今日の短歌NO.7
 わたしの歌歴(後藤人徳)
 昭和59年「賀茂短歌会」入会。現在編集発行人。
  歌集:「母胎」、「祈り」「わが家の天使」

以下に紹介します作品は、作ったばかりのものをそのまま書いています。推敲の手があまり入っていません。未完成の部分が多々あると思いますが、参考にしてもらえれば幸いです。...作者より
この先は楽観論に基いて生きゆくことを始めんとする

短歌は、三十一音からなる小さな世界です。その中に自分の思いを込めます。ですから、時間はなかなか織り込めない。今の一瞬、一瞬を歌うしかないのではないでしょうか。そう思います。また、そのように作っています。

平成20年今日の短歌NO.3 平成21年今日の短歌NO.1 平成21年今日の短歌NO.2 平成21年今日の短歌NO.3

 平成21年今日の短歌NO.4 平成22年今日の短歌NO.1 平成22年今日の短歌NO.2 平成22年今日の短歌NO.3

短歌と私:高野公彦 田井安曇 五島美代子 五島 茂 岡野弘彦 田谷 鋭 塚本邦雄 土岐善麿 福島泰樹 前 登志夫 前川佐美雄 安永蕗子

短歌鑑賞:石川啄木(1) 大野誠夫 塚本邦雄 岡井 隆 前田夕暮 上田三四二(1) 上田三四二(2) 宮 柊二 斎藤茂吉(1) 斎藤茂吉(2) 

斎藤茂吉(3)

短歌鑑賞(発見ということ)(1)


(注)近作は二重投稿のために掲載を遠慮します

8月31日(月)

19年1月3日(月)

片方の目のまま納めたてしまったかダルマに片目書きつつ気づく

わが心ごまかし難たくだらければ出来たる歌はだらけたる歌

松陰の息吹(いぶき)に触れる伊豆の海荒き潮風白波立つる

フランスに平和を叫ぶ日本(にっぽん)の美帆シボさんは歌作ります

人類の平和を求め美帆シボさんコソボを歌い原爆を歌う


8月30日(日

19年1月2日(火)

正月の朝は曇れど遠山の上に黄金となれる雲あり

正月の日を覆いたる黒雲も覆いきれずに光差しくる

正月のこれが光ぞ黒雲を割りてあまねく里に差しくる

正月を祝うごとくに聞こえ来る鋭く鳴けるヒヨドリの声

新しき心となりて曇りたる空見上げみよ雲も親しき

8月29日(土)

19年1月1日(土)

新しい年が始まりあたらしく動き始める宇宙のわれは


一枚は一まいなれど日めくりの最後の一葉燦然とあり

とうとうに大晦日とはなりにけり隣家(となりや)の犬いたく吠えおり

小春日のごとき日の差す大晦日カラスが一羽舗道を歩ゆむ

8月28日(金)

18年12月31日(日)

日めくりが二枚となりぬ去りてなき三百六十三枚の日々

雲のなき空の下(もと)には静かなる師走の山が枯れて輝く

菜の花が師走の畑に咲きそろう温暖化現象などと言わぬが

8月27日(木)

18年12月27日(水)

わが内の思いは神のみ手により三十一文字となるのだろうか

孤独とは最高の時神の声が時に聞こえるような気がする

海上を上に下にと乱舞するカモメ見ている小雨の中を

8月26日(水)

18年12月26日(火)

靄のなか歩くごとくに時が経ち六十三になってしまった

会社また家族短歌に至るまで徹底できずいる今のわれ

神聖なものと自(みずか)ら言いながら日々四五首ほど作り捨てるか

自閉児のわが子を詠みし数々の歌をまとめて一冊とせん

生きたしと思い歩めばこんなにもアロエは赤く咲いていたんだ

寒風に羽(はね)を揺らせる白鷺が怒り肩させ動くともなし

8月25日(火)

18年12月25日(月)

曇り空ところどころに青空が覗くも光は閉ざされている

竜神のごとく黒雲うねりつつその全身に余光を放つ

前の歯を部分入れ歯にしてよりかまたまた舌を噛んでしまった

8月24日(月)

18年12月23日(土)

どんよりと雲の蔽える一日が終らんとして空を焦がすせり

透析の妻の体を気づかいて相槌を打つ人を謗(そし)るも

8月23日(日)

18年12月18日(月)

もみじする山を鎮めてゆくように師走の雨が静かに降りだす

あたたかき師走の雨に濡れて立つ大銀杏の樹の幹がかがやく

花の色いまだ残せる紫陽花が師走の雨に息づくごとし

軒下のわずかな土に育ちたる冬バラひとつ花咲かせたり

8月22日(土)

18年12月17日(日)

野の草に置く露のごと薄日受けわが内にあるものの輝け

尾根おおう霧に薄ら日差し込めば祈りにも似て輝き始む

ほんものの自分となるは本物を追い求めてることとは違う

自己流の手話でわが子と語りあい二十二年をともに生き来た

8月21日(金)

18年12月16日(土)

名を知らぬ観賞用の鉢植えと地下事務室に共に生きてる

路地植えのアロエが赤き花咲かせ伊豆の師走の舗道を飾る

8月20日(木)

23年11月19日(土)

荒草のなかに育ちて薔薇の木にくれない匂う花が咲きたり

待望のレコーダーを買いたるも録画をしたい番組がない

遺歌集を一週間前持ち行くも今日も記事にはなってはいない

乾燥をする季節とはなりにけりはや手に皸(あかぎれ)が痛くてならぬ

ブータンの国王王妃を歓迎すそんな日本をわたしは愛す

8月19日(水)

23年11月18日(金)

若き日のニキビの顔を思わせて柚子はゆっくり色づきている

父及び山桝(やまます)先生広津留常務わが人生を支えくれたり

先生と広津留常務は偶然に彦根高商出身者なり

卒業後四度も会社を変えたるもその都度先生に支えられたり

大学で会計学を学びしも今は短歌にうつつ抜かすか

畳替えしたる部屋にて青々としたる匂いに満たされている

8月18日(火)

18年12月14日(木)

温かき師走の朝は靄たちておだやかにわが山里おおう

一年の傷をいやしてくるるごと師走の靄があたりを覆う

枯草にこころの及ぶこの頃をなにか貴いもののごと思う

雲のなき朝のひかりがおだやかに山の囲める里にそそげり

仕事終え暗くなりたる外に出で地下事務室の明るさを知る

8月17日(月)

18年12月13日(水)

夕暮るる渚に一羽の白き鷺忙しく何か啄ばみている

死さえ乞うほどの苦しみ経し後に神の光がヨブに注がる

初心こそ大切なれど初めにはもう戻れない前向き生きよ

人の歌読まず我流を通しきて築きあげたかがらくた歌を

どう歌うよりは生き方今日一日生きたる後に歌よ生まれよ

8月16日(日)

18年12月11日(月)

葉を落とす梅の古木よ細枝で何を求める空を指差し

葉の落ちし柿の木の枝やり残すものあるごとくあまた蔕(へた)付く

夕焼けの雲が静かに移りゆきススキの原の上を覆えり

8月15日(土)

18年12月10日(日)

結局はこの小(ち)さき詩と生きるしかないと決めたる君も一人か

鋭角に枝を伸ばして雄銀杏(おいちょう)が天に向かいて葉を吹き上げる

煙立つごとくに見えし霧が消え紅葉深まる山現れぬ

8月14日(金)

18年12月9日(土)

生きている証(あかし)といえば頼もしいこの苦しみも兆(きざ)す不安も

伊豆の山地下のマグマの色に似てもみじすっかり極まりにけり

椎の木の朽ちた洞(うろ)より一本のひと抱えする若木が伸びる

8月13日(木)

12月8日(金)

生きるとはただ息すると違うだろう命とはなに生きるとはなに

いじめ苦に自殺した子よ結局は君は自分を殺したんだよ

大空に向かい大きく伸びをするさあ新しい今日がはじまる

8月12日(水)

18年12月7日(木)

海原が生きてるごとく輝けり雲間の光一筋を受け

神神としきりに神を求めるは神より遠く離れしためか

まず懺悔あるいは何も嘆かないどちらにするか迫られている

一瞬も止まることない流れには取り残されしごときわが影

8月11日(火)

18年12月6日(水)

給料の遅配続くも黙々と今朝も弁当作りてくれる

文明は生活というわれにとり短歌は三度の食のごとあれ

地に足を付け生きゆかんたとえれば青信号を渡り行くごと

8月10日(月)

12月5日(火)

山茶花は花千両は実が赤く師走のわが家の庭を飾れる

空仰ぎ大きく息を吸う癖よ地下事務室に長く勤める

満ち足りているかのように白き穂を師走の風にススキ委ねる

8月9日(日)

18年12月3日(日)

給料を払えぬ会社は会社じゃないわたしのほうがよっぽど言いたい

居留守などすっかり慣れて結局は女子事務員を嘘つきにする

枯葉散る夕暮れなどと書き出して五輪真弓にとてもかなわぬ

一晩で散り尽くしたる銀杏の葉水無き溝を黄色に染める

いのちもつもののごとくに朝の日に銀杏の葉が舞う輝きながら

8月8日(土)

18年12月2日(土)

正直をアルコールにて麻痺させる正直だなあ何しても君は

大根も白菜もみな育ちすぎ廃棄されたり数十トンが

いくたびも両手で顔をこすりたり何か言い得ぬ思い湧ききて

夕方の満ちくる潮が砂浜をじょじょに狭めてゆくさまを見る

8月7日(金)

18年11月29日(水)

歌のたね見つけあれこれこじつけるこれこそわれの今の姿か

正直は正直らしさではなくて嘘つき偽善愚か滅茶苦茶

高くたかくあくまで高く登らんと烏瓜さえ努力している

8月6日(水)

18年11月28日(火)

夕空をゆっくり飛びいる鳶一羽その底知れぬ自信はなんだ

神を知るもの静かなり焦せること悩むことなく憩うがごとく

何もかも神に晒さんわが内の隅からすみへと光をあてて

神は愛神は明るきものなればわれの悩みは明らかとなる

8月5日(水)

18年11月27日(月)

冬は夜あるいは老いかまたは死かああもみじ葉の華やぎの色

冬に入るこの切なさを顕(あらわ)すと心をこめて葉は紅葉す

団体の客遠ざかりもみじせる山に小鳥のさえずり戻る

旧道の天城トンネル暗闇を提灯ひとつ揺らしつつ行く

18年8月4日(火)

11月26日(日)

急激に川の水位が下がりおり浄水場の上流にして

金繰りの話始める弟のそばで小さく母座りおり

8月3日(月)

18年11月23日(木)

冬に入(い)るときの間今を華やげる銀杏もわれも命あるもの

雲の間の光を浴びて輝かん銀杏大樹のごとくにわれも

信というひとつの言葉得し朝(あした)木々がもみじとなりて耀(かがよ)う

売れる歌あれば売りたし子の施設法人化するに資金が足りぬ

自閉児のわが子の歌を歌集にし売らんと思う金を得るため

8月2日(日)

18年11月22日(水)

本物の歌を作くろうぐだぐだとしたる泣き言まずは捨て去り

歌作りなにになるかの問い自体マンネリとなるわれのこの頃

生きること人間として生きることこれにて尽きるまずは生きよう

いじめ苦に自殺した子よ君こそがもっとも自分をいじめていないか

8月1日(土)

18年11月21日(火)

もみじする力なけれど何かせん冬に入(い)る前われ何かせん

生きるとはどういうことか考えよういじめる子等もいじめられる子も

叩かれて唾をはかれて磔(はりつけ)にされしイエスは自殺ではない

国のため父母のためにと死んだのか特攻隊は自殺ではない