9日(月)

19年10月31日(水)

生きるとは息吸うことだ過去でなく未来でもなく今吸うことだ

力にて武力において独立を勝ち得た国ぞそれが米国

独立に命を賭けし自由にも命を賭けしそれが米国

蟻にせよコンクリの間(ま)の草にせよ諦めのなき世界ぞこれは

5月8日(日)

19年10月30日(火)

ひとたびも同じことなく押し寄せる波波なみよ飽くこともなく

生きるんだ花や小鳥や魚(うお)のごとただ生きるんだ生き物われは

必ずや生きゆく術(すべ)があるあずだ生き行くことを目標とせん

人間のやることなれば薬害もありそのことを隠蔽(いんぺい)もする

民主党の天下になれば何もかもバラ色になるか赤まんま咲く

5月7日(土)

19年10月28日(日)

無駄なこと枯葉は青葉に戻れない自分自身の歌でいいんだ

生きている私自身の言葉ならきっと青々輝くだろう

満月に向かっているとわたくしの何かが黒くかげるみたいだ

体操を今朝はラジオでやっているガラスに姿映し見ながら

5月6日(金)

19年10月27日(土)

復活だ生き返りたりもはや死の存在しないイエスキリスト

ただ今に生きていなさる過去でなく将来でなくイエスキリスト

白き色水面(みなも)に刺して鷺一羽杭(くい)のごとくに立ち尽くしたり

日本の日本人の魂を忘れぬために短歌ありわれに

5月5日(木)

19年10月25日(木)

戦いはもうたくさんだ二十一世紀もういいかげん平和にならんか

戦争は絶対だめだ絶対にノー・モアアウシュヴィッツノー・モアヒロシマ

日本が自民民主といがみ合うそれで世界をまとめられるか

米国は命をかけてテロに向くわたしはそれを忘れはしない

5月4日(水)

19年10月23日(火)

休耕の田畑に多く花咲かせ泡立草の黄の色が増す

夕やみの迫る中空だんだんに白さを増して半月のあり

夕暮の肌寒きなか定期バス無人のままに折り返したり

神々を捨てし報いか山は荒れ夜盗のごとく獣(けもの)降りくる

5月3日(火)

19年10月22日(月)

自らを心貧困と断じたり最上川辺(もがみかわべ)を廻(もとお)る茂吉

遠山に朝の光が差すさまを希望のごとき思いにて見る

自らの幸を決して疑わぬ一直線に生きる生き方

直球で真っ向勝負ビシビシとあらん限りに投げ生きゆかん

5月2日(月)

19年10月20日(土)

神知らず神を求めず若き日はただ霧の日の出来事だった

あのように虚栄虚飾に身を装いただそれだけで日々疲れたり

「ショウワ」とう言葉変換するたびにいつも最初は唱和となれり

喜びはいずこにもあり金繰りに苦しむもまた生きているゆえ

海に向き体操をする老いびとの振り上げし手に力みなぎる

なんだこれと思い旧作読んでいるまぎれなくわが作りたる歌

5月1日(日)

19年10月15日(月)

頑(かたく)なに敗戦といい終戦と言わず逝きたり近藤芳美

廃業のビニールハウスは桃色の花園となる蓼(たで)の茂りて

国会が細かきことにこだわりて蟻地獄へと落ちていく夢

粗(あら)ばかり腐肉ばかりを漁(あさ)りいるハイエナのごとき議員と思う